1998年末、J-POP界に突如、新時代の歌姫が現れます。 自ら作詞作曲を手掛けたというR&Bを歌いこなす当時まだ15歳の少女。独特のハスキーボイス・印象的なプロモーションビデオによって、彼女の存在はまたたく間に多くの人々に印象付けられました。 やがて、彼女が演歌歌手・藤圭子の娘であること、米国居住時代に既にCDのリリース経験を持つ帰国子女であることなども明らかになってきます。 デビュー曲『Automatic』は、若者を中心に人気が広まり、翌1999年の年間チャート上位に食い込むミリオンセラーとなりました。 続く2ndシングル『Movin’on without you』も大ヒット。 そして1999年3月、1stアルバムがリリースされます。3作のシングル(そのうち『First Love』はアルバム発売後のリカット)を含むこのアルバム『First Love』は爆発的セールスを続け、当時日本最高売り上げであったB’zの『B’z The Best “Pleasure”』を軽々と抜き去り、ついには760万枚という前人未到の大記録を打ち立てます。そしてその記録は、未だ破られていません。
1.Automatic -Album Edit-
★★★☆ 2.Movin’on without you
★★★ 3.In My Room
★★★☆ 4.First Love
★★★★ 5.甘いワナ ~Paint it, Black~
★★ 6.time will tell
★★★ 7.Never Let Go
★★★☆ 8.B&C ~Album Version~
★★★ 9.Another Chance
★★☆ 10.Interlude
★ 11.Give Me A Reason
★★☆
Bonus Track
12.Automatic -Johnny Vicious Remix-
★★☆
総合 ★★★
後半が特に地味な印象。個人的には暗い7曲目が好き。
2ndアルバム 『Distance』 (2001.3.28)
1.Wait & See ~リスク~
★★★ 2.Can You Keep A Secret?
★★★ 3.DISTANCE
★★★☆ 4.サングラス
★★★ 5.ドラマ
★★★☆ 6.Eternally
★★★ 7.Addicted To You [UP-IN-HEAVEN MIX]
★★☆ 8.For You
★★★☆ 9.蹴っ飛ばせ!
★★★ 10.Parody
★★★ 11.タイム・リミット
★★★☆ 12.言葉にならない気持ち
★★
1.SAKURAドロップス
★★★☆ 2.traveling
★★★★ 3.幸せになろう
★★★ 4.Deep River
★★★☆ 5.Letters
★★★ 6.プレイ・ボール
★★☆ 7.東京NIGHTS
★★★☆ 8.A. S. A. P.
★★★☆ 9.嘘みたいな I Love You
★★ 10.FINAL DISTANCE
★★★☆ 11.Bridge (Interlude)
(評価なし) 12.光
★★★
総合 ★★★☆
3作目。この作品の発売と前後して、卵巣腫瘍摘出手術による休養、紀里谷和明氏との結婚など、大きな出来事が重なりました。また、今作にも収められている8thシングル『FINAL DISTANCE』は、附属池田小事件の被害者の1人が彼女のファンであったことを知って作ったという1曲。この時期に集中した、彼女をめぐるいくつもの出来事が蘇ってくるアルバムです。2002年のオリコン年間アルバムチャート1位獲得作品。 アルバムの統一感はこれまでの3作の中で最高。全体として、同じ色に染まっています。前作『Distance』なんかは、もっとバラバラでカラフルな印象があったんだけど、今作は全体的に同じトーンで纏められていて、その中で1曲1曲が違った表情を見せているといった感じですね。で、ラストの『光』だけがちょっと違うトーン。そんな印象があります。 シングル楽曲『SAKURAドロップス』や『光』を聴いて思ったのは、多分こうしたメロディーって、他の作曲家も思いつくことはあると思うんだけど、それを作品として採用することってあんまりない音階なんじゃないかなぁって。勝手な想像だけど、頭に浮かんでも捨ててしまいがちなメロディーだと思うんですよね。それを彼女は見事に組み立てて、ちゃんと自分の歌として成立させてしまうっていう、それがすごいなぁっていうのはありますね。 軽快なR&Bの『幸せになろう』、大胆なアレンジの『東京NIGHTS』あたりが好きだなぁ。『traveling』のグルーヴ感もあらためて好印象。中盤6曲目~9曲目あたりを楽しめるかどうかが、今作の満足度に直結すると思います。僕はこのゾーンはわりと好きなんだけど、『嘘みたいな I Love You』のエグいギターにだけは、ちょっと拒絶反応が出ちゃうなぁ…(笑)。 (記:2008.3.15)
4thアルバム 『ULTRA BLUE』 (2006.6.14)
1.This is Love
★★★ 2.Keep Tryin’
★★★ 3.BLUE
★★★ 4.日曜日の朝
★★★ 5.Making Love
★★★☆ 6.誰かの願いが叶うころ
★★★ 7.COLORS
★★★★ 8.One Night Magic feat. Yamada Masashi
★★★ 9.海路
★★★☆ 10.WINGS
★★★ 11.Be My Last
★★★☆ 12.Eclipse (Interlude)
(評価なし) 13.Passion
★★★
1.Beautiful World
★★★☆ 2.Kiss & Cry
★★★☆ 3.Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX-
★★★★
彼女のファルセットは非常にセクシーです。それを見事に活かしたのが『Beautiful World』ではないでしょうか。宙に浮くようなアレンジと、つかみどころのないメロディーラインもさることながら、やっぱりその声ですね。うん、魅力的。 『Kiss & Cry』は、序盤の無機質に進むトラックのカッコ良さや、彼女なりの韻の踏み方、「バスドラ」・「ハイハット」といった単語を持ってくるセンスの良さにもうならされました。しかし!そんなことよりも、唐突に出てくる「今日は日清CUP NOODLE~♪」というフレーズがスゴイ。これが全てをかっさらっていってしまいます(笑)。タイアップとはいえ、ここまでモロですかと。しかも3回も繰り返してるし(笑)。こんな芸当、宇多田さんしか出来ませんよ。 やっぱり宇多田ヒカルはスゴイ!!…ということで、今回は本当にもう、あらためてそんな印象。 あ、3曲目の『Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX-』もひたすらカッコ良いです。 (記:2008.1.1)