レモン・グラハム・ボール

レモン・グラハム・ボール

 ぷくっと可愛い形のパリッとした皮をかじると、プチプチした全粒粉の香ばしさとほのかなレモンの酸味が口の中に広がります。発酵時間を短縮するため、中種法で作りました。




 <材料> 12個分
  中種

全粒粉 55g


ぬるま湯 50cc


生種 大さじ1.8


砂糖 小さじ2分の1


 2回目

強力粉 100g


ぬるま湯 適宜


 本ごね

強力粉 100g


てんさい糖 大さじ1


 塩 小さじ2分の1


 バター 10g


レモンピール 30g



 <作り方>

①密閉できるホーローなどの容器に生種を入れ、ぬるま湯を加えて指先でトロトロに混ぜ合わせます。


 冬場は器具も冷えています。せっかくぬるま湯を使っても、冷たい容器に入れてしまっては何にもなりません。使う器具はあらかじめお湯で温めてから使うようにしたいものです。ただし、熱々の容器に生種を入れると酵母が傷むことがありますのでご注意。
 私は密閉容器に熱めのお湯を入れ、体温と同じくらいになってから生種を加えています。夏場なら心配無用。

②ここに全粒粉を加え、同様に指先でグルグルかき回します。


中種は水分が多めなので発酵が速まりますが、全粒粉やライ麦だと更に発酵が進むようです。中種の硬さは、シフォンケーキとパウンドケーキの種の中間といった感じです。

③蓋をきっちり閉め、温かい所で倍になるまで発酵させます。


室内はいちおう27度になっていましたが、今日はとても寒くて(最高気温がマイナス7度!)底冷えがしました。秋頃に中種法を試したときは1時間半で倍になったのですが、今日は1時間たってもほとんど変化なし。そこで、小さなボールに水を入れてレンジで沸かし、密閉容器と一緒にオーブンに入れてみました。しかし、思ったよりも庫内が熱くなって急にぶくぶくしてきたので慌ててボールだけ取り除きました。ホシノ酵母は急激な温度変化を嫌うので、くれぐれもご注意を。
 結局はトータルで1時間半で2倍になりました。

④大き目のボールに中種を移し、ぬるま湯を適宜加えて粉も合わせてこねます。


 上と同様にボールを温めておき、ぶくぶく泡立っている中種を移します。ここにぬるま湯を少しずつ加えてトロトロに混ぜ、100gの粉も少しずつ加えていきます。人肌程度のぬるま湯を入れたボールをそばに置き、生地の様子をみながら加えていくとやりやすいと思います。ぬるま湯を中種の入っていた容器に入れてから残った酵母も一緒に加えるようにすると、無駄に捨てずに使えます。生地の硬さは、お雑煮の中のお餅、うぐいす餅の皮といった感じでしょうか。摩り下ろしたコシのあるとろろ?それよりは硬いですね。とにかくよくこねて、粘々とグルテンを作ります。

⑤発泡スチロールの箱に密封し、倍になるまで発酵させます。


 ボールならラップ、密閉容器なら蓋を閉めて発泡スチロールに入れます。よくこねた生地は温度が上がっているので、それを保温して発酵に役立てます。今度は1時間半で2倍になりました。

⑥塩とバター以外の本ごねの材料を、中種のボールに加えて全体をざっと混ぜます。


 よく発酵した生地はこね上げた時よりも湿気を含んでいますので、本ごねでは水分を加える必要はないはずです。ざっと混ぜ合わせた時多少粉が多いように感じても、こねているうちに生地が湿気を帯びてきてまとまってきます。逆に、はじめにやわらかく調節してしまうとだんだん水っぽくなってきて、1次発酵が終わる頃には成形も出来ない状態になってしまいます。

⑦全体がおおよそ混ざったら塩を振りいれてこねます。


こね方ですが、私は手のひら(付け根)で生地をぐっと押し、コロンと転がしてまた押す、という方法をとっています。おしては転がし、おしてはまた転がしと繰り返すうちに生地がだんだんまとまってきます。大き目のボールの中だと作業がとてもやりやすいです。はじめは粉っぽいのでコロンと転がすわけにもいきません。生地を二つ折りにして上からぐっと押し、また二つ折りにしてぐっと押すようにするといいと思います。表面がなめらかになり、少し硬くなった大福餅のようになればOKです。

⑧バターとレモンピールを練り込みます。


 バターは小さなボールに入れ、あらかじめレンジでやわらかくしておきます。熱々のまま加えると酵母が傷むので、スイッチを切ったレンジの中で硬くならないように冷ましておくと作業がしやすいです。なめらかになった生地にバターの半量を乗せ、二つ折りにしてバターを包むようにしてぐっと押します。上と同様にこれを繰り返してこねていくと、はじめはつるつる滑っていた生地がだんだんまとまってきます。残りの同様に練りこむと、少しやわらかな大福餅のような感じになります。
 レモンピールは、好みで3~5mm角に刻むか、刻んであるものはそのまま使います。生地を軽くたたいてひろげ、4分の1量ほどを上に乗せます。それを包むように生地を折りたたみ、軽く押してひろげます。同じことを繰り返して全部練り込み、軽く転がしながらこねて仕上げます。

⑨再び発泡スチロールに密封し、倍になるまで1次発酵させます。


これも生地の温度がよかったらしく、1時間40分ほどで終了。

⑩パンマットの上に取り出して12等分に切り、30分ほどのベンチタイムをとります。


ベンチタイムについては、《基本の卵生地》を参照してください。ここで30分と書いたのはおおよその時間です。丸めた時の生地の状態を覚えておいて、ベンチタイムの間に生地がひとまわりふっくらするまで置きます。

⑪あまりガスを抜き過ぎないようにして丸め、天板に並べてオーブン内で2次発酵させます。


 《基本の卵生地》を参照してください。ただし、発酵は1.5倍で終わらせます。

⑫じわじわと温度を上げて焼成します。


 まずオーブンを200度に予熱します。合図があったらスイッチを切り、そのまま100度くらいになるまで冷まします。温度表示がなければ、手を入れてみます。温かくてずっと入れていられるくらいが目安。
 次いで、軽く霧を吹いた天板をオーブンに入れ、130度で3分ほど焼きます。次に160度で8分くらい、最後に190度に上げて2~3分焼きます。表面がいい色になったらひとつ取り出して、底を指先でたたいてみます。ポンポンと軽い音がしたら出来上がり。クーラーの上に乗せて冷まします。
 こうしてじわじわ温度を上げていくと、ぐ~んと上に釜伸びして丸く可愛い形に焼き上がります。ガスオーブンをお使いの方はすぐに目的の温度になってくれるようですので、はじめの予熱は省略しても大丈夫だと思います。
 2次発酵を1.5倍で終わらせるのは、焼成に入ってから釜伸びさせるためです。室内の温度などにもよりますが、オーブンを予熱している間も生地は発酵を続けるので、釜入れ(オーブンに入れること)の直前には1.8倍ほどになっているのが理想です。私は2倍に膨らんでから焼いて、全然膨らまない事がありました。生地のタイプにもよるかもしれませんが。

 見る見る丸く膨らんでいくので、オーブンの前から離れられなくなります。成形の時に閉じ目をしっかりつまんで閉じないと、レモンピールの水分で閉じ目がほどけてきます。切り分けたら、切り口のレモンピールをしっかり巻き込むのがポイント。


 今回はうめはらレモンスライス(CUOCAさんで扱っています)を使ってみました。苦味の少ない、細かく刻んであるタイプです。私はレモンの苦味と酸味が好きなので、これでは少し物足りないかなという感じでした。レモンカップなどの大きなものを5mm角くらいに刻んで入れると私好みかも。



レモンボール

 ◎2002年12月12日製作


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