月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

灯火-第一章:旅の始まりの


街灯がともる頃の暗い闇に包まれた夜の街。
少年は街灯に照らされて明るい街を一人で歩いていました。
少年は15歳前後。おそらく中学生だろう。前髪は軽く目に掛かるぐらい。横は耳に掛かるぐらいで後髪は首の下ほどまで伸びていました。目はぱっちりとしていて、髭はない。精悍な顔つきでいつでもポーカーフェイス。面白い事があろうがなんであろうが硬い表情は殆ど崩す事はありません。
少年はある場所で立ち止まりました。そこは本屋とゲーム屋がひとつになった場所でした。少年はそのお店に入っていきました。
少年は最近の流行のゲーム「灯火-Another Story-」(訳:灯火 もう一つの物語)を買いに来たのです。少年の友達、あるいは世間のこのゲームをPlayしている人たちは略してASといっています。ジャンルはアクションゲーム。なんとも醜い敵がうじゃうじゃといるなかに主人公が一人で突っ込んで生死の境を彷徨うゲームです。少々大げさに言ってしまいました。とにかくこの少年の友達の話では面白いとのことです。今日は買って帰って早速やろうと思っている少年。
少年はクラスの友達に逢うことも無く家に到着しました。
-午後7時-
御飯も食べ終わって自分の部屋にこもった少年。
先ほど本屋で買ったゲームを始めました。
少年は面白いのか面白くないのか表情には出しません。(いつもポーカーフェイスです)
敵が何十匹と密集しているところに少年は主人公を操作し、必殺技を繰り出し全ての敵を一掃しました。アクションゲームは得意なようですぐにボスのエリアまで進みました。
「・・・HP無駄に多くない?」
少年はボスのHPゲージを見て思わず言葉を漏らしました。勿論部屋には自分以外誰もいないのでその言葉を聴いた人はいません。
少年はHPゲージが無駄に多いボスに必殺技を何度も繰り返しました。10分ほど経った時。やっとボスを倒しました。少年は少々疲れ気味です。
「疲れた・・・。・・・・・・・・・ッ!!?」
誰もいないはずの部屋で誰かに肩をつつかれた気がした少年は恐る恐る後ろを振り返りました。
「!?」
そこには一人の男が立っていました。男は少々武装して、この世の人間ではないような武装をしており、今やっているゲームの主人公とそっくりでした。髪は少し長いが、少年より短く、髪の毛は頭から上に伸びるようにして立っていました。髪の毛の下にはバンダナをしていて、額を隠していました。
「ま・・・まさか・・・」
少年は男を見て驚いていました。
「もしかして・・・?」
そう。その男はそのゲームの主人公なのです。なんともSF的な話でした。
「な、なんで?」
額に汗を垂らし、男を見上げる。流石にポーカーフェイスでも驚きは隠せないようです。
「・・・付いて来い」
男は小さく呟きました。男の声は低く、特徴のある声でした。
「来いって・・・何処へ?」
男はまたテレビの方向を指差しました。テレビには時空の狭間のような渦を巻いた空間が中心から四方八方に広がっています。
「え・・・?何・・・あれ・・・」
呆気にとられていた少年は、男に手を急に引っ張られて思わず声を出しました。
「わっ!!?」
「・・・大きな声を出すな。五月蝿い」
そういって男はテレビの中へ入ってしまいました。続いて少年も手を引かれ
て中に入っていきました。
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第一章完成です。
灯火-第二章:魔物が巣食った村


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