ニッポンとアメリカの「隙間」で、もがく。

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3つの選択肢と我々の決断


流産の経過を見るための、1週間、あいだを置いての3度目の超音波検査。
今回は特に新しいニュースもないだろうから、とのことで、ダンナは有休温存のため、付き添わずに仕事へ行き、私はルナを保育園にまた早めに預け、病院には一人で行った。ルナは早く起こされて急かされて機嫌が悪く、私にしがみついたまま離れなかった。先生に無理やり抱っこされ、ママー、ママー!と大声で泣いていた。あんなに嫌がったのは初めてのこと。後ろ髪を引かれる思いで、保育園を後にし、病院へと急ぐ。自分のせいではないとは分かっていつつ、何度も、ゴメンネ、ゴメンネ、と言っていた。

検査の結果、子宮の中は、1週間前と変化がないとのこと。身体はまだ妊娠していると思っているのだろうか。あの空っぽの胎嚢を見たら、また少し涙が出そうになった。
検査の後、新しい担当医と会う。朗らかな感じの若い女医の先生。もっと、やせっぽちで背が高く、神経質そうな人を勝手にイメージしていたので、良い意味で期待を裏切られた感じ。今後の心配事が一つ消えた。

先生からは3つの選択肢を提示された。どれも長所・短所はあり、それと自分達の置かれた状況を踏まえた上で、私達夫婦が決めれば良いとのこと。

1.このまま、自然に流産を待つ。
身体へのダメージは一番少ないが、当てもなく待っていることによる精神的なダメージが(人によっては)強い。
また、流産が起こった場合の出血がひどくて、結果的に緊急のソウハ手術を受けることになる可能性もあり。
2.薬で流産を起こす。
計画的に流産が自宅で行なえるという利点はあるが、痛み止めを併用するにしろ、かなり長時間の痛みを伴うことと、やはり、出血がひどくて、結果的に緊急のソウハ手術を受けることになる可能性もあり。ただ、成功率は80-90%と高く、うまく行けば、ソウハ手術を受けなくても済む。
3.ソウハ手術(D&C)を受ける。
計画的に流産が行なえるという利点はあるが、1000人に1人の割合で、子宮に穴が開いてしまう場合があり、その際は再手術が必要となる。外科手術であるため、抵抗を感じる女性も多い。

病院から仕事先のダンナに電話をして、この3つの選択肢について話す。

自然に流産が起こるのを待つのがベストかもしれないが、中途半端なつわりなどによる妊娠特有の症状は、それが何の意味も持たなくなってしまった今は、私にとってつらいことでしかないし、健康な時でさえ、くたくたに疲れる2歳児の世話を、この不調な状態で続けるのは心身ともに好ましくない。また、自然に流産したり、あるいは薬で流産を起こして、もし出血がひどくて急に病院に行くことになった場合、時間帯や義父母や保育園の都合によっては、ルナを預ける先が確保できない場合もある。それだったら、1000人のうちの1人にならないことを願って、ソウハ手術を、計画的に行なうのが私達の状況にとってはベストではないか、との結論がいちおう出たが、やはり外科手術というのは抵抗があるので、決断は先延ばしにし、流産の経験のある友人にアドバイスを仰ぐことにした。

その後、友人のアドバイス、幼い子供を抱えている状況などを踏まえ、結果的にはソウハ手術(D&C)を受けることを選択した。
お腹を横に15cm近くも切る帝王切開を経験した身には、ソウハ手術はそれほど抵抗がなかったのも事実だ。
しかも、私はルナの出産時、自然分娩を試みた上にトラブルを起こし、緊急帝王切開になったという経緯がある。あの時の、切迫した、不安な気持ちと、その後の心身のダメージを、もう一度経験するリスクは出来るだけ避けたかった。
大丈夫なつもりでいたが、友人に流産したことを話し始めたら、自分の声が震えているのが分かった。でも、友人はそれに気がつかない振りをして冷静に聞いていてくれたので、次第に落ち着いてきた。どうもありがとう。


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