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愛し愛されて生きるのさ。
その6
○中森明菜『愛撫』
妙に聴きたくなってしまったので図書館で借りてきた。図書館のCDコーナーは侮れない。ちあきなおみベストも借りようかどうか迷ったが、枚数の関係で断念、次回に回すことにした。
んで中森明菜の『愛撫』であるが、作詞・松本隆&作曲・小室哲哉の類まれなゴールデンタッグである。今さら小室哲哉プロデュースには価値はないが、当時としてはなかなかインパクト大だったのではないか。
サウンド面ではTMNの名残が感じられるTK節全開である。歌詞も松本隆ワールドとでも言おうか、大人の雰囲気の中にロマンを感じる。そこに中森明菜のドスの効いた声が絡んでくるのだからカッコよくないわけがない。ラスト近くのたたみかけるような繰り返しが印象的である。
後期中森明菜の一番の名曲だと勝手に思っている。
○藤井フミヤ『DO NOT』
またちょっと懐かしい曲である。私の中で藤井フミヤの代表曲と言ったら『Another Orion』『TRUE LOVE』よりも『DO NOT』である。この曲での藤井フミヤの裏声っぷりが笑えるのである。藤井フミヤはあまり裏声を出すタイプの歌手じゃないので余計に笑える。笑えるなんて言ったらファンの人に怒られそうだが、事実なんだから仕方ない。
私は藤井フミヤという人自体はどうしても好きになれない。あのナルシストっぷりと「自分中心に世界は回ってる」とでも言ってしまいそうな自信過剰な部分が癇に障る。自信アリアリなのは構わないけど、もうちょっと謙虚になってもいいんじゃないかと思ってしまう。
○hitomi『by myself』
hitomiという人は早々に小室ファミリーから脱退し、そのファッション性も相まって若い女性のカリスマ的存在にまで上り詰めた人である。
小室脱退して再ブレイクした際に、音楽雑誌は「前からこのコはちょっと違うと思っていた」と書きたてた。思ってたならその時に書けよ、と思ったものである。だから音楽雑誌って嫌い。『ロッキンオンジャパン』とか。
でも私はhitomiに関しては小室時代のほうが面白いと思っている。別に大して好きでもなかったが、「小室の着せ替え人形」的な立ち位置がしっくりきていた。hitomiって人形っぽいんだもん。でも彼女は小室ファミリーでは唯一、歌詞は自分で書いていたので「自己主張する着せ替え人形」ってとこか。小室ファミリー脱退後は、妙にアーティスト性を前面に出してきたので面白くない。
彼女の曲の中で一番気に入ったのがこの『by myself』である。叙情的なメロディーに絡むストリングスが絶妙である。小室哲哉の職人技を今こそ再確認せよ!
○TAK MATSUMOTO featuring ZARD『異邦人』
いや~この曲を初めて聴いたときは度肝を抜かれた。オリジナルは久保田早紀で前々から知ってはいたが、B’zの松本とZARDがカバーするとは思わなかった。しかもお馴染みのあの印象的なイントロが松本のギターで「ギュギュギュイ~ン」と料理されていてビックリ。「確かに『異邦人』だけど、なんか激しい!」と思った人も少なくないだろう。
ZARDの歌声は相変わらず幸薄そう。冷静な雰囲気。それに反して松本孝弘のギターは熱い。情熱的だ。
この曲はカバーブームにとどめを刺す、J-POPの『冷静と情熱のあいだ』である。わけわからん。
○光永亮太『Always』
「第2の平井堅」との呼び声も高い光永亮太のデビュー曲である。
男性でこの手のハウス・ミュージック風の歌を歌う人はあまりいない。なのでちょっと興味をそそられて、レンタルしてみた。
確かに耳あたりがよく、なじみやすいメロディである。しかし今イチ詞がよくわからん。
「君の書いた言葉が 突然胸をよぎるよ 『未来は無限に広がる』 逢いたくて泣き出しそう」
突然「未来は無限に広がる」なんて言いだす女はどういう神経をしてるのかしらと思った。この曲は全体的に「未来への希望」らしきものをテーマにしているようだが、あまりにも薄っぺらく思いつきのような歌詞なので、全然伝わってこない。メッセージ性があるようで無い曲である。
ちなみにこの光永亮太という人は、かなり輝かしい過去を持っているようである。憎たらしい。そんな人が「好きな子に歌を作ってあげたことから音楽の道を歩き出した」そうである。
「好きな子に音楽を作る」ひぇ~、恐れ入りました。申し訳ありませんでした。突然目の前で歌を歌われたらさぞかし怖いだろうなあ。
○モーニング娘。『ザ☆ピ~ス!』
モーニング娘。を見てはいつも「なんてプロフェッショナルな娘たちなんだろう」と思う。完璧な振りとフォーメーション、アクロバティックなダンスなのにしっかり歌っている。ちょっとでも手を抜いたら目立ってしまう、というシビアな状況の中で、メンバー個々が自分自身を追い込んでいる修行僧集団のようでもある。
とにかくこの人たちの魅力は歌よりもダンスである。きっちりとフォーメーションが組まれ、それぞれに見せ場が用意されたダンスはまるで組み体操のようだ。細かく刻まれたリズムの中で、一糸の乱れもなくこなすのは相当ハードであろう。それを笑顔と茶目っ気までふんだんに織り交ぜてやり遂げてしまう根性は只者ではない。
モーニング娘。はデビュー当時から「変」を「可愛い」に消化してきたグループである。そこはプロデューサーであるつんく♂の見事なまでの戦略によるものだが、グループ名である「モーニング娘。」だって初めて聴いたときは「何じゃそら?」と思ったが、あれよあれよという間に定着してしまった。そして一時の低迷期を乗り越えてリリースされた『LOVEマシーン』によって「変=可愛い」の構図は顕著になった。とにかくイントロのポージングに驚かされた。それぞれが真顔で変ちくりんなポーズを決めているのだ。歌詞も小馬鹿にしたような内容で、この曲でモーニング娘。はオリジナリティを確立した。最近の曲である『シャボン玉』のダンスは丸っきり集団ヒステリー状態にしか見えないのも凄かった。
そして私がお気に入りなのは『ザ☆ピ~ス!』である。非常に調和がとれたモーニング娘。らしい曲である。間にインサートされる石川梨華のモノローグも「ブリッ子」を超越して何か神々しいものに見える。
モーニング娘。は常に目が行ってしまう稀有な存在である。椎名林檎や中島美嘉といったシンガーは、崇め奉られているような存在で、聴くこちら側を見下しているように思えるときがあるが、モーニング娘。に関しては明らかに聴衆より彼女たちのほうが目線は低い。徹底してサービスに励んでいる健気な集団である。まるで放課後のグラウンドでチアリーディングの練習をしている女の子たちを教室の窓から眺めているかのような気分にさせてくれる。目が離せない。
○EXILE『song for you』
EXILEというと、元ZOOやASAYANオーディションでの落選者などで結成された、言葉は悪いが「寄せ集め」的なユニットだと思っていたが、割と保っているようである。「歌って踊れるホスト風集団」というのがあまりいなかったから、需要と供給のバランスがちょうどよかったのかもしれない。
私の中でEXILEといえばこの『song for you』である。サビの部分で「キミは1人じゃないよ 僕らがここにいるよ」という歌詞がある。ここで私はついつい「僕ら=EXILE」ととらえてしまい、1人の女性の周りをEXILEがグルグル回っている姿を想像してしまい、おかしくてしょうがない。
曲のクオリティで言うと『Fly Away』が好きである。エッジが効いたトラックと懐かしさを感じるメロディが印象的。
○宇多田ヒカル『COLORS』
宇多田ヒカルは最近の歌手にしては、独自の歌詞世界を持っている人である。細かいディティールで心情や人間関係を表現するのがとても巧い。つまり歌詞にストーリー性がある、歌詞がちゃんと「詞」になっている稀有なシンガーソングライターである。
そこでこの『COLORS』であるが、タイトル通りこの曲のテーマは「色」であると思われる。そのために至るところに色のモチーフが使われている。
たとえば
「半端な願望には標識も全部灰色だ」
「オレンジ色の夕日を隣で見てるだけで」
「今は真っ赤に誘う闘牛士のように」という風に。
少々無理があって、一本調子に聴こえてしまう部分もあるが、通して聴いたイメージは「うまいなあ」である。
「青い空が見えぬなら青い傘広げて」なんて単純だけどコクがある詞である。
特に私が気に入ったのは
「黒い服は死者に祈るときにだけ着るの わざと真っ赤に残したルージュの色」というところ。
妙にエロティシズムが漂う、ドキッとさせられる詞である。黒と赤のコントラストが艶かしい。
○m-flo『come again』
m-floの曲の中で最も好きな曲である。この曲を聴いたときはちょっとショックすら受けたものだ。クラバーと一般リスナー、両方の心をとらえた名曲である。歌もラップももの凄く早口で言葉が洪水のように流れ込んでくるが、それが決してうるさくなく、むしろ心地よく聴こえるのが不思議。
m-floはデビュー当初は決して好きじゃなかった。あの当時は似たようなテイストのグループが雨後のタケノコのようにうじゃうじゃデビューしていたからだ。しかし『How You Like Me Now?』あたりからm-floは俄然面白くなった。「クラブ仕様だけどキャッチー」というクラブとお茶の間の橋渡し的存在のパイオニアとなった。
Lisa脱退後はあまり表立った活動はしていないようである。クリスタル・ケイを迎えてシングルをリリースしたり、ライブを行っているようだがまだ手探り状態であるという印象を受ける。
Lisaはm-flo在籍時に、雑誌に「女性たちのファッションリーダー」と書かれていた。マジですか?Lisaってどっからどう見てもキャシー中島なんだけど。
○BUMP OF CHICKEN『ロストマン』
BUMP OF CHICKENの曲は最初に聴いたときはいつも「あれれ微妙」と思う。しかし何度か聴いているうちにクセになってくる。一時「ポストミスチル」と言われていたが、そりゃ明らかに違うでしょ。
『ロストマン』も最初に聴いたときはパッとしない曲だと思った。彼らの曲はわりとメロディーが平面的でのっぺりした印象を受ける。ボーカルの藤原基央の歌い方によるところも大きいと思うが、あまり抑揚を感じない。しかし聴きこんでいく内にそんな平面的な歌が妙に魅力的に聴こえてくるのだ。
BUMP OF CHICKENは冷血な感じである。決して熱血ロックじゃない、そこが魅力でもある。
ちなみに藤原基央ともう1人のギターの人との区別が未だにつきません。そっくりさんで困っちゃう。
○柴田淳『隣の部屋』
演歌的な「未練」を歌謡曲的に料理した曲。嫌いな人は嫌いだろうが、そこはハマってしまう人は抜け出せなくなってしまうような柴田淳ワールドである。あえて言うなら岡村孝子・岡本真夜・古内東子ラインか。
鼻にかかった声やホワンとしたルックスも薄幸さが漂う。かつての裕木奈江を彷彿とさせる風貌は「激昂したら何するかわからない」という怖さを秘めている。
過去を引きずる女の未練を、サラリとしたトラックにじっくり練りこんだ曲である。「演歌は苦手だけど、どんよりした曲が聴きたいわ~」というOLさんにオススメ。いや別にOLに限らないが。
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