月浮かぶそら、輝くひかり。 -静かな夜空の小さなトモシビ。

〔第十八章〕別れの時


「やっと戻ってこれたな」
俺は元の世界の風景を見て言った。
「ええ・・・」
その言葉に答えるように零は言った。
「お前と俺達は住む場所が違うよな?」
蓮火は俺に問いかけた。
「ああ・・・」
俺は少し悲しみながらその言葉に答えた。
「そろそろ・・・帰らなければいけないな・・・」
俺は零と蓮火のほうを向いた。
「そうね・・・また、いつかあえるかな?」
零は別れを惜しむように言った。俺は少し涙をためて答えた。
「いつか・・・きっと・・・会えると思う。いや・・・またどこかで、会いたいな・・・」
俺はその言葉を言った途端溜め込んでいた涙がいっせいに溢れ出した。零もその一言で、溜め込んでいた涙があふれた。
「そうね・・・きっと会えるよね・・・」
蓮火は、二人を見ていた。あの蓮火でさえも俺と、自分の妹の涙を見て、たった一粒だが、大粒の涙を流した。
「じゃあな・・・またいつか会えますように・・・」
「きっと、どこかで、ご縁がありますように・・・」
「どこかで偶然出会う・・・そんな運命があってもおかしくはないだろう・・・」
俺と零と蓮火は、そう言って蓮火と零は俺と別の方向へ歩き始めた。
俺たち三人は、振り返ろうとせず、そのまま、自分の帰る場所へと帰っていった。
俺はいつかまた、二人と出会えると、信じている・・・

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続章を作りました。章はどう付ければいいのかわからないので一応十八章ということでw
少し感動っぽく表現したかったのでこんな感じに仕上げました。
もう一つ
「再会」を作ろうと思います。

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