オージー生活

オージー生活

外資系損保会社 突然の。。


と、編集スタジオから社に電話を入れると、

「全社員にさっきメールが入ってね。明日の10時から全社員会議をやるから必ず出席のこと、だって」

と言う。部長と、はて?と頭をつき合わす。とりあえず代理店に、明日の午前中は来れないと告げて、

「なんかあったんでしょうか?どっか他の会社に買われたとか、合併とかですかね?」

と部長と話す。当時、金融会社の大合併が新聞をにぎわしていた。

翌日、会社の会議室には全社員は入れないので、借りたホテルの部屋の前に行くと、いつもふざける同僚が

「あ、あんたは明日から広告代理店に転職!よかったね」

とからかった。え?なになに?と思いながら席に着くと、

いつも微笑んでいて、少しにやけた感もあるアメリカ人社長が、珍しく沈痛な面持ちで、通訳の女性を従え、用意された原稿を読み始めた。

「我々の本社である本国の××の株主総会は、先日の総会において、日本支社を閉鎖することを決定しました。社員の皆さんは。。。」

と。同時に印刷物が配られ、社員は全員解雇になるが、割増し退職金を払うこと。この閉鎖は日本支社の責任ではないが、このまま全国区に参入しても利益が見込めないので閉鎖と決まった。。

などが書かれていた。

ひえーーーーーーーーーーーー。

でした。呆然としました。
日本人常務は、涙ぐみながら、

「守秘義務があって、正月の3日に聞いたが、今までみんなに言えずにいた。何もできなくてすまない。。」

とか言ってた。

会議室を出て、がやがやと社に戻りながら、山一証券から来た人に、

「2回目ですかー」

などと同僚とからかう元気はあった。

社からダンナに電話して、

「会社なくなっちゃうよお」

と言うと、ダンナも驚いて、

「これからどうする?」

と言う。

「うん、とりあえず割増し退職金は出るらしいんだけど。。。」

と言うと、ダンナは

「Oh,,,,,That's OK(それならいいじゃん!)」

とか言ったので、さすがにムカついた。私がショック受けてるのに。
しかも後から聞いたら、その後すぐにオーストラリアの姑に電話して喜んでたらしい。。。。

その日はそれから各部の取締役から説明があった。就職を斡旋する会社を紹介するとか、業務時間内の就職活動の奨励とか、取締役会の決定とかまあ、いろいろ。

その後は代理店にキャンセル料やら何やら払ったりまあ、ありとあらゆる残務処理をしたり、同時に他の社員と解雇までの猶予をくれと要求したりしながら、会社には毎日出て来て履歴書を書いたり、推薦状を社長にまで頼んで書いてもらい、へらへらと約1ヶ月半、過ごした。

なかなか特異な体験ができたし、割増しで退職金ももらえたので、結局はいい会社だったと思うし、今でも感謝している。


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