D-Project

D-Project

D.



蟹座のコイン (12星座コイン)

淳平― 言葉というものは面白いもので
     ひとつの言葉で 傷つけたり 泣かせたり 喜ばせたり 笑わせたり 思い出させたり
     恨まれたり 憎まれたり 励まされたり 元気が出たり 勇気が沸いたり
     いろいろなことができる
     だけど考え方の違いが争いを導くのかもしれない

光利― 言葉は人間が使えるコミュニケーション手段
     他の動物には決して使えない技術
     だけれども人は人を憎む動物的習性
     争いをすることで1番になりたいという思考
     それで手に入れる勝利 制覇 統一
     それはなんににも変えられない歓喜

淳平― 人は旅人
     終わりへ向かう電車の中でひたすら喜びと言うものを探す
     喜びと言うもの多く見付けるか
     人よりも大きな喜びをつかんだものが幸せに死ねる
     そんな気がする

光利― 喜びと哀しみはいつも隣同士にいる




友達なんてどこにでもいると思ってた。
空気なんてどこにでもあると思ってた。
時間なんてどうにでもなると思ってた。
でも
空は答えてくれなかった。
あの時は俺は
何であんなこと言ったのだろう?
世界って言うのは近くて
世界って言うのは小さくて
世界って言うのはここだって
思えてた自分が
寂しくて虚しい。
1人になって始めて過ごす時間は
永遠の様に長い夜だった。
時間と言うものは一定じゃないから
楽しい時は早く過ぎ
哀しい時ほど長く感じてしまうもの
いやね
なんとなく。

同じ学校なのに
同じクラスなのに
お互いしゃべらなかった。
仲が悪いわけじゃなくて
なんとなく
メールだけのやり取りはしていた。
メールの内容も詩でつづられ
普通じゃない会話だった。

そんなメールのやり取りも
10月に入って半年になる。

水曜日
平凡な一日の日

太一「おはよ。」
淳平「おはよう。」
太一「どう?調子は?」
淳平「なんの?」
太一「いろいろと。」
淳平「ぼちぼちってところかな。」
太一「そか。」
淳平「お前こそどうなんだよ?」
太一「なんにもないかな?ここ最近。」
淳平「そか。」
太一「それよりも、体育祭終わってすぐに文化祭だよな。」
淳平「一ヶ月近くはあるけどな。」
太一「今年はクラスで何するんだよ?」
淳平「俺に聞くなよな。文化委員でもないのに。」
太一「そろそろ決めといたほうがいいんじゃねぇの?」
淳平「そういうことは委員長に言えよなぁ。」
太一「まぁ。そうなんだけど。」
淳平「なに?」
太一「由香里さん?話したことないんだよね。クラス同じだけど。」
淳平「だから?」
太一「頼む!」
淳平「わけがわからん!」
太一「仲良くなかった?由香里さんと。」
淳平「まぁ。話せないこともないけど?」
太一「よろしく!」
淳平「つか!先生に言えばいいんじゃないの?」
太一「この学校って、先生からは動かないようになってるじゃん。」
淳平「まぁ。確かに。そのために金曜日の6限目は空白なんだが。」
太一「じゃよろしく!」
淳平「よろしくって・・・。近くの女子に頼んだほうが?」
太一「頼む!」
淳平「わかったよ。」
太一「ありがとうございます!」
淳平「心がこもってないな・・・。」

そんなこんなというか
クラスの書記をしてる俺は
男子から委員長に伝えてほしいことはすべて回ってきた
べつに委員長が怖いわけじゃない
誰も恐れてはいないけど
それに委員長と男子が会話してるところもよく見かける
あ。
ひとつだけ心当たりがある
彼女はあまり人を信用しない
だから議題ひとつ提案するにも
委員長が納得する
ごもっともな意見を言わなければいけない
それでか。

淳平 「あ。委員長?」
由香里「なに?」
淳平 「そろそろ決めようか?」
由香里「なにを?」
淳平 「文化祭。」
由香里「ああ。クラスの。」
淳平 「そうそう。」
由香里「ん~?」
淳平 「ほかに何か予定あった?」
由香里「いえ。ただ、去年何したかなって。」
淳平 「去年は模擬店だよ。カフェ。」
由香里「あ。そうだったわね。」
淳平 「それで、今週の金曜。」
由香里「いいんじゃない?」
淳平 「ありがと。」
由香里「なにが?」
淳平 「いや。なんでもない・・・。」
由香里「ほかのクラスはもう決めてるの?」
淳平 「まだ何も聞いてないけど。」
由香里「まぁ・・・。早く始めても損はなさそうね。」
淳平 「得のほうが多いと思うけど。」
由香里「何か言った?」
淳平 「いや。なにも。」
由香里「じゃぁ・・・。今週の金曜ね。先生に伝えとく。」
淳平 「よろしく。」
由香里「出島君も来るの!」
淳平 「うわ・・・。やっぱり道連れ。」
由香里「提案したのは出島君じゃない!」
淳平 「いあ・・・。俺じゃ・・・。」
由香里「じゃぁ・・・。だれ?」
淳平 「いえ・・・。行きます。」
由香里「よく言った!」

いあ・・・。
今一度じっと見れば気迫のある顔というか
迫力のある顔というか
女の子の顔でもここまで圧があるのは
この学校では彼女くらいだろう。

その日の放課後に
先生のところに道連れで
結局委員長は一言もしゃべらなかった
なにより文化祭の話し合いが
金曜に決まったことだから
それでいいか

淳平ー 統一者
     たくさんいるからそれを管理する者がいる
     たくさんいるからそれを管理する人が必要になる
     もし犯罪が起きなければそんなものはいらないはずなのに

家に帰れば
いつものようにメールを送る
一日の楽しみというか
一日のしめがこれじゃないと眠れない
だいたい7時30分に光利が帰ってくる
今は6時45分
俺は少し待つ
これも日課のようなものだった。
運動部じゃない俺は
帰る時間はいつも早い

光利ー 監視者
     統一者だって間違いは起こす 人間だもの
     力が大きければ大きいほど 監視者は多い
     だけど統一者は犯罪は犯さない
     監視者がいるからかしら?
     私は違うと思う
     統一者が規則を決めるから

淳平ー 犯罪者
     規則の中から出てしまった人
     彼らは自分の失敗を認めるも
     統一者への恨みはある
     そりゃそうでしょ
     規則を決めたのは統一者だから
     だけど規則を決めるほうも犯罪者になる
     規則を破るから?ちがう。
     規則を間違ったものに使ってしまうから
     統一者の権限、統一者の政権
     統一者が握るものすべてが
     正しいわけじゃないから 

光利ー では質問。
     統一者は正しいのか?

淳平ー すべてが正しいわけではない
     だって人間だもの
     だけど
     10人いれば10通りの答えがくるように
     どれだけいい意見でも
     意見には必ず反論がくる
     それだけ人の考えは違うってこと
     だから正しいか正しくないかなんて
     人それぞれだし
     ほんとは満場一致の統一なんてできない 

光利ー では質問。
     統一者はいるのか?

淳平ー いる。
     と思う。
     理由は特にない
     けど、誰かがいないと
     この星は壊れる。

この日はこのメールで終わった。
光利は案外寝るの早いって言うか
友達からだけど、パソコンの前で寝るとか。
俺は別にそんなの気にしないし
そのことには触れなかった。
ただ詩を聞いてもらえる
ただ詩を見てもらえる
ただ詩を見せてくれる
それだけで幸せだったから。

金曜日
クラスで出す物を話し合う日

太一「おはよ。」
淳平「おはよう。」
太一「で?今日決めるのか?」
淳平「ちゃんと委員長と先生を説得しました。」
太一「ありがとう。やっぱ持つべきものは書記だな。」
淳平「どうも人事のようにしか聞こえないけど?」
太一「そうか?」
淳平「まぁ。いいけどさ。」
太一「ところで、淳平は何かしたいことあるの?」
淳平「去年はカフェだよ。今年は・・・。」
太一「何にしようかなぁ?」
淳平「何かあるんじゃないの?」
太一「とりあえずコレというものはまだない。」
淳平「考えてから頼めよ。」
太一「みんなで考えればいいでしょ?」
淳平「そうなんだけど。」
太一「劇とかになるのかな?」
淳平「毎年3年が劇してるからね。」
太一「大半だよね。」
淳平「模擬店はよくないの?」
太一「去年と同じは楽しくないな。」
淳平「去年を上回ればいいと思うけど。」
太一「とりあえず、6限目を待ちますか。」
淳平「ちゃんと意見言ってよ。」
太一「わかってるって。」
淳平「ほいじゃ。」

その日の6限目
前に出る委員長と俺
とりあえず俺はパシリ

真哉 「劇でいいんじゃないの?」
百子 「3年だからって、劇じゃなくてもいいと思うけど?」
絢  「でも、劇も楽しそうじゃない?」
由香里「劇以外に何かある人?」
百子 「模擬店は?」
浩介 「去年と同じことはしたくないな。」
太一 「イベントとかもあるじゃん。」
浩介 「水族館とか?」
百子 「魚はどうするのよ?」
浩介 「魚は安いよ。」
太一 「問題は水槽だろ。」
浩介 「やっぱ、問題はそこか。」
絢  「水族館もいいなぁ。」
直樹 「食える魚ならなんでも良い。」
太一 「泳いでる魚を食べる気かよ。」
由香里「・・・で?どうしますか?」

・・・。
やりとりだけが続く。
案外あっさり決めてほしいものは、
決まった後のことを考えてしまう。
今やりたいことが、途中で投げやりにはなってほしくないし、
みんなで協力できるもの、そして達成感のあるものが良い。
だからここまで悩んで仕方がない。
しかし、悩みすぎで時間だけが過ぎていった。
多くの意見があがったものの
結局月曜日に集計を取ることになった。
そこの多数決で文化祭のやることが決まる。

淳平ー 時間というものはどうにもならないもので
     過ぎた時間は帰って来ない
     それが現実であたりまえのこと

光利ー 時間よ止まれ
     なんて考えるときがある
     だけど
     好きな人が止まるのは嫌
     いつか止まるのにね

淳平ー 静かに流れるオルゴール
     繰り返し
     繰り返し
     鳴り続け
     響き続け
     ゆっくり
     ゆっくり
     止まり始める

光利ー オルゴールの音楽は止まっても繰り返す私の心の中
     大好きだったあの人の笑顔はいつでも心の中にいる

     笑顔が素敵なあの人はオルゴールの音が好きだった
     もう・・・静かに流れてほしくはない

淳平ー 一人にしないで
     そう聞こえてきた
     なぜだろう?
     オルゴールの音色は何も語らないはずなのに

光利ー オルゴールは
     ささやくの


土曜日
俺は太一と服を買いに出かける日

太一「なんかさぁ・・・。」
淳平「ん?」
太一「メンズって少ない。」
淳平「だな。」
太一「どこ行っても同じようなのだし。」
淳平「どこ行っても女用。」
太一「だよな。これって言うのないな。」
淳平「だな。」
太一「・・・なぁ?」
淳平「なに?」
太一「光利さんているよな?クラス。」
淳平「いるね。」
太一「あれちがう?」

太一の指差すほうには
光利らしき人がいた。
けどはっきりとはわからない。
会って話したことはないから、顔をはっきりとは覚えてなかった。

淳平「多分。」

と、その隣には男の子がいた。
たぶん、同じクラスの正樹だ。

太一「付き合ってるのかな?」
淳平「判断には早いんじゃない?」
太一「でも、珍しい二人じゃない?」
淳平「そうだけど。」
太一「何か知ってるの?」
淳平「いあ、何も知らないけど。」
太一「情報課!頼んだ!」
淳平「あのなぁ・・・。」
太一「持つべきものは書記だな!」
淳平「人事だと思って。」
太一「付き合ってたからってどうこうって問題でもないけどね。」
淳平「じゃぁ・・・調べなくてもいいでしょ?」

なんて・・・
本当は自分が調べたかった
真実というか
顔を知ってるメル友として
そこは1歩も譲れなかった

光利ー オルゴールは
     ささやくの
     もう一度ねじを回して
     あなたにもう一度音を聞かせたい
     私もオルゴールに答える
     ねじを回して

淳平ー 何度止まっても
     手を貸してくれる人がいれば
     助けてくれる
     自分で立ち上がるよりも
     誰かがいたほうが
     すごくうれしい

光利ー 甘えてはだめ
     わがままに答えてはだめ
     しつけがなってないのよ
     私のようにね

淳平ー 優しすぎる
     短所であり長所

光利ー すべては否定してほしくないけど
     ある程度は否定してほしい
     片隅にあるひそかな願い
     すべてを受けてもらうのは
     なぜか心が痛いの

淳平ー 大丈夫
     なぜかわからないけど
     大丈夫
     多分きっとうまいく
     大丈夫
     きっとそばにいる人が助けてくれる

光利ー そばにいる人が襲ってきたら?
     私は何もすることができない
     その時、本当にそばにいてほしい人に
     助けてほしい

なんだか
よくわかったようでわからなくなってきた。
オルゴールが止まるということは
多分誰か好きな人がなくなったことを意味すること
そばにいる人はたぶん正樹のこと
本当にそばにいてほしい人が正樹なのかな?
それとも?

頭の中がごちゃごちゃになる
なぜ助けを求めているのか?
なぜ助けが必要なのか?
わからなかった。

月曜日
週の始まり
文化祭の出し物が決まる日

由香里「では、多数決をとります!」

一人一人にプリントの裏を使って
何がしたいか書かせる
集計はもちろん俺。
黒板に「正」の字を書いては数を確認する
結果・・・

由香里「では、我がクラスでは、劇をします。」

票は割れなかった。
過半数を占めていた。

淳平 「案外あっさり決まったね。」
由香里「そうね。」
淳平 「もうちょっと意見言ってもよかった気がするけど。」
由香里「いいじゃない。半数は占めてるんだし。」

それがなんか嫌だったのかもしれない
多数決の原理、どうも俺は許せない。
どうせなら3分の2
いや、4分の3で決めたかった
でも、無理な話か。

放課後
文化委員会の春香も交えて、
どのようなものにするか話し合うことになった

由香里「それでだ。」
淳平 「なに?」
由香里「台本とか誰が書くのよ。」
淳平 「得意な人いないの?」
由香里「女子にはいそうだけど。」
春香 「一人いるよね?」
由香里「誰?」
春香 「光利ちゃんだよ。」
由香里「あ。そうなの?」
春香 「うん。結構書いてる話だよ。」
由香里「頼んでみる?」
春香 「うん。いいと思うけど?」
由香里「明日聞いてみるね。」
春香 「うん。」
淳平 「うん。」
由香里「あんたはついてくるの。」
淳平 「また俺かよ。」
由香里「書記よ!」
春香 「大変だね。」
淳平 「本当だよ。」
由香里「何か言った?」
淳平 「いえ。何も言ってませんよ。」

淳平ー 少人数の意見が無視される
     多数決の原理
     数が大きければいい
     量より質の時代に
     このようなことが残っているのはなぜだろう?
     数で負けることが
     どんなに悔しいことか
     一番わかっているのが日本人なくせに

光利ー 日本よりも力のない国はたくさんある
     日本が一番力を持っている
     過言じゃないかもね
     だけど
     だからかもよ
     半数が納得すれば
     すべてが納得する
     そう思わなければ、事実は進まない

淳平ー 時計の針は戻れない
     だから少数派の意見にも傾ける
     それが民主主義ではないのか?

光利ー 一人一人の意見聞いてたら
     それこそ大変で何も決まりはしない
     みんなが納得することなんて
     何もないと思ったほうがいいかもね
     空はいつでも青い
     この常識がいつでも続くとは限らない
     だって
     青空の向こうは
     真っ暗闇の宇宙だもの

淳平ー そう。常識なんてないはず
     あたりまえなんてないはず
     だけどそれが普通になって
     それが基準となってくる
     それが嫌なのに
     それが嫌いなのに
     まだ流れに流されてる

光利ー 苦しいもの
     流れに逆らうことって
     外れたくないもの
     仲間というグループに
     まだいたいの
     この地球に

淳平ー 心が苦しいの?

火曜日
光利に脚本を依頼する日

淳平 「はぁ!何で俺が?」
由香里「ごめん!とりあえず聞いてて。」
淳平 「時間あいてるときでいいではないか。」
由香里「やっぱこう・・・かっこいい男の子からのほうが」
淳平 「思ってないでしょ?」
由香里「ばれたか。」
淳平 「それはそれでショックだけど。」
由香里「だめかな?」
淳平 「断られても俺のせいにしないでよ。」
由香里「ありがとう。」
淳平 「まだやるとはいってないけど?」
由香里「大道具と小道具、衣装は任せなさい!」
淳平 「まだ何も決まってないのに。」
由香里「とりあえず任せたぞ!」
淳平 「あのなぁ!」

と言って、由香里は朝のあいさつ運動というのに行く
朝一番に聞いてほしいと言う要望だが
別に一番でなくてもいいと思うのは俺だけだろうか?

絢 「おはよう!」
光利「おはよう。」
絢 「ねぇ?この前言ってた小説。」
光利「ああ。もって来たよ。」
絢 「ありがとう!貸してくれる?」
光利「いいよ。読み終わったし。」
絢 「ありがとう!」
光利「どうも。」
絢 「今度の新刊も買うの?」
光利「ん~?わかんない。」

絢が光利から離れると、
俺は恐る恐る光利に近づいた

淳平「・・・おはよう。」
光利「・・・!」
淳平「・・・。」
光利「・・・ごめん。」
淳平「え?」
光利「・・・なんでもない。」
淳平「うん。」
光利「・・・何か用?」
淳平「この前、劇する事決まったよね?」
光利「・・・文化祭?」
淳平「うん。」
光利「・・・。」
淳平「それで・・・。脚本頼みたいなって。」
光利「・・・あ。うん。」
淳平「ありがとう!」
光利「あ!・・・待って。」
淳平「何?」
光利「・・・すこし、考えてもいい?」
淳平「いいけど。」
光利「ごめん。」
淳平「・・・。」
光利「・・・。」

光利はずっと下を向いてて
もしかして俺のこと本当は嫌っているのではないかと思った。
結局、するかしないかは、由香里が光利に聞いていた。
俺はどうすることもできなかった。
いままでメールしかしてなかった、もしかしてメル友は話してはいけないのか?
そんなことも思ってしまった。
だけど、その日の夜、
俺に電話がかかってきた。

淳平「もしもし?」
光利「もしもし。」

光利自らだった。
朝の緊張した声もなく
だけどそれが僕を少し落ち込ませた。

光利「朝はごめんね。」
淳平「ううん。気にしてないから。」
光利「だって、いきなり声かけて来るんだもん。」
淳平「委員長に頼まれてさ。」
光利「わかってるよ。」
淳平「決めたの?」
光利「脚本?」
淳平「うん。」
光利「まだ決めてない。」
淳平「そっか。」
光利「朝はありがとう。」
淳平「え?」
光利「声かけてくれて。」
淳平「こちらこそ。」
光利「ちょっとうれしかった。」
淳平「え?」
光利「ううん。なんでもないよ。」
淳平「・・・うん。」
光利「明日、渡したいものあるんだけど?いいかな?」
淳平「いいけど。」
光利「やった。」
淳平「教室でいいの?」
光利「教室は嫌だな。」
淳平「えっと。」
光利「じゃぁ・・・。どうしようかな?」
淳平「うん?」
光利「部活早く終わると思うから、送ってあげる。」
淳平「送っていくよ。」
光利「いいの。道わからなくなったら困る。」
淳平「わかるよ。」
光利「本当かな?」
淳平「バカにしすぎ。」
光利「ごめんごめん。」
淳平「でも本当に、朝と声が違う気がする。」
光利「だってはじめて話すのかな?」
淳平「最初もメールからで、話したことないね。」
光利「そうだよ。それに私人見知りする。」
淳平「でも、電話はいい。」
光利「うん。顔が見れないから。」
淳平「顔が見えない分怖いのもあると思うけど。」
光利「そうでもないよ。落ち着くところもあるよ。」
淳平「そうなんだ。」
光利「そうだよ。」
淳平「・・・。」
光利「・・・。」
淳平「ねぇ?」
光利「なに?」
淳平「この前、正樹と一緒だった?」
光利「うん?なんのこと?」
淳平「一緒買い物に行ったとか?」
光利「え?」
淳平「友達が見たって言ってたんだけど、二人っきりで。」
光利「・・・たぶん。人違いだよ。」
淳平「そうか。そうだね。」
光利「うん。」
淳平「そうかそうか。」
光利「ごめんね。期待はずれで。」
淳平「そんなことないよ。」
光利「付き合ってるとでも思った?」
淳平「俺は思ってなかったよ。」
光利「よかった。」
淳平「え?」
光利「なんでもない。」
淳平「あ、たまにこっちから電話かけてもいい?」
光利「電話ならね。」
淳平「直接は?」
光利「たぶん・・・。まだアウト。」
淳平「そっか。」
光利「ごめんね。」
淳平「気にしないで。」
光利「うん。あ、そろそろきるね。」
淳平「わかった。」
光利「ありがとうね。」
淳平「こちらこそ、ありがとう。」

そして電話は切れて
光利と正樹の関係は
何もないと確信する、
俺の心の中では。

水曜日
光利から何かをもらう日

淳平ー 眩しい朝日が目に沁みり
     すがすがしい目覚めをくれる
     そんな毎日があるはずもなく
     起こすのはいつも
     ケータイと目覚ましのアラームだけ
     人口の雑音が
     僕のほっぺをいつもつまむ
     現実にもどれと言わんばかりに

浩介「おはよう。」
太一「あ。おはよう。」
淳平「おはよう。」
浩介「昨日のやつ見た?」
淳平「昨日の?」
浩介「お笑い番組」
太一「ああ。みたみた。」
淳平「誰が出てたの?」
太一「えっと。たくさん出てたけど。」
浩介「やっぱあれがおもしろかったよね。」
淳平「へぇ。」

なんて、今日は
と言うよりもいつもだけど
興味のない話は上面だけで話していた。
もちろん内容もわかってないのに
相槌だけ打って
その場を過ごしていた。
今日はそれどころじゃないのだから。

放課後
俺は靴箱で彼女を待つ。

光利「・・・ごめん。」
淳平「よ。」
光利「・・・待った?」
淳平「少しね。」
光利「ありがとう。」
淳平「どうも。」
光利「じゃぁ・・・送っていくよ。」
淳平「その前に、その話し方変えない?」
光利「・・・ごめん。」
淳平「まぁいいや。」
光利「まだ・・・二回目だよ。」
淳平「それもそうか。」
光利「昨日は電話だから話せたんだよ。」
淳平「送ってく。」
光利「ありがと。」

短い道をゆっくり歩く
いつもよりも2倍も3倍も時間かけて

光利「・・・劇の件ね。」
淳平「うん?」
光利「・・・やめようかな?」
淳平「え?」
光利「私ね。・・・ほかのグループからも誘われてて。二つ脚本はつらいよ。」
淳平「そうか。じゃぁ・・・。」
光利「出島君が書いてみれば?」
淳平「俺?」
光利「・・・うん。」
淳平「でも俺、書いたことないし。」
光利「・・・大丈夫だよ。詩書いてるし。」
淳平「書いてるけど。脚本とはちがうよ。」
光利「・・・大丈夫。」
淳平「なにが?」
光利「・・・私が教える。」
淳平「へ?」
光利「私が教えるってば。」
淳平「・・・ありがとう。」
光利「・・・うん。」

太陽も沈み
家の近くまで歩くと、急に足を止めた。
光利はバックを開けると
財布を出し
そこから一枚のコインを出した。

淳平「なにそれ?」
光利「・・・知らない?」
淳平「お金?」
光利「・・・コイン。」
淳平「何の?」
光利「12星座コインって・・・知らない?」
淳平「聞いたことあるだけ。」
光利「・・・あげる。」

そういうと僕の手をぎゅっと握り締めて
強引にコインを渡した。

淳平「渡したいものってコレ?」
光利「うん。」
淳平「でも、呪いのコインなんだよね?」
光利「・・・うん。」
淳平「効果知ってるの?」
光利「・・・知らない。」
淳平「え?」
光利「でも、渡したらいいかもしれないって・・・友達が。」
淳平「わかった。預かっておくよ。」
光利「・・・あげるってば。」
淳平「ありがとう。」
光利「・・・うん。ありがとう。」
淳平「不幸になったら恨むからね。」
光利「いいよ。恨んだって。」
淳平「わかった。」

そのときはそれで別れた。
特に恋愛感情とかなかった俺だったけど
なんとなく付き合ってるみたい。
なんて思ってしまった。
バカな俺。

淳平ー 何で争いが起こるのだろうと思う
     何で生きなきゃならないんだろうと思う
     何で幸せならいいんだろうと思う

光利ー 誰かに抱きしめてほしいと思う時がある
     誰かにそっと
     誰かにぎゅっと
     誰かに・・・。
     だけどそれじゃだめなんだ
     誰かが幸福になれば誰かが不幸になるから

淳平ー みんな幸福なら良いのに
     みんな幸せなら良いのに
     そんなこと良く考える
     無理じゃない
     無理じゃないと思うけど

光利ー 私がわがままを言うと
     あなたは困った顔をするの
     私が幸せを願うとわがままが増える
     私が幸せを願うと誰かが泣き出すの
     そんなのもういやなの

淳平ー やさしさなんて

光利ー 辛さを大きくするときもあるもの

木曜日
俺が脚本を書くことを伝える日

俺は光利からもらったコインを財布に入れ学校に行った
毎日が変わらない毎日
だけど今日は少し背伸びした。

淳平 「おはよう。」
由香里「おはよう。明日は雨ね。」
淳平 「なんで!?」
由香里「あんたから話しかけてくるなんて、珍しいじゃない。」
淳平 「ん?この前の議題の前も俺から話しかけたぞ。」
由香里「そうだっけ?ま、いいわ。」
淳平 「うん。」
由香里「素直。やっぱり珍しいわ。」
淳平 「わかったよ。」
由香里「それで?用件は?」
淳平 「あのさ。脚本の件何だけど。」
由香里「やってくれるって?」
淳平 「うん。」
由香里「よかったぁ・・・。光利ちゃんの脚本なら・・・。」
淳平 「いや。違う。」
由香里「え?どこが違うの?」
淳平 「脚本は俺が書く。」
由香里「え?本気?」
淳平 「うん。」
由香里「やっぱり雨ね。明日は。」
淳平 「そんな事言うなよな!」
由香里「まぁいいわ。がんばりなさい。」
淳平 「ありがとう。」
由香里「でもちゃんと仕上げるのよ。」
淳平 「わかってる。」
由香里「あ、光利ちゃんも手伝ってもらうように言うのよ。」
淳平 「手伝ってくれるって。」
由香里「そうなの?」
淳平 「うん。」
由香里「ん?でも、なんで光利ちゃん断ったの?」
淳平 「ほかのグループで脚本書くんだって。だから、俺に。」
由香里「そかぁ・・・。先越されたか。で?なんであんた?」
淳平 「手伝ってくれるって言ったから。」
由香里「そういうこと?」
淳平 「勘違いしてない?」
由香里「ん?そんなことないよ(笑)」
淳平 「とりあえずそういうことだから。」
由香里「わかった。」

という感じで脚本は俺に任せられたものの
とりあえず全員劇
つまり36名を動かさなければいけないものを作らなければならない

淳平「証明、音響、幕、大道具、小道具。」
浩介「なにやってんの?」
淳平「なにって。脚本書く前に、どれだけの役を作ることができるか計算だよ。」
浩介「それよりも、なにやるの?」
淳平「なにやるって。・・・まだ決めてない。」
浩介「まだ決めてないの?」
淳平「決まったの昨日だぞ!」
浩介「それでなくても。何でも良いんじゃない?」
淳平「その何でも良いがだめにするんだよ。」
浩介「とりあえず、ジャンルは?学園ものとか、歴史とか。」
淳平「そうか。そこから考えたほうがいいのかもしれないな。」
浩介「そうだろ?」
淳平「どんなのがやりたいの?」
浩介「ラヴロマンス」
淳平「顔に似合わないよ。」
浩介「うるさいな。」
淳平「とりあえず考えてみるよ。」
浩介「うん。あんまり頼りすぎるなよ。」
淳平「え?」
浩介「光利さんにだよ。」
淳平「あ、うん。」

そうだ。俺はたぶんかなり頼ってしまっただろう。
ヒントも何もないときはいつもそうだ。
俺は誰かの後ろに隠れてた。

光利ー 言葉では言えない事を体で表現したい
     体で表現できないことを言葉で表現したい
     見えない感情をあなたにぶち当てたい
     だけど
     私には力不足

淳平ー 軽々しく受けてしまった
     だけどいまさら後悔してない
     これはチャンスだ
     そう思っていつも本番
     これはチャンスだ
     そう思っていればいつも本番
     これはチャンスだ
     そう思っていればいつまでも本番

光利ー チャンスを私は捨ててきた
     はじめてやることに戸惑って
     いつもチャンスを捨ててきた
     自分に自信がないから
     人を舞台に立たせて
     私はいつもライトを浴びないの

淳平ー だけどあなたは光ってる
     名前のようにあなたは注目されてる

光利ー 私は私の名前が嫌い
     あまり光は浴びたくないの
     誰かに暗闇の中で抱きしめられたいから

淳平ー 守られてる人生なんて面白くない
     守られてる人生なんて前には進めない
     守られてる人生なんて逃げ出したい自分を創ってるだけ
     攻めない?そろそろ。

それで、この日のメールは終わり
その後3日間メールは来なくなった
学校でももともと話さなかったから
メル友の終わりだと感じた。

月曜日
物事が動いた日

浩介「どうした?」
淳平「失恋。」

恋もしていないのに、なぜか言葉が出てきた。

浩介「光利さん?」
淳平「うん。」
浩介「なんでさ?」
淳平「聞かないで。」
浩介「わかった。聞かないでおくよ。」
淳平「うん。ありがと。」
浩介「話しかえるけど。脚本どうなった?」
淳平「あ!」
浩介「やっぱり忘れてたか。」
淳平「ずっとほかの事考えてた。」
浩介「とりあえず。電話してみたら?」
淳平「だれに?」
浩介「光利さん。」
淳平「無理だよ。いきなり、メールできないからさ。」
浩介「怒ってるってか?」
淳平「・・・うん。」
浩介「おまえ!俺曰くはどうした?毎日本番じゃなかったのかよ?」
淳平「それとこれとは違う。」
浩介「そか。」
淳平「なんだよ。」
浩介「この3日。何があったか知ってるか?」
淳平「知らないよ。」
浩介「やっぱり光利さんと正樹は付き合ってたらしい。」
淳平「そうか。よかったなぁ。」
浩介「別れたって。」
淳平「・・・。」
浩介「女子からの情報だ。間違いはないだろう。」
淳平「・・・。」
浩介「で?」
淳平「・・・。」
浩介「お前の気持ちはどうなんだ?」
淳平「・・・。」

そう俺は恋していた。
離れて気付いた。
メールが来なくなって気付いた。
案外遠くにいるようで近くにいた彼女
気付いたのが遅かったのは俺のほうで
過剰だとは思っていても
俺のことが好きだということであれば
今までの詩の意味がつながってきたような気がした。
だけど、彼女の気持ちはわからなくて
あくまで詩の上での話し
だけど
なぜか
受話器を手に取ってしまった。

淳平「・・・もしもし。」
光利「・・・もしもし?」
淳平「俺だけど。」
光利「何?」
淳平「あのさ。」
光利「脚本?」
淳平「・・・うん。」
光利「手伝ってあげる。」
淳平「ありがとう。」
光利「放課後なんてどうかな?」
淳平「部活は?」
光利「休む。」
淳平「そんなかんたんに休めるの?」
光利「明日、自主練なんだ。」
淳平「本当に?」
光利「本当だよ。」
淳平「わかった。明日の放課後。」
光利「うん。」
淳平「・・・。」
光利「・・・。」
淳平「・・・ねぇ?」
光利「なに?」
淳平「俺に嘘ついたことある?」
光利「・・・あるよ。」
淳平「付き合ってたんだね。正樹と。」
光利「やっぱり聞いちゃったか。」
淳平「別れたって聞いた。」
光利「・・・うん。」
淳平「・・・。」
光利「・・・それだけ?」
淳平「・・・うん。」
光利「あ。あれ、ちゃんと持ってる?」
淳平「コイン?」
光利「うん。」
淳平「持ってるよ。」
光利「明日見せてもらおうかな?」
淳平「5日前にもらったやつだよ。」
光利「それでも気になるの。」
淳平「わかった。」
光利「うん。」
淳平「・・・。」
光利「・・・。」
淳平「じゃぁ。きるね。」
光利「うん。」
淳平「ばいばい。また明日。」
光利「うん。ばいばい。・・・。あ。メール送らなくてごめんね。」

最後の言葉は
受話器を下ろす前に聞こえてた。
彼女の気持ちを確かめることもできず、
そして、僕の気持ちを伝えることができず
何かショックだった。

火曜日
放課後、光利と脚本を話し合う日

二人だけの教室
静まり返った教室
部活動生の声がよく響く

光利「じゃぁ・・・はじめよっか。」
淳平「うん。」
光利「まずは、どんな感じのがいいのかな?」
淳平「学園ものがやりやすいかな?」
光利「そうだけど、それだとありきたりすぎない?」
淳平「どんなのがいいの?」
光利「サスペンス?」
淳平「むずかしい。」
光利「推理系は難しいか。」
淳平「オペラ座の怪人みたいなのだろ?」
光利「そんなかんじなのかな?」
淳平「そしたら。」
光利「そしたら?」
淳平「詩調で、明日へ生きる人たちの話。」
光利「難しすぎない?」
淳平「そうか。」
光利「淳平は淳平のままを書いたらいいと思うよ。」
淳平「どういうこと?」
光利「『小説を書いたことない子が書く小説』は?」
淳平「・・・。初めて書く小説。て言うの?」
光利「そういうこと。」
淳平「わかった。」
光利「そしたら、案外面白いと思うよ。」
淳平「うん。」

それから、時計は7時を回って
暗くなったからという理由でまた送ることになった。
するとこの前と同じ場所で俺らは立ち止まった。

淳平「あ。コイン見なくて良いの?」
光利「あ。うん。」
淳平「そう。」
光利「持ってくれてるんだね。ちゃんと。」
淳平「うん。」
光利「ありがとう。」
淳平「うん。」
光利「・・・。ねぇ?」
淳平「うん?」
光利「・・・好き。」
淳平「え?」
光利「・・・。好き。」
淳平「・・・ありがとう。」
光利「嫌い?」
淳平「好き。」
光利「ありがとう。」
淳平「・・・。」
光利「ありがとうね。本当に。」
淳平「・・・え?」
光利「ずっと・・・。SOS送ってた。」
淳平「そうだったんだ。」
光利「だけど、自分からは言い出せなかった。」
淳平「・・・。」
光利「だけどね。ずっとこうしてメールしてくれてる人がいて、
    詩を書いてくれてる人がいて、その人が
    毎日が本番だ。お前も勇気を出せ。って言われるまで
    たぶん、こんなにもならなかった。」
淳平「・・・そっか。」
光利「正樹君とはね。私はあんまり付き合いたくなかった。
    だけど、あういう風に好きだって言われたことなかったからさ
    簡単に付き合ったんだ。
    だから・・・2ヶ月くらい付き合ってたら、もういいかなって。」
淳平「・・・。」
光利「だって自分が好きじゃなくて、2ヶ月付き合っても相手の良い所わかんなかったし。
    それでね。私の好きな人は誰なんだろう?って問いかけたの。
    そしたら、多分淳平かなって。」
淳平「ありがと。」
光利「私はさ、相手から別れてもらうの待ってた。
    ・・・。私の口から言っても聞かないなら・・・。
    なんて思ってたけど。いつだってチャンスなんでしょ?
    ショック半分、勇気半分。」
淳平「・・・ごめん。」
光利「だから思い切って言ったの。別れようって。」
淳平「・・・そか。」
光利「うん。別れた。」
淳平「・・・。」
光利「・・・。」
淳平「・・・両思い?」
光利「・・・うん。」
淳平「・・・。」
光利「だけど・・・。付き合わないよ。」
淳平「・・・そか。」
光利「ごめんね。好きだよ。」
淳平「うん。」
光利「好きだけど。たぶんね。こうして普段のことを話してるのが好きなの。
    詩のやりとりとか、小説を一緒に考えてるときが好きなの。
    付き合ったらさ。わかんないじゃん。そんなことはなしてるかとかさ。」
淳平「・・・うん。」
光利「ごめんね。」
淳平「ううん。いいよ。」
光利「ありがとう。一緒に帰ってくれて。」
淳平「いいよ。いつでも送っていく。」
光利「たまに買い物いこっか。」
淳平「うん。たまにね。」

そう言って、光利は帰っていった。

俺は光利に言われて気付いた
今の現状が好きなんだって
光利も好きだけど
光利と話し合ってる自分も好きなんだと
付き合ったらこの関係が壊れるとは限らないし
もっと良くなるかもしれない。
そう考えたけれども
結局、彼女が好きだという感情だけではないことに気付いた

その後俺らの脚本は出来上がり
無事、文化祭の劇をやり終えた。

その後に聞いた話しだ。
あの、蟹座のコインの呪い。
付き合ってる人が他の好きな人に蟹座のコインをあげると蟹になる
付き合ってる同士の赤い糸は、はさみで切られ別れる
しかしコインをあげた本人とは、もうひとつのはさみで糸は切られ、付き合うことはできない
その代わりに何かの縁で結ばれるらしい

光利「ごめんね。」
淳平「うん?」
光利「あれも嘘。何の呪いがあるか知ってた。」
淳平「そうだったんだ。」
光利「でも、結局効果はなかったはずだよ。」
淳平「そうなの?」
光利「だって、勇気くれたのは、淳平だもん。」
淳平「うん。」
光利「それに、淳平は私の事『好き』って言ってくれた。」
淳平「うん。」
光利「そういうことだよ。」


ONE COIN A DAY

HOME.



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: