Cymruのお喋り

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RS異聞記2 5



「あの2人、無事に帰ること叶いました。
ありがとうございます」

ふうはすでに形を失いつつあるブロヌに話しかけた。

”幸甚じゃ♪”

「アウィン殿はブロヌ様の初恋の方だと伺っておりました」

”昔話じゃのぅ・・・”空気が微かに震える。

アウィンの父である国王の第3夫人はブロヌの一番上の姉であった。
その結婚式でダグザ国を訪れた12歳のブロヌをエスコートしてくれたのは
当時16歳のアウィン。

恵まれた容姿と気さくな性格にブロヌは一目ぼれ。

♪ぱたっこよ
 私の想い伝えておくれ
 誰もいない泉に
 コインを1つ投げ入れる

♪浮かんだ優しい小さな輪
 大きな大きな輪になって
 あなたに届け!
 届きますように・・・

スマグの伝承歌にのっとり、ぱたっこに想いを託した。

”ぱたっこの一族は律儀でのぅ・・・
わらわの願い覚えていてくれたのじゃ^^”

「アウィン殿の肩に乗った気分はいかがでしたか?」

”からかうでないぞぇ^^;;;
余計な邪魔が入ってほんの一瞬であったが
なんだか嬉しかったのじゃ♪”

「よろしゅうございました^^」

”じゃがな・・・口説き文句はディオへと同じ。
くわえてあんなに女好きでは、婿候補にはならん><”
肩をすくめてウインク。

顔を見合わせ、ふうとブロヌは噴き出した。

”それではわらわはまた眠る。こたびは少々疲れたわぃ”

「ありがとうございました」深く頭を下げたふうの周りから
ブロヌの気配が消えた。




急激に火力が上がり、はじめのうちは
加減がわからず炭を量産していたカムロだが
何とか火力を調整することを覚え、
中華料理屋さんのお手伝いも出来るようになった。

σ(=^‥^=)ノ エライじょ♪

ディオは国に戻り、更なる宮廷礼法の勉強を始めた。


背負って生まれたものは放棄できないが
背負ったものをどう使うのかは、
それぞれが決めることが出来る。

「はじめから出来ることを能力とは申しません。
皆様が努力なされ、身につけられたものを能力と申します。
ご自身が望むご自分におなり下さいませ。
不可能だと諦めそうになったとき、大いなる力のご加護を祈り
諦めずにお進み下さいませ」

外国に落ちている硬貨は、
それがお金だと知っている人に出会わなければ
道端の石ころとかわらない。

けれどそれは確かに価値のあるもの。

人それぞれに居場所は必ずある。

探し続けること。
諦めないこと。

それがいつか
自分の価値をわかってくれる人との出会いを生む。

「総ての方に素晴らしい能力が秘められていらっしゃいます。
大いなる力はいつも皆様と共に」

「また神官とともに」

「参りましょう、祈りのうちに・・・」

時空を越えた知人たちの幸福と平安を願い
その想いが叶うようにと長い祈りを捧げるCymru。


時空を越えた想いを知るものは他にもいた。

♪ぱたっこよ
 私の想い伝えておくれ
 誰もいない泉に
 コインを1つ投げ入れる

♪浮かんだ優しい小さな輪
 大きな大きな輪になって
 あなたに届け!
 届きますように・・・

今日、誰かがそっと投げたコインに託した想い。

”ぱたっこの一族は律儀でのぅ・・・
わらわの願い覚えていてくれたのじゃ^^”

ぱたっこは誇らしげに一回転してみせ
羽をぱたぱたさせた。

バイバイまたね♪(ぱたっと~ぱたっと~)



RS異聞記2 -完-




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