桑田佳祐(Vo)、今野多久郎(Per)、河内淳一(G)、松田弘(Dr)、琢磨仁(Ba)、小島良喜(Key)の6人組。桑田佳祐の妻でもある原由子のご懐妊・出産によるサザンオールスターズの活動休止中に、1年間限定で活動したロックバンド。 1986年4月にシングル『BAN BAN BAN』でデビューし、シングル4枚、オリジナルアルバム1枚、ライブアルバム1枚を残しました。 1987年解散。
覚えやすい「BAN BAN BAN~♪」というサビのフレーズは、トイレに入っているときに思いついたものだとか。人気も高く、桑田さんのソロ・ライブではよく演奏される楽曲です。出逢いから別れまで、恋模様を切なく描き出した歌詞と、美しいメロディーラインは桑田さんらしいです。そして適度にロック色が濃いアレンジメントが、KUWATA BANDの高い演奏技術によってとても生き生きとしていますね。
『MERRY X’MAS IN SUMMER』と2枚同時リリースされたシングル。KUWATA BANDにとって初のオリコン1位を獲得しました。
1.スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)
★★★★☆
非常に完成度の高いナンバー。ねちっこいR&Bにジャジーな風味が加わったアレンジは、かつての『ステレオ太陽族』(アルバムタイトルではなく楽曲のほう)が進化した形と言えるかもしれませんね。 よく言われる通り、タイトル及びサビの『スキップ・ビート』とは、仮歌段階で「スケベー♪スケベー♪」と歌っていたフレーズに似た響きの単語を当てはめたもの。このあたりは桑田さんの真骨頂ですね。「割れたパーツのマニア~♪」というサビも、実にエロい。 「いろんな女 Corner, 可憐な女ばかり~♪」という、モゴモゴと韻を踏むAメロも、「乱れしぐさに~♪」での高揚感も、言うことなしです。「I Love you guitar, Play some more to me!!」からなだれ込むギターソロもカッコイイ。KUWATA BANDの最高傑作。
1.SHE’LL BE TELLIN’ (真夜中へデビューdしろ!!)
★★★ 2.ALL DAY LONG (今さら戻ってくるなんて)
★★★ 3.ZODIAK (不思議な十二宮)
★★★ 4.BELIEVE IN ROCK’N ROLL (夢見るロック・スター)
★★★ 5.PARAVOID (彼女はパラボイド)
★★★☆ 6.YOU NEVER KNOW (恋することのもどかしさ)
★★★ 7.RED LIGHT GIRL (街の女に恋してた)
★★★ 8.GO GO GO (愚かなあいつ)
★★★ 9.''BOYS'' IN THE CITY (ボーイズ・イン・ザ・シティ)
★★★ 10.DEVIL WOMAN (デビル・ウーマン)
★★★ 11.FEED BACK (理由なき青春)
★★☆ 12.I’M A MAN (アイム・ア・マン・フロム・ザ・プラネット・アース)
★★★
総合 ★★★
KUWATA BAND唯一のオリジナルアルバム。『BAN BAN BAN』・『スキップ・ビート』・『MERRY X’MAS IN SUMMER』といった一連のシングルは収録されておらず、男っぽいロックサウンド、しかも全編英語詞で固めた12曲によって構成されています。 後年、桑田さん自身はこのアルバムについて、結局は自分達が好きだったロックの物真似にすぎないといった理由で、「失敗作だった」と語っています。まぁ、良くも悪くも、ここまで勢いで突っ走った作品はこの時期ならでは、KUWATA BANDならではですね。 本作で作詞を担当しているTommy Snyderとは、ここから関係が始まり、彼はその後サザンの多くの楽曲で補作詞を手掛けるようになりました。 (記:2008.6.4)