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病が偶然もたらした意識不明の状態は、
舞台に在る時の心理と寸分違わぬもの
ー白洲正子ー
白洲正子さんは若い頃三度死にかけたそうです。
意識はないのに聴覚は鋭敏で、遠くの部屋の会話まで聞こえたそう。
体が透明になり、宙に浮く感じがしたそうです。

舞台でも同じことが。
面や装束で自由を奪われているのに体は透け、「ふだんの稽古だけがものをいう」極度の集中状態に入る。
そのために能は何百年もかけて「ひねくれた工夫を凝らして」きた。

ー朝日新聞「折々のことば」よりー

面と装束で閉じ込められた空間に置かれるから感じられる極意でしょうか。
残念ながら、経験したことはないのですが、想像できる感覚では感覚ではあるような気がします。

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