初めて天然酵母を起こそうと思った時、まず第1に香りのいいものを、とレモンを選びました。実は第1候補はりんごでしたが、りんご狩りの生き残りはあまりにもひどい状態で、いくらダメモトとは言え口にするには忍びなかったのでした。
さて、このレモン酵母ですが、まりまりさんのMLで経験者の方々から教えられるままに出来てしまった、といういささか無責任なもの(笑)。たぶん失敗だろうと半分くらいはあきらめていましたが、これがなんと元気なパン種に育ってくれたのです。成功と失敗を繰り返しながらパンを焼き、その後もいろんなものに挑戦する足場となってくれた記念すべき酵母です。
①広口瓶は、洗剤でよく洗って煮沸消毒しておきます。
②レモンを軽く洗います。表面に酵母がついているので、ごしごし洗わずに軽く水ですすぐ程度にします。
③レモンの水気を振り払い、4~5等分くらいの輪切りにします。苦そうなので、花落ちの所も除きました。
④輪切りのレモンを用意した瓶に入れ、レモンがかぶるくらいに水を注ぎます。特にぬるま湯を使うことはしませんでした。
⑤約小さじ1の蜂蜜を加え、木の箸か竹串で軽く混ぜます。混ぜ終わったら、少しなめて味をみます。
⑥蓋をきっちり閉めて、あまり温度の高くない場所に置いておきます。私は反射板つきのストーブの横に置きます。直接熱が当たらないし、寒くもないので。
これは、今年(2002年)の4月の記録です。室温は計らなかったのです(ごめんなさい!)が、札幌としてはかなり暖かい春でした。
1日目は、ほとんど変化なしです。
2日目にシュワシュワと細かい泡がたくさん出てきました。ここで栄養をつけてあげようと、再び小さじ1ほどの蜂蜜をプラス。1日に何度も蓋を開け、箸でかき混ぜては匂いと味を確かめました。だんだん泡が少なくなってアルコール臭が出てきたら出来上がり、との事でしたが、この時点ではレモンの香りと苦味が強くなるだけでした。
3日目は発泡がピークを迎え、それから徐々に泡が少なくなっていきました。味は一段と苦くなるので、再び小さじ1の蜂蜜をプラス。あとで考えると、これは多すぎました。瓶をゆすってから蓋を開けるものの、なかなかプシュッと言う音がしません。
4日目はいよいよ泡が少なくなります。多分この日に「プシュッ!」はあったと思うのですが、強烈なアルコール臭を期待していたので、泡がほとんど消えてしまうまで放置していました。結局この日の夜にエキスを漉し取ることに。
きれいに洗ったガラスのボールに網を乗せ、上から酵母液を注いでエキスを自然に漉し取りました。レモンは多少気が抜けたかなと言う感じ。瓶の底には溶け切れない蜂蜜がたまっていたので、量が多すぎたことがわかりました。
エキスのボールにはラップをかぶせ、冷蔵庫で保存しました。一晩たつと甘味が少し減っていたので、蜂蜜を小さじ2分の1ほど足しました。さわやかな苦味の中にほんのりしたアルコールの香りのする、とってもおいしいエキスになっていました(ゴクゴク飲みたかったです!)。
瓶の蓋はきっちり閉めます。空気が必要なのかもしれないと思い、蓋をかぶせるだけにしたブルーベリーで、カビが生えました。
蓋を開ける前に瓶をぽちゃぽちゃと振り、新鮮な空気との入れ替えをしっかりとしてあげましょう。
糖分は入れ過ぎないほうがよさそうです。上の例では、はじめに小さじ1の蜂蜜で十分だったのだと思います。
エキスを漉すタイミングは、「プシュッ!」が目安。その時点でアルコール臭があれば漉し取って大丈夫だと思います。
マンゴーで酵母を起こした時、盛んに出ていた泡が1度すっかり消えてしまったことがありました。蓋を開けても「プシュッ!」はないし、アルコールの匂いもなし。しかも、水の量が少し減っているのです。そこで、試しに水を足してみました。ほんの少しの蜂蜜も加えて様子をみていると再び泡が出始め、見事な音と共にマンゴーエキスの出来上がりとなりました。
ぶどうジャムで酵母を起こした時、あまりにも泡が出てこないので水で薄め、更には温度の高い炊飯器の横に瓶を移動しました。間もなくシュワシュワと勢いよく発泡を始めたのですが、あっという間にアルコール臭が出てしまい、おまけにきっちり閉めた蓋の隙間から泡があふれてくるのです。何度も蓋を開けてガス抜きをするのですが、落ち着く気配はまるでなし。仕方なく冷蔵庫に入れるとおとなしくなりましたが、エキスは長持ちせずにすぐ水カビが生えてしまいました。あせりは禁物です。