《櫻井ジャーナル》

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2011.08.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 福島第一原発の事故によって放射性物質が大量に放出され、長期にわたって居住できない地域もできている。数年後から人間の健康、いや生態系に深刻な結果をもたらすと予測されている地域は数十キロメートルの範囲に及んでいるだろう。海に流れ出た放射性物質も膨大で、近い将来、外国から損害賠償を請求される可能性が高いとも言われている。

 そうした深刻な状況を一貫して隠し、嘘をつき続けてきたのが日本政府であり、東京電力。そこから出される「安全デマ」を垂れ流してきたのがテレビや新聞といった「権威ある」マスコミである。

 しかし、インターネットの時代である現代にはマスコミを必要としない情報の流れが存在する。そうしたルートから信頼できるのはフリーランスや外国のメディアだと知った人も少なくないようだ。

 外国メディアのひとつ、ドイツのZDFが農作物の放射能汚染をテーマにした番組を製作、その映像に誰かが日本語訳をつけてYouTubeにアップしたことから話題になったのだが、その映像を 福島中央テレビが「著作権」を理由にして削除 しまくり、それがまた話題になっている。その理由になったのは3号機が大爆発する場面なのだが、この番組では意味のない映像だ。

 Twitter上では「福島中央テレビ スタッフ情報」が事情を説明している。それによると「話題になっているドイツのテレビ局の原発爆発動画ですが、無許可で使用されています。正式に抗議もしています。」

 (福島中央テレビが削除した番組は放射性物質の農産物への汚染をテーマにしたものであり、「原発爆発動画」という表現は正しくない。)

 さらに「無断で映像を使用したドイツのテレビ局にではなく、無断で使用され、さらに改ざんされているテレビ局に抗議が多いのは不思議です」とも書いているのだが、本気でそう思っているなら、報道に携わるものとして必要な感性を失っているとしか言いようがない。

 少なからぬ日本人は政府や東電が事実を隠し、マスコミを使って嘘を広めてきたことに気づいている。庶民の命を軽んじていると思っている。怨念を抱いている。

 福島中央テレビが批判されるのは、福島中央テレビもほかの日本のマスコミと同じように、メディアとしてしなければならない仕事をしてこなかったと思われているからである。日本のタブーを無視して事実に迫ろうとする番組の映像を削除する前に、メディアとしてなすべきことをしろという怒りを人びとが持つのは自然なことである。

 勿論、著作権は守らなければならない。しかし、その前にメディアとしてなすべきことをしてこなかった自分たちの行動を反省するべきである。





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最終更新日  2011.08.31 16:41:44


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