club bebe☆.。.:*

club bebe☆.。.:*



  Somewhere I hear a voice calling.
  But looking around I see no one.

               どこかで よぶ声が しました。
               でも 見まわしても だれもいません。

  Then again I hear the voice calling.
  This time it is much closer to me.

               すると また よぶ声が しました。
               こんどは ずっと すぐ近く です。

  But still I see no one.
  Above the trees spreads a blue sky.
  A breeze brings me the light of the sun.

               でも やっぱり だれもいません。
               木のうえに ひろがる 青い空。
               風がはこんでくる 日の光。

  “Here I am!” says the voice.
  A little voice, yet a very pure voice.
  But besides the voice I can see no shape.

               「ここだよ」その声は いいました。
               小さな声なのに とても 澄んだ声でした。
               でも 声のほか すがたは見えません。

  “Here I am!” says the voice.
  Though I can see no shape anywhere
  It is a pleasant voice, a very clear voice.

               「ここだよ」その声は いいました。
               どこにも すがたは 見えないのに
               気持ちのいい とても はっきりした声でした。

  “Let’s go together!”
  Says the voice shoes shape I can’t see.
  “Let’s go and look together!”

               「いっしょに ゆこう」
               すがたの見えない 声が いいました。
               「いっしょに さがしにゆこう」

  “Let’s go and look for what you prize!”
  Says the voice whose shape I can’t see.
  “Let’s go and look for what you treasure!”

               「きみの たいじなものを さがしにゆこう」
               すがたの見えない 声は いいました。
               「きみの たいせつなものを さがしにゆこう」

  “Look at the shining of the water!” says the voice.
  Beyond the voice is a twinkling light
  A large river slowly flowing along.
  “What you prize is the shining o that water!”

               「ほら、あの 水のかがやき」と その声は いいました。
               声のむこうを きらきら光る
               おおきな川が ゆっくりと 流れてゆきます。
               「だいじなものは あの 水のかがやき」

  “Look at the colors of those flowers!” says the voice.
  There are many flowers blooming here and there
  As if the season is gently smiling.
  “What you treasure are the colors of so many flowers!”

               「ほら、あの 花々のいろ」と その声は いいました。
               たくさんの花々が 咲き乱れています。
               そっと季節が ほほえんだみたいに。
               「たいせつなものは あの たくさんの 花々のいろ」

  “Listen to those laughing voices!” says the voice.
  Coming from the avenue in the park
  I hear as it were the outburst of children’s laughing voices.
  “Those bright laughing voices you mustn’t ever forget!”

               「ほら、あのわらいごえ」その声は いいました。
               公園の 木だちのあいだから
               子どもたちの はじけるようなわらいごえが きこえてきます。
               「あの 明るい わらいごえを わすれてはいけない」

  “Smell this fragrance!” says the voice.

               「ほら、この におい」その声は いいました。

  Wafting out a most delicious smell.
  Somewhere someone is baking cookies.
  A good smell. A nostalgic, sweet smell.
  “That wonderful smell of cookies you mustn’t ever forget!”

               とても おいしそうな においが ひろがってきます。
               どこかで だれかが クッキーを やいています。
               いい におい。なつかしい あまい におい。
               「クッキーの すてきな においを わすれてはいけない」

 “Look at this book!” says the voice.
  The book is a book much loved by you children.
  A book I wish to be very, very often read and re-red.
  “In that book is what you prize.
  Your memories you mustn’t ever lose!”

               「ほら、この本」と その声は いいました。
               その本は 子どものきみが とてもすきだった本。
               なんべんも なんべんも くりかえして 読んでもらった本。
               「その本のなかには きみの だいじなものが ある。
               ぜったいに なくしてはいけない きみの思い出が――」

  “Look at that window!” says the voice.
  From that window looking up at the night sky
  You count the number of the stars.
   As you count the number of your hopes.
  “From that window you can see what you treasure.
  Your dreams you mustn’t ever lose!”

               「ほら、あの窓」と その声はいいました。
               その窓から 夜 きみは 空を見あげて
               星々のかずを かぞえてみます。希望のかずを かぞえるように。
               「あの窓からは きみの たいせつなものが 見える。
               ぜったいに なくしてはいけない きみの夢が――」

  ―― For you what is the thing you prize?
  “It is, I see, holding the hand of the one I love,”
  Says the voice.
  “Feel, it is so warm. The warmth of what I prize.”

               ―― きみにとって だいじなものは 何?
               「すきなひとの 手を にぎると わかる」
               その声は いいました。
               「ほら、こんなに あたたかい。だいじなものは その あたたかさ」

  ―― For you what is the thing you treasure?
  “It is, I see, looking into the eyes of the one I love,”
  Says the voice.
  “Look, you are there in the eyes of the one you love.”

               ―― きみにとって、たいせつなものは 何?
               「すきなひとの 目を 見れば わかる」
               その声は いいました。
               「ほら、そのひとの 目のなかに きみがいる」

  “Let’s go to the forest,”
  Says the voice.
  “What you most prize is in the forest.
  What you most treasure is there.”

                「森へ ゆこう」
                その声は いいました。
                「いちばん だいじなものが 森のなかに ある。
                きみの いちばん たいせつなものが そこに ある」

  In the silent forest.
  Making the silence of the forest
  Are many large trees reaching larger than themselves.

                しずかな 森のなか。
                森の しずけさを つくっている
                天までとどく たくさんの おおきな木。
                おおきな木は じぶんよりおおきな影を つくります。

  In the silent forest.
  Behind the large trees of the forest there are angels.
  It isn’t the sound of a breese.
  What you make out with your ears is the sound of angels’ wings.

                しずかな 森のなか。
                森の おおきな木のうしろには 天使がいます。
                風の音 ではありません。
                耳をすますと きこえるのは 天使の はねおと です。

  What gives breath to the forest is the rich silence.

                森が息しているのは ゆたかな沈黙 です。

  What gives life to the forest is the rich flow of time.

                森が生きているのは ゆたかな時間 です。

  Morning comes, noon comes, afternoon comes
  Evening comes, then night comes
  All asleep, again morning comes

                朝がきて 正午がきて 午後がきて
                夕べがきて そして 夜がきて
                ものみな 眠り ふたたび 朝がきて

  Summer comes, autumn comes,
  Winter comes, spring comes
  And so a hundred years pass
  Today, too, in the silent forest.

                夏がきて 秋がきて 冬がきて 春がきて
                そして 百年が すぎて
                きょうも しずかな 森のなか。

  Somewhere I hear a voice calling.
  ―― What you prize is what?
  ―― What you treasure is what?

                どこかで よぶ声が します。
                ―― だいじなものは 何ですか?
                ―― たいせつなものは 何ですか?






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