Dr.Pool診療所。

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精神神経科覚え書き。



◆せん妄とは?

 ・意識水準の低下(軽度ないし中等度の意識混濁)
 ・変動する認知機能障害
 ・幻覚
 ・妄想
 ・精神運動興奮
 ・不眠(睡眠リズムの障害)

◆せん妄の治療

 ・major tranquilizer + minor tranquilizerが基本。

 1.major tranquilizer
   ハロペリドール静注、経口、筋注
     ex) セレネース、ハロステン、リスパダール液(経口)
 2.minor tranquilizer
   中間型鎮静催眠薬静注、経口
     ex) サイレース、ロヒプノール

 ・minor tranquilizerのみだと逆に増悪することも。
   ex) セルシンは逆に抑制が解除されて増悪することがある。
     ハルシオン、マイスリー、アモバンなどの短時間型の睡眠薬は用いない。

 ・majorによる錐体外路症状(固縮・嚥下障害・呂律困難)出てきたら抗パ薬も考慮。
   ex) アーテン

 ・脳血管障害(ラクナ梗塞など)がある高齢者の場合、セレネースなどでは錐体外路症状などの
 副作用が強く出てしまうことがある。
   処方例)
    ルーラン(12-48mg)/3×1
    ロラメット(1mg)/眠前
   【不穏時】 リスパダール液内服
   【不眠時】 サイレース(1)

 ・救急外来にてせん妄状態となった場合
   → セレネース静注or筋注、リスパダール液経口

【2】自己愛性人格障害(Narcissistic Personality Disorder:NPD)

 誇大的で賞賛されることを望みながら他者に対する共感にかけることが特徴とされるが、臨床現場では違った印象を与えることが多い。まず、弱いところに高圧的で傲慢となる。レストランやホテル等で些細な欠点、手違いを見つけては徹底して追及する。病棟規則を平気で破る。看護師あるいは他の患者を責めるなどがある。よくみていると、配偶者その他の家族を奴隷のごとく扱っていることが分かってくる。さらには、馬鹿にされた、軽く見られたといって激しい怒りをもち、妄想的観念にまで発展させていることもある。禁煙地区での他の人の違反行為を徹底して叩かねば気がすまないといった強迫的なところもある。難癖をつける行動である。本人の社会的力が弱くて周囲に潰されたような状況で、うつ状態、ひきこもり、アルコール乱用などを発展させていることも稀ではない。そして、多くは自らを英雄視したような空想癖をもち、ひどいとき経歴詐称さえみせる(空想性虚言症)。中高年になると、若いころの元気をなくして人生全体が張りをなくし低落傾向を示すまでになっている。
 この種の患者が臨床場面で問題になるのは、些細な出来事ないしは自分の思うようにならないと、自己愛的傷つきに基づく激しい怒り(自己愛性憤怒)をもつことである。時には大小さまざまな反社会的行動にまで発展することもある。傷つきやすさ故に、ストレス関連性状態、例えば外傷後ストレス障害(PTSD)に近い状態を呈していることもある。自己愛性人格となるひとり独壇場的な行動が想像されるが、このことで生じる社会的諸問題は医学以前の職場等でのことが多いが、問題はそうした行動を周囲の社会的力が凌駕して、本人を潰すようなかたちになった時である。うつ状態、あるいは激しい怒りに基づく妄想様観念を発展させるのである。境界型人格障害は比較的知られていてそれと気づかれやすいが、このNPDはそれなりの知識がないと見過ごされ、誤った対応がなされ兼ねない。注意を要する、傲慢、横柄、誇大性の背後の小心、臆病、心配性といった心性が根強くあることである。

KINPODO コア・ローテーション精神科より


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