月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

〔第十四章〕記憶


「生きてたか・・・しぶといな・・・」
俺はあの魔物の攻撃をまともに食らった。
「よく生きてたな・・・」
「ああ・・・」
「大丈夫?」
零が言った。どうやらまだあの魔物は零を攻撃してないようだ。
「大丈夫だ。だがあの魔物に勝てるのか?」
「そんなことわからないわ・・・」
「グギャォォォォォォ」
「くる!!避けろ!!」
「ぐぁぁ!!」
俺は避け切れなかった。だいぶ体が弱ってきている。だが、負けたくない。
「くそっ!!」
「グギャォォォォ」
連続攻撃だ。今度は零を狙ってきた。
「零!!」
「きゃぁ!!」
零は吹き飛ばされた。壁に叩きつけられ、動けなくなっている。だいぶ弱っているようだ。
「くそっ!!零まで・・・どうしたらあの魔物に勝てるんだ!!」
「兄・・・さん・・・」
「零、喋るな・・・体がだいぶ弱っている・・・」
「零ここは俺たちに任せて少し休んでろ」
「わかった・・・」
このままずっと戦っていたら皆やられる。
「グギャォォォォ」
今度は蓮火を狙ってきた・・・いや、二人まとめて吹き飛ばす気だ。
「ぐぁぁ!!」
尻尾で二人ともなぎ払った。
「ぐっ!!蓮火さん・・・零・・・」
零と蓮火は壁に叩きつけられ、横たわっている。
「お前なんかに・・・負けるか・・・今、思い出したよ・・・俺の過去・・・俺の記憶を!!」
俺は何度も叩きつけられ少しずつ記憶を取り戻していた。
「俺には、兄がいた。だが、お前に殺された・・・必死に戦って、死んだ・・・いや、お前に殺された!!俺の兄は二年前、ここに来た。だが、お前に出会い・・・殺された。お前と戦って・・・最後に、お前に殺された。俺は・・・お前を倒し、兄さんの仇をとる!!ああ、それと・・・思い出したよ・・・俺の名前を!!」
俺はこの時、全てを思い出した。
「俺の名前は・・・封魔隼斗だ!!」
「ほほう・・・お前はあの雑魚の弟か・・・」
「なっ!!魔物が喋った!!」
蓮火は驚いた。
「兄さんを・・・雑魚って言うな!!」
「雑魚じゃないか。あんなよわっちい奴」
「それ以上いったら・・・殺すぞ・・・」
「はっ!!お前も死にたいか・・・なら殺してやるよ!!」
いきなり声は消え、またあの魔物にもどった。
「グギャォォォォ!!」
「やってやるさ・・・いくぞ!!」
隼斗と魔物はいっせいに飛びかかった。

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わ~い次回は最終章だ~

第十五章へ


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