ラジェンダ エリコムリ            L'agenda d'erikomri

November 16, 2006
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カテゴリ: 美食学
お恥ずかしい話ですが、わたしは辻留という料亭に、
人一倍憧れがありました。

先代、辻嘉一さんの著書に感銘を受けること数知れず。
日本料理とは、なんと繊細で、幸せな食べ物か。
そういうことを、先代の本で学んだ気がします。

フランスの高級料理屋やワインには、
実はなーんの憧れもありませんでした。
(だから勉強するには度胸が据わっててよかったのかも)
だけれど、こういった料亭には、弱いのです。
特に、辻留さん!

毎年京都には行くし、別にお金さえ出せば東京でも食べられるけど、
なんだかずっと「まだ早い」気がしていて。
だけど、一応の勉強もしたし、そろそろ解禁!ということで、
京都にてお弁当を買ってお宿で食べました。

P1040068.jpg

いやあね、文句のつけようもないって、こういうことを言う。
上質で、丁寧で。すべてが芸術品のごとくおさまっている。
だけれどそれは、いかにも体に染み込むことを前提とした、
あくまで「健やかさ」をつかさどるようなお味なのです。

フランスで、「芸術」に値する料理がある、
食べるだけで涙が出て、思い出すだけで切なくなる、
そんなお料理があることを知りました。

このお弁当は、このたった6000円ほどのお弁当は、
まさにそれに相当する味だと思いました。

幸いにも紫野和久傳のお弁当と同時に食べ比べ
することができたので、ちょっとは上手に味の判断ができたかな。

P1040075.jpg

この、鯛ちらし、絶品。上品で控えめなあぶらのノリ。
その鯛をしっとりとサポートするような、穏やかな酢飯。

おかずだけをとると、辻留のほうがワザがきいているような気がする。
でも、それは、きっと両者のスタンスの違いなのかも。

辻留のお弁当には鯖寿司がはいっている。
それはそれはおいしくて、明らかに今まで食べたものとは格が違う。
でも、これは、あくまで弁当の中で一品として独立していて、
「ごはん」の扱いではないように思う。

対して紫野和久傳の鯛ちらしは、あくまでも「ごはん」の位置を
保っているように思われる。
そうなると、ほかのおかずも自然、控えめで、
調和を求めるものになるのではないか、と思うのです。

ほんとにほんとに、どちらも文句のつけようがないほどおいしい。
わたしには、「どっちがおいしかった」なんて言えないなあ。

卵焼きや煮物ひとつにしても、明らかに両者の個性がみえるのは、
おもしろい体験でした。
お店に食べに行ったら、こういうわけにはいきませんよね。


おともには、京都の純米大吟醸。
(デパートでさんざん試飲して買った)

P1040077.jpg

両者の高級感にまけない、すべてを包み込むような力強さ、
上品さ、それでいて邪魔をしないやわらかさ。

よいお酒でした。

幸せな食事だったな。






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Last updated  November 16, 2006 02:06:30 PM
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