お笑いについては私の場合、だじゃれとか、あるいは2人だけがマイクの前でただしゃべっているのはあまり好きじゃなくて、ちゃんとセットを組んで、登場人物も何人か出てきて、そして出演者が大きく動くタイプのコメディが好きな方です。
だから、私が好きなコメディアンは、日本ならドリフ、海外ならビーンです。
ドリフは小学生の頃、本当に欠かさず見ていました。
もちろん、一時は親に見るのを禁止されたこともありましたが、
ドリフ自体はずっと好きなままでいました。
看板番組の「全員集合」が終わってからまもなくして、
いかりや氏は普通のドラマに出演するようになりました。
最初は真面目くさったいかりや氏がかえって面白く見えたけど、
いくつも役をこなすうちに、いかりや氏はどんどんかっこよくなっていったと思います。
CMポスターを見ていると、若手2枚目タレントよりも、ずっと存在感が感じられました。
今朝見たワイドショーでは、若い頃のバンドマンだったころのいかりや氏の写真などが公開されていました。当然、このあたりは私はリアルタイムでは知りません。
こうしてみると、いかりや氏はバンドマン、コメディアン、俳優、という3つの顔を持ち、
視聴者やファンの要求にこたえながらもうまく変身を重ねていって、
生涯現役というかっこいい人生の幕の下ろし方をやって見せた人だったのだな、と思います。
いかりやさんの告別式に行ってきました。
私も昔、親にドリフの番組を見るのを禁止されたクチです。
そもそも、ドリフの番組は当初は特に子供向けじゃなかったと思います。
だけど、特に子供たちの間で人気が出たので、ちょっとした社会問題(というほどのものじゃないか。PTAとか教育関係者が騒ぎ出したというか)
になったのだろうと思います。
確かに、体当たりの演技というか、動きのある演技、大掛かりなセット、
こういう、ビジュアルにも強く訴えるお笑いというのは、
子供たちに受け入れられやすいのかもしれません。
ちょうど、幼い子供たちが絵本から言葉を覚えていくように、
ドリフからテレビが発信するエンターテイメントに親しんでいくという感じになるのでしょう。
そういった意味では、ドリフにそれほど罪があったとは思えません。
ドリフの方も、子供たちに支持されているのがわかっていたから、
子供の心を傷つけるようなコントはやらないようにしていたはずです。
確かに、ドリフのコントに教育的効果はなけど、
「あ、あれ、おもしろかったね~」と
同じ世代で同じ話題を共有できるという幸せをもたらしてくれたと思います。
そういう点では、いかりや氏に
「暖かい思い出をありがとう」とメッセージを送りたいです。
葬儀会場は、告別式が始まってまもなくして雨が降り出しました。まるで、空も泣いているみたいでした。
いかりや長介さんがご自分でお書きになった自伝は
「だめだ、こりゃ」です。文庫版を購入しましたが、
著者プロフィールのところはすでに、「故人」とされていました(涙)。
いかりやさんの幼年、青春時代の話、演じる側からのコントの工夫・苦労など、
興味深いエピソードがわかりやすく書かれていました。
文庫あとがきは、これからも芸能活動に打ち込んで行きたいという
気持ちが縷々つづられていたのですが、
それを書いた時期が2003年の5月、
確かいかりやさんがご病気になられた頃ですね。
この皮肉なタイミングがいたましいです。
あと、いかりやさんはご自分のお父さんへの
あふれる愛をところどころでつづっておられますが、
どうせならお子さんについても言及してほしかったです。
でも、お父さんはすでに故人になられたけど、
お子さんの方はプライバシーを配慮して、あえて書かなかったのかもしれませんね。
娘さんはいかりやさんのマネージャー、
息子さんは普通のサラリーマンをしていると聞いております。
↓息子さんが書いた、回想記
親父の遺言
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