生種の起こし方

生種の起こし方

 生種の起こし方には、それぞれ微妙に違いが出てくるようです。地域によるものか各自の個性によるものかは定かではありませんが、ここでは私の短い経験ながらおいしくパンが焼けた時の記録を元にして出来上がった方法をご紹介します。他にもいい方法がたくさんあると思いますので、これもひとつのやり方だと思って参考にしてくださいね。




 <用意するもの>
ジャムなどのガラスの空瓶
竹串
発泡スチロールの箱

 <材料> ホシノ元種 50g
水 75cc

 <起こし方>

①容器に使う瓶を用意します。


出来た生種を計量スプーンですくい出しやすいように、広口のものがいいと思います。また、縦に細長い瓶は途中で発酵した種があふれてくる事がありますので、あまり大きくない瓶の場合は底面積の広い高さの少ない形のものがお勧めです。

②瓶を消毒して水を入れます。


瓶を洗剤でよく洗い、水気を拭き取らずに電子レンジにかけます。熱々になったら布巾かキッチンペーパーの上に伏せておきます。手で触れるくらいになったら水気を拭き、分量の水を入れます。熱い瓶に入れるので、水は少しぬるくなります。

③ここに計量しておいた元種を加え、竹串でよく混ぜます。


ちょっと硬めのおからのような感じです。

④発泡スチロールの箱に入れて発酵させます。


ナショナルの天然酵母起こし機能を使うと24時間で生種が出来上がりますが、出来た生種の元気度は低めの温度でゆっくり発酵させたもののほうが強いです。種が元気だと長持ちもするし、出来上がったパンの味も変わってきます。

⑤発泡スチロールの箱におから状態の瓶を入れ、上に蓋をちょこんと乗せます。更に発泡スチロールに蓋をかぶせ、こちらは密閉します。


 この状態で発酵を待つのですが、ここ札幌でも季節によってかなり発酵の進み具合が変わってきます。室温30度にもなる夏場では24時間ほどでほぼ熟成期間に入れますが、冬場では2~3日かかる事もあります。暖房を使っているので室温は高くなりますが、夏と違って湿度が低いので発酵はそれほど進まないようです。
 おおよその経過ですが、まずおから状態だったものが次第に湿り気を帯びてきて、酒かすのような香りがだんだん強くなっていきます。細かい気泡が出てきて、竹串でかき混ぜるとざわざわと音がします。甘い味です。
 甘かった味に、だんだんいろんな種類の味が加わってきます。渋いようなえぐいような感じや、酸味も出てきます。この頃になると種はかなり水っぽくなっているので、竹串でかき混ぜる時の抵抗感が少なくなります。
 更に発酵が進むと、舌にピリピリとアルコールのような刺激を感じるようになります。種はシフォンケーキの種のようにとてもクリーミーな感じになります。

⑥ピリピリ感が出る前に熟成期間に入ります。


 特に夏場の暑い時には、油断していると発酵が進みすぎて種が台無しになってしまいます。用心してピリピリする前に冷蔵庫に入れ、一晩おいてパンを作ったらとてもおいしく仕上がった上に生種の日持ちもよくなることがわかりました。
 冬場の札幌はかなり冷えるので、熟成を暖房のない寒い部屋でやってみました。寒いといっても冷蔵庫よりは温度が高いので、なかなかいい感じに仕上がったと思います。種は冷蔵庫に入れたら蓋をきっちり閉めますが、それ以外は容器の上に乗せておくだけにします。

⑦熟成が進むと、ピリピリ感が強くなってビリビリしてきます。


 これで完成。すぐにパンが焼けます。ちなみに、夏場では冷蔵庫に移してから2~3日、冬場では1週間かかりました。出来たパンはもちろんおいしいのですが、これはちょっと長すぎ。そこで、起こし始めの4時間だけHBの種起こしコースにお世話になりました。4時間たったら発泡スチロールに2重に密閉して発酵を続けましたが、これはなかなか速くてよかったです。いずれ季節ごとの経過もまとめて掲載予定ですが、気になる方は日記を読んでみてください。


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