里の種

里の種

2006/06/11
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昔、いろいろなことに行き詰って、休日を利用して田舎に帰ったことがある。子供の頃に遊んだ、小さな川の狭い川原に寝転んで空を見上げた。夏だった。青空に濃い雲がゆっくりと形を変えながら流れていく。そのとき、ふと身体が空の雲間に落ちていくのではないかと不安になった。夏の陽炎が空気を歪めていたためかもしれない。とっさに両手で地面の草束を握っていた。頭では空に落ちるなんてことはありえないとは分かっていた。けれど、じっと見ていると空に吸い込まれそうな感覚がするのだ。満天の星空をじっと見ていると眩暈がしてくる、という文章がなにかの小説にあった。それと同じ感覚なのかもしれない。でも、どうせなら暗い夜空より、青空の中に吸い込まれたいと思う。一度、野っ原に寝転んで、じっと空を見つめてみると面白いかも知れません。

重力よ吾を解き放ち天空の雲の谷間に落としめ給え





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最終更新日  2006/06/11 03:27:55 PM
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