Ellie's Room 

Ellie's Room 

じろじろ…そんなに見ないで





 中国に来て、今の彼と出会って、付き合うようになるまで、付き合ってから
一緒に外へ行くたびに感じる物。

 それは・・・・・・・・・




        『視線』




 もちろん、私が特別きれいで、みんなが振り向くほどの美人で、
見とれるほどで、私を見ているわけじゃない。



 私の『隣にいる人』をみんながじろじろ見る。



 私達が広場の花壇のところに座っていると、私達の前を通る時ジロジロと
私と彼の顔を見ていく。通り過ぎる時に見るのならまだしも、
通り過ぎた後のわざわざ振り返ってみてくれちゃう人もいる…。

 中国に来て、私はアジアの顔だから、中国の人は顔を見ただけで
私が日本人だなんて思わない。私と話して、通じないと、



 『どこの国の人?』とか、『何人?』



 っていつも聞いてくる。そして、日本人っていつも伝える。


 ある日。彼と2度目の外出をしている時、
二人で街の中心にある、高級デパートの地下のスーパーに閉店ぎりぎりで
行って買い物した時、私はなんともいえない気持ちになる状況を体験した。

 スーパーで買い物を終わらせて、地上に出ようと、高級デパートの
中を通っていた時のこと。

 ちょうど私達はまがり角に差しかかった。
そして、その時、仕事を終えて、店員の控え室に行こうとしている
デパートの店員の行列もちょうど反対方向から歩いてきていた。

 一人の店員は友達としゃべりながら歩いていたために
前を見ていなかった。そして、ちょうど私達は出くわした。
彼女は、前を見ていなかったから、私と一緒に歩いていた彼と
ぶつかりそうになった。ぶつかりそうになったら誰だって、とっさに顔を上げる。
その時の彼女もとっさに顔を上げて、前を見て、




   『きゃっ』




 みたいな声をあげて、ビックリしたんだろうが、
友達にしがみつくような形で彼から逃げた。


 私の心の中はかなり苦しかった。すっごく露骨に彼を避けたような気がした。
私が気にし過ぎと言ったら気にし過ぎなのかもしれない。
でも、単なる気にし過ぎでは済まされないような逃げ方だった。

 その後、彼は一言だけこう言った。




 『俺に食われると思ったのかな…。』




 とても悲しくなって、私が泣きそうだった。
私がここに来て、今までで一番悲しかった出来事だった。
この出来事の前にも後にも、この時の出来事以上に切なく感じたことはない。


 中国の人は、今の日本と比べると、海外旅行に行く人は本当に少ない。
今の日本では、かなりの数の人が海外旅行に行っていると思う。
日本は海外にある程度の期間なら、ビザなしで観光もできるから、
金さえあれば、行きたければいけるような状態。

 でも、ここ中国では、ビザの申請がかなり難しいらしい。
それに、やっぱり物価が本当に安いから、収入も低い。
学生と話していて、海外を旅行するなんて夢の夢といった感じなんだと思った。

 海外に出たことがない人がたくさんいるから、
いろいろな人種の人がいることを知らないのかな…?
でも、社会科で勉強するよな~。きっと目の当たりにしたことが
なかったんだろうな…。





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