PIRATES

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いつかの永遠 1


今日の仕事が終わり、ひと段落ついているときだった。
ホークアイ中尉があわただしく、部屋に入ってきて・・・
信じられない話を聞かされた。
その内容とは・・・ハボックが、鋼のをかばって、今瀕死状態だと言う。
何でも鋼ののコトが気に入らない連中が10~15人ほどで鋼のを囲み、
暴行を加えようとしていたらしい。
いつもみたいに全員倒したと思い、鋼のが油断した隙に
物陰に隠れていた一人が金属バットで殴りかかろうとしたところを
ハボックがかばった・・・。
まだハボックの意識は戻っていないようだ・・・。
だから、詳しいことが何も聞けない。


-コンコン-
「はい。」
司令部の、医療施設のとある病室。
そこにはハボックが居た。
ベッドの上に上半身を起こし、頭にはぐるぐると包帯を巻いている。
「頭・・・平気?」
そう尋ねたのは、もちろんエドワード。
ハボックの意識が戻り面会が許されてから1番に来た。
「ごめんな・・・オレなんかかばったせいで・・・。」
「気にすんな。お前をかばったのは俺の勝手だ。」
そう言ってハボックは笑った。
エドは多少困っていたが、ハボックの一言により雰囲気が崩れた。
「まぁ、当分タバコ吸えねぇのがキツイけどな。」
「ぇ・・・?」
「俺、タバコ吸えなくて死んじまうよ。」
大声で笑った。
そして、ものの1分もしないうちにどこからか看護婦が飛んできて怒られた。
「ぁ!そういや大佐には言ったのか?俺の意識が戻ったこと・・・。」
「あ・・・。言ってねぇ・・・。電話してくる!」
「おう!」
エドは部屋を飛び出した。
-ズキン-
「・・・っ・・・・!」
まだ完全に傷がふさがっていないためか、長く話したりすると頭が痛くなる。
仰向けに寝れば後頭部は痛いし、夜中それで何度も起きてしまう。
(少し・・・横になるか・・・。)
ハボックはそのままベッドに横たわった。
傷口に負担をかけないようにしているがそう上手くはいかない。
こんな状態でタバコを吸ったらどうなるのだろうか・・・。
傷口から煙が出てきそうだ(笑
考えると、頭が痛くなってきた。

「ハボック!!!」

あわただしく、部屋に誰か入ってきた。
ロイだった。
「や、どーも。大佐。」
ハボックは、のんきにいつもの調子で言った。
「何か来るの早くないっすか?」
「もう・・・大丈夫なのか・・・?」
「・・・微妙っすね。」
「そうか・・・。」
ロイは少し悲しげに、ハボックから目を離した。
ようやくエドが戻ってきた。
かなり息を切らしている。
大きく息を吸い込み、
「大佐ぁ・・・何で俺より来るの早いんだよ・・・?人が電話してるのに途中で切りやがるし・・・!」
「そ・・・それは・・・」
「そういえば・・・早いっすね。」
ロイが早いのは当たり前だろう。
エドから電話を受け、猛ダッシュでここまで来たのだから。
多分、世界大会1位の短距離選手より速かっただろう。
なぜなら、ハボックの意識が戻るのを、今か今かと待っていたのだから。
とにかくロイはハボックに逢いたくてたまらなかった。
「ハボック・・・。」
「ん?何すか?」
「何か必要なものがあったら言ってくれ。」
「ゃ、いいですよ。大佐に迷惑かけられないし。」
そういって、ベッドの横にあるテーブルに置いてあったりんごを取る。
そして、そのままかぶりついた。
「ぁ、そうだ。ちっこいの。」
”ちっこいの”という言葉に反応してエドが叫ぶ。
「ちっこい言うな!!」
「どーでもいいから、りんご買ってきて。」
「何で俺なんだよ。大佐に頼めよ~。」
「何?嫌なの?せっかく余った金で遊んできていいって思ってたのに・・・。 」
「・・・行ってやるよ。しょうがねぇなぁ・・・・。」
そういうエドの顔はニヤついている。
まだ子供だ。
「んじゃ、よろしくな。」
ハボックはエドに金を渡した。
「5個くらいよろしくなぁ~。」
「おぅ!」
エドはルンルン気分で部屋を出て行った。
その姿をみて、ロイは小さくつぶやいた。
「誰のせいでこうなったんだ・・・。」
小さく言ったつもりだったが、ハボックには聞こえていた。
「いいですよ。あいつも結構責任感じてるみたいだし。」
「だがっ・・・!!」
「何で鋼のチビを買い物に行かせたか分かります?」
「は・・・?」
唐突にハボックは尋ねた。
ロイは、理解ができぬまま、次に目を開けたときはハボックの顔が目の前にあった。
「んっ・・ふっ・・・・!!」
キスをしたまま、ハボックはロイをベッドの上へと連れこむ。
「なぁっ・・・・!?」
「こーいうコト・・・したかったから・・・・。」
こういうことを望んでいたのに。
抱かれても構わないと思っていたのに。
ロイは本能のままにハボックを突き飛ばした。
心と身体が別の反応をして、ロイを悩ませる。
それでもハボックはロイの唇を奪った。
無理矢理と言った状態で、ロイの口を舌でこじ開ける。
その間に、ロイは体にしびれるような感覚を覚えていた。
そして、ハボックが服を脱がそうと手を伸ばしてきた。
ハボックの手が、ロイの身体に触れると、ロイはまた、ハボックを突き飛ばしてしまった。

ドンッ!!



++++++2へ続く++++++





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