+詩+72





君にありがとう

君にありがとう


本当はもう自分は此処にはいない存在だった


とうの昔に死んでいました

此処に在るべきではないのに

貴方が生き長らえさせてくれた


千切れた羽根を拾って拾って

再び羽根を作ってくれた


けど、貴方はもう自分の方を向いていない

別の方向を向いてしまっている


君があの方向を向くのは全く構わない



君が幸せになってくれるのは

自分にとってもとても嬉しいこと


だけど

なんで?


胸が縛られるように

苦しいよ


君がその人へ近付いていってしまう度

自分の首は

どんどん締め付けられる


君があの人を愛したいなら

僕は君を愛したい




君はあの人を独占したいなら

僕は君を独占したい


かなわぬ願い


願えば願う度



僕らの首は、心は締め付けられる


お互いを縛る



鎖で



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