真実一路

真実一路

カナシバリ 2



就寝中、また魔物が身に寄ってきた。

わたしは夢を見ていた。夢の前段は忘れてしまったが、ビルの屋上らしき場所でなにかの作業をしていた。
辺りは暗く雨が降っていた。それは、何かをいくら探しても見つからないような、いつもの息苦しい夢だった。

突然パッと明るくなり、わたしは白い壁の自室で寝ていた。また身体は寝たまま脳だけが起きたのか?
なにかが右側から身体に沿って闇のように近づく。やがて寝ている私の頭の真後ろに来る。後ろから頭に松葉か茶葉のような何かをササッとかけられた。
それは、ときどき訪れる何者かだ。
相手の手を左手(霊の、意識の)でつかもうとし、指?の一本をつかんだような、すり抜けられたような感じも、あいまい。
正体を見ようとする。左手サッシの窓に、黒い外套をまとった何者かが立っていた。死神のような感じだが、顔は見えず大鎌も見えなかった。

パッと目を覚ました。
いつもの部屋。いつもの天井。いつもの壁。
不吉な出来事の予兆か。運命を操る見えない力が、わたしは恐い。


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