あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2023.06.04
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テーマ: 緩和ケア(53)
カテゴリ: 緩和ケア
私が勤務するホスピス・緩和ケア病棟は在宅で療養している末期がん患者さんの緊急入院も引き受けている。ただし、ひとつだけ条件がある。過去に当ホスピスに入院歴があることだ。

今日も一人緊急入院があった。
2ヶ月前に、肺癌末期、呼吸困難の状態からみて予後2週間である、と紹介され転院してきたKさん。
モルヒネを導入したところ直ぐに症状は軽快。
1ヶ月前に退院し、私の訪問診療を受け自宅療養していた。
呼吸苦が徐々に増悪してきて再入院となった。

この患者さんのように、ホスピスは死を覚悟して過ごさざるを得ないとしても、決して死ぬための場所ではなく、より良く生きるお手伝いをする場所である。症状がよくなれば退院される方も多い。
退院される時に、いつ戻ってこられてもいいですよ、と話す。
これが当ホスピスの特長である条件、登録制度だ。

患者さんはホスピスの持つ意味、モルヒネの有効性、及びスタッフのことを知ってくれる。
スタッフ側も患者さんの人となりが分かる。
そうすると緊急入院となっても、私が病院に行かずにすむ。当直医に電話で治療方針さえ伝えれば、あとはスタッフが一度みている患者さんなので何とかしてくれる。
患者さんは困ったときに入院できて安心。
スタッフも知っている患者さんなので安心。
私も家から指示を出すだけでよいので安心。

三方よしなのである。





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Last updated  2023.06.27 04:54:43
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