マムの素 *             青カバ・ウィリアムはかく語る

マムの素 * 青カバ・ウィリアムはかく語る

さくらももこ・神のちから




■さくらももこサンの漫画本■ 4.23up
神のちから
神のちから *さくらももこ
腹がよじれるほど笑えます。イメージもどんどんひろがり、とどまるところがありません。内容も”大”変だけど、92年造本装丁コンクール入賞に輝くふざけた装丁も必見。ただし楽天ブックスはコミック版で、残念なことに装丁がちがいます!

さくらさんの底力のすごさ! 物語りの面白さ!

さくらさんの作品の中で最高傑作と思います。

さくらさんの作品といえばちびまるこちゃんやCOJICOJIくんが有名です。
それらは確かに面白いです。楽しいし、ふんわか幸せになれますし。
まっ、その程度のいい人と位置付けしていました。
マムはさくらさんを軽くみていました。
ところが、この「神のちから」を見て、度肝をぬきました。
辛らつでブラックユーモアにあふれ、その上、おかしい!(面白いということで)。
まさに神が舞い降りてきて炸裂したような作品なのです。
だって、登場人物の凄いこと。

うなぎに裏切られ多額の借金を抱える馬鹿なうなぎ店主。 すごいヘソを持つさわやかなアメリカ人。 頭がツボになった男。 尻がうりもののセールスマン。 小荷物で送られてきた、いただき物の男。 その他いろいろなお馬鹿設定登場者たち。

ブラックユーモアの極みは
『とりあえずそうしきをしたいいっか』のお話です。

「葬式いかがですかあ」とセールスマンがやってきて、死体とか持ってきて「葬式ごっこ」を善良なる一家がやっちゃうお話で、まっ裸の死んだおじいさんの遺体とか出てくるんですよ。
そこまでやるの? 遺体を遊ぶの? これ漫画よね? と、驚きです。
グロテスクですが、これが、痛快で笑えるのです。

ここまでやるんだ、さくらさん。と、脱帽のまんが本です。
そういえば、 もものかんづめ には祖父である友蔵さんの死についてあっけらかんと語られて、マム的にはOKでしたが、一部の方からは物議をかもした一件がありましたね。
多分、友蔵さんの死についての考えから「とりあえず葬式したい一家」は通じていくのかなと思っています。

さて、さくらさんと同等にユニークな漫画家といえば、西原理恵子さんだと思います。
西原さんはさくらさんのことを嫌っていらっしゃるようです。…私のほうが凄い…ってことで。私のほうが体はってる……ってことで。
一見そうですが、西原さんの作品はヤンキーあがりが売りのわりに以外とお涙頂戴であったり、落ちがいい人だったりと、中途半端なのです。が、さくらさんはきっぱり、「心の隅に棲むいい人」を否定しています!
その徹しかたに、なんだかとても潔く気持ちよささえ感じます。
あっぱれ さくらももこ ここに あり! 「神のちから」は、そんな本です。

西原さーん、さくらさんは一筋縄ではいかない豪傑豪快な人ですよ。

読んで怒るか、笑うか、とまどうか? どうぞ見てみそ!!!



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