NO-NAMEの隠れ家

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スピッツ(1)

作品レビュー

5thアルバム
『空の飛び方』
(1994.9.21)

1.たまご ★★★
2.スパイダー ★★★
3.空も飛べるはず (Album Version) ★★★★
4.迷子の兵隊 ★★☆
5.恋は夕暮れ ★★☆
6.不死身のビーナス ★★★
7.ラズベリー ★★★☆
8.ヘチマの花 ★★
9.ベビーフェイス (Album Version) ★★☆
10.青い車 (Album Version) ★★★☆
11.サンシャイン ★★★★

総合 ★★★☆

アルバムでは初のオリコンチャート入りを果たした5作目。前作では笹路正徳のオーバープロデュースが目立ちましたが、今作ではスピッツのバンドらしさも少々押し出されてきて、そのあたりのバランスは改善されてきています。とはいえ、それでもポップ色が強く残っていて、バンドとしてのエゴというのはまだ感じられません。それが良いのか悪いのかは別として。
草野正宗のメロディーメーカーとしての実力は、これを聴けば一目瞭然。耳辺りの良さは抜群です。後にリバイバルヒットする『空も飛べるはず』や、『青い車』といったシングル楽曲は当然ながら良い。テンポ感のある『ラズベリー』や、ホーンの印象的な『恋は夕暮れ』といった従来通りのイメージの楽曲だけでなく、ずっしりとした演奏の『迷子の兵隊』、ロックチューン『不死身のビーナス』、女性とのデュエット『ヘチマの花』など、駒も揃っています。シングルは別として、僕が選ぶベストトラックは、ラストの『サンシャイン』。幻想的な世界観は一聴の価値があります。
全体を通して、非常にポップで聴きやすい一枚。それゆえ、彼らの他の作品に比べて、聞き飽きるのが早いかもしれませんが。いわゆるスピッツらしさというものが固められてきたアルバムという印象。
(記:2007.11.17)










6thアルバム
『ハチミツ』
(1995.9.20)

1.ハチミツ ★★★
2.涙がキラリ☆ ★★★★
3.歩き出せ、クローバー ★★★☆
4.ルナルナ ★★★☆
5.愛のことば ★★★☆
6.トンガリ'95 ★★★
7.あじさい通り ★★★
8.ロビンソン ★★★★★
9.Y ★★★★
10.グラスホッパー ★★★☆
11.君と暮らせたら ★★★☆

総合 ★★★★

遂にブレイクを果たした彼ら。前作の延長線上といった印象の一枚ですが、勢いはこちらが上。バンドサウンドも更に存在感を増し、笹路アレンジとの整合性も絶妙な位置で図られた、前作以上にバランスの良いアルバムになっています。
メロデイーの良さも折り紙付き。キャッチーなメロディーと、草野ワールドとしか言いようがない言葉選びを見せる歌詞、そして、誰もが耳を奪われるであろう草野マサムネの高く澄んだ歌声で、スピッツの世界観を確立しています。
良質な楽曲が続きますが、中でも『ロビンソン』の名曲ぶりは、あらためて言うまでもないところでしょう。後半に僕好みな曲が揃っているせいか、良い気分で聴き終えることが出来る一枚です。それに対して、なんか1曲目~5曲目あたりのあまりに良く出来た感じ、キャッチーなポップスとしての完璧さがイヤというか、前半にもうちょっと破綻があっても良かったなと思う部分もあるんだけど、欲張りすぎでしょうか(笑)。
『愛のことば』なんかが非常に人気があるみたいだけど、僕はそれ以上に、歌謡曲臭のある『あじさい通り』、『ロビンソン』の後に続くバラード『Y』なんかが気に入ったな。
ともあれ、最初にスピッツのオリジナルアルバムを聴くなら、これを選んでおいて間違いないと思います。スピッツ・ポップサイドの最高傑作。
(記:2007.11.17)










7thアルバム
『インディゴ地平線』
(1996.10.23)

1.花泥棒 ★★★☆
2.初恋クレイジー ★★★★
3.インディゴ地平線 ★★☆
4.渚 ★★★☆
5.ハヤテ ★★★★
6.ナナへの気持ち ★★★☆
7.虹を越えて ★★★
8.バニーガール ★★★☆
9.ほうき星 ★★★
10.マフラーマン ★★★
11.夕日が笑う、君も笑う ★★★☆
12.チェリー ★★★★

総合 ★★★★

『Crispy!』より続いてきた笹路正徳プロデュースは、この作品が最後となりました。笹路プロデュース時代の4作品は、笹路による厚いアレンジメントと、スピッツのバンドとしてのエゴとのせめぎ合いの中で、徐々に後者が比重を増してくる歴史だと捉えているのですが、今作品において、そのバランスがいよいよ理想的なところにきたかなという印象を受けます。
まず、曲の世界観の広がりに耳を奪われました。ずっと向こうまで景色を描くことの出来るような楽曲が増えてきました。その典型的なものが『渚』、そしてタイトルトラックの『インディゴ地平線』でしょう。独特のグルーヴの『渚』、どっしりとした『インディゴ地平線』の描く世界は、どこか箱庭的であったこれまでの楽曲とは違った印象を与えます。この広大さは、以前まではなかったもの。そして、楽曲どうしの縦のつながりがまた良い。これまでの彼らの作品が、良くも悪くも1曲完結の世界だったのに対して、今作の収録順は見事で、それぞれの楽曲を聴いてのイメージや余韻が、次曲の世界観への快適な導入を誘うのです。これは、聴いてみればよくわかるんじゃないかな。
入りやすく、なおかつスルメアルバム。ポップス作品としては『空の飛び方』や『ハチミツ』のほうが基本に沿った作りなのかもしれませんが、僕はこのアルバムの方が好きです。
個々の楽曲も、落ち着いた雰囲気でスタートするのかと思わせておきながらいきなりパンクへ転換する三輪徹也による作曲の『花泥棒』、安定した良メロ・歌・演奏でほっとするようなミディアムナンバー『初恋クレイジー』、新感覚の質感の『ハヤテ』、サビの突き抜け加減とコーラスワークが気持ち良い『ナナへの気持ち』、淡い情景を描くような『虹を越えて』、ハードなアプローチを見せる『マフラーマン』など、好きなものが多い一枚。
(記:2007.11.25)










8thアルバム
『フェイクファー』
(1998.3.25)

1.エトランゼ ★★★
2.センチメンタル ★★★
3.冷たい頬 ★★★☆
4.運命の人 (Album Version) ★★★
5.仲良し ★★★
6.楓 ★★★★★
7.スーパーノヴァ ★★★
8.ただ春を待つ ★★★
9.謝々! ★★★☆
10.ウィリー ★★★
11.スカーレット (Album Mix) ★★★★
12.フェイクファー ★★★☆

総合 ★★★★

笹路正徳によるプロデュースを離れ、セルフプロデュースとなった8作目。アレンジャーには棚谷祐一を迎えましたが、プロデュースはスピッツ単独名義。
内容の方も、一聴して笹路の手から離れたことを感じさせるアルバムになっています。スピッツの多面的な魅力を詰め込んだ一枚という感があり、『センチメンタル』・『スーパーノヴァ』など、初期を思わせる原点回帰HR調ナンバーも顔を出します。『ウィリー』もロックテイストが強い1曲。かと思えば、『仲良し』などといった軽いテイストの小品、ホーンセクションが『Crispy!』・『空の飛び方』の頃を彷彿とさせる『謝々!』、変拍子の『ただ春を待つ』など、次々とあの手この手でバラエティ豊かな楽曲を聴かせてくれます。シングルナンバーの『冷たい頬』・『運命の人』も、納得の仕上がり。
個人的にはやはり彼らのバラードの代表作である『楓』に心を打たれました。泣きのメロディーと草野マサムネの透き通る歌声がベストマッチ。これは満点。
ラス前に置かれた『スカーレット』も良いです。温かな空気感の1曲で、それまでの10曲を経てこの曲に辿り付くと、なんともホッとする感があります。そしてラストの『フェイクファー』。この曲のラストは正解でしょう。静と動の対比が美しい1曲。
とにかく、ここまでのキャリアで蓄積してきたスピッツの持ちネタを全て披露したという感じで、バラエティ豊かに佳曲が繰り出される一枚。どの曲も楽しめると思うし、なによりこれだけ曲数があって、捨て曲らしい捨て曲がないってのも凄いですね。
反面、雑多でアルバムの流れやまとまり、バランス面は以前の作品と比べるとイマイチな印象もあります。これはセルフプロデュースゆえなのかなという印象。笹路時代だったら、『楓』の次に『スーパーノヴァ』なんて絶対あり得なかったでしょうし(笑)。バンドの方向性が定まらなかったこともあり、草野自身はこのアルバムの評価はあまり高いものではないようです。
(記:2007.11.26)










EP
『99ep』
(1999.1.1)

1.ハイファイ・ローファイ ★★★
2.魚 ★★★☆
3.青春生き残りゲーム ★★☆

総合 ★★★

1999年の元旦にリリースされたEP。形態としてはマキシシングルと変わらないのですが、オリコンではアルバム扱いとなりました。元々はリリースを前提としないでレコーディングされた3曲を集めたものであり、草野曰く「中途半端な作品」。でも、『フェイフファー』と『ハヤブサ』を結び付ける作品として全然アリでしょう。
『ハイファイ・ローファイ』は、とっつきやすい軽快なポップロック。『魚』は、涼しげなサウンドが心地良いミディアムナンバー。イントロが大好きです。『青春生き残りゲーム』は、エレキが前面に出た重いナンバー。『ハヤブサ』でのロックサウンドに繋がる楽曲。しかし、サビはポップに変化します。フェイドアウトがなんかデモっぽくて嫌だ(笑)。
ここに収められた3曲は、後に全て『色色衣』に収録されることになるのですが、その際に『魚』以外の2曲はリミックスされているので、オリジナル・ヴァージョンはここでしか聴けません。今作は現在では生産中止となっているので、中古で見かけたら入手しておくことをオススメします。
(記:2007.12.2)










9thアルバム
『ハヤブサ』
(2000.7.26)

1.今 ★★★
2.放浪カモメはどこまでも album mix ★★★☆
3.いろは ★★☆
4.さらばユニヴァース ★★★
5.甘い手 ★★
6.Holiday ★★★
7.8823 ★★★☆
8.宇宙虫 ★★★
9.ハートが帰らない ★★★☆
10.ホタル ★★★
11.メモリーズ・カスタム ★★★
12.俺の赤い星 ★★★
13.ジュテーム? ★★★☆
14.アカネ ★★★☆

総合 ★★★

オリジナルとしては『フェイクファー』以来、2年4ヶ月ぶりの9作目。共同プロデュースに石田小吉を迎えた今作は、これまででは考えられなかったほどロックサウンドに傾倒した一枚となりました。
いやぁ、驚きましたね。随分と思い切って針を振り切ったものです。スピッツの出自はロックではあるけれど、それにしても、ブレイク期の彼らと比べるとかなりの変貌です。ファンはかなりの戸惑いがあったのではないでしょうか。
『放浪カモメはどこまでも』では、ラウドなギターが耳を劈きます。トップに置かれた『今』や『8823』などは、メロディーラインはスピッツなんだけど、やはり演奏の迫力が今作ならでは。『メモリーズ・カスタム』や田村明浩による作曲の『俺の赤い星』も、重いサウンドを聴かせます。そんな中で気に入ったのは、五島良子をコーラスに招いた『ハートが帰らない』。歌謡曲っぽさとバンドっぽさ、切なさと激しさのバランスが丁度良いです。草野マサムネのヴォーカルも良いですね。それから、ロックチューンが続いた後に置かれた『ジュテーム?』が、とても優しい響きで癒されます。難を言うなら、前半、『いろは』から『甘い手』への流れがちょっと退屈かも。どれも単品で聴くと悪くないんだけどな。
今作でしか聴けない尖り具合は、「すぐにでも」とは言わないけれど、スピッツの作品群を聴いていくなら、どこかで味わってみる価値はあると思います。
(記:2007.12.16)










32ndシングル
『ルキンフォー』
(2007.4.18)

1.ルキンフォー ★★★★
2.ラクガキ王国 ★★★☆

2007年最初のシングル。表題曲は、どっしりとしていながらポップなバラードナンバー。いい音を出してますね。スピッツの安定感は凄い。毎回期待を裏切りません。歌詞は結成20周年を迎えての気持ちを意味しているかのようにもとれます。
c/w『ラクガキ王国』は、ドライブ感のあるロックナンバー。激しい演奏はスピッツの原点。
(記:2007.9.25)










33rdシングル
『群青』
(2007.8.1)

1.群青 ★★★☆
2.夕焼け ★★★★

『群青』は、草野マサムネの言葉を借りれば「スピッツのギターポップの王道」。疾走感のある気持ち良いナンバー。スキマスイッチの大橋卓弥と女性シンガーの植村花菜をバッキングヴォーカルに迎え、フルコーラスを3声で歌っています。PVにはアンガールズも出演(笑)。
c/wの『夕焼け』がまた良い。泣かせるバラード。次のアルバムにはどうやら収録されないらしい…。隠れた名曲になるかもしれないです。
(記:2007.9.27)


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