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(信用を得るための段階的方法) 以上述べてきた信用を得る方法を段階順にまとめると次のようになります。 (1)約束を守る。守れなかった場合はちゃんと後でフォローする。 (2)それなりの実績がある (3)先見の明がある (4)無私なる心があり、人のためにつくす。 以上は性格的部分もありそうですが、努力次第で改善していく余地は充分にあります。 これらは学校の成績や学力とはあまり関係なさそうですが、学校であまり教えないから といって軽視できるものではありません。 いやむしろ、社会に出てから成功するには、学力以上に重要な成功要因だと思えます。 いくら頭がよくても性格が悪ければ何にもなりません。悪いことを考え世の中に害を流す だけです。 腹黒いことを何時も考えているような人は信用されません。そういう人には協力したく なくなります。 信用度を(1)から(4)へステップアップしていくためには、絶えず人格、人間性の向上を 目指していなければなりません。 このためには努力・精進、忍耐が要求されます。 人格の向上、人間性の向上には、証(あかし)として、人の信用度が増していくということが あるでしょう。 なぜ信用度が増すのがよいのでしょう? それだけ評価されているということであり、それだけ自己の重要感が増すからです。 これは以前「『口は一つ、耳は二つ』なぜか?」のところでも述べたように、 人間の持つもっとも根強い衝動である「重要人物たらんとする欲求」を満たしていくことになるからです。 そのためには自分のことばかり考えていてはいけません。 むしろ積極的に人のためになること、人のお役に立つことを考え、行動しなければ決して 評価されることはありません。 そしてその対象を身近な人から次第に広げていくことが必要です。その時に必要なのは無私なる心です。 本当に無私になり切らなければなりません。 そこに人は感動し、ますます信用度が増すこととなります。 そういう人物になっていきたいものです。 このように、人間の持つ最も強い欲求を満足させるためには、「自分のことより、無私なる境地で人のお役に立つことをする」ことであるとは逆説的でさえあります。 本サブテーマ完
2012.01.07
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(個人における信用) 次に個人レベルでの信用について述べます。 個人としての信用はどのような場合に得られるでしょうか。最初にすぐ思いつくのは、約束事を守る、時間を守る、借りたお金はきちんと返す、といったようなことです。また、言うことと行なうことに矛盾がないこと、つまり言行一致も必要です。言うことをコロコロ変える人も信用されません。些事(さじ)な部分は変えてもいいが、本筋の部分はちゃんと押さえて変えるべきではありません。 さらに言えば、尊敬や崇拝(すうはい)に近い信用というものもあります。 人は理屈だけでは動かないということを知っておいた方がよいでしょう。 「人生意気に感ず」という諺(ことわざ)があります。 これは、人間は相手の心意気に感動して行動するものであり、自分の名誉や金のために するものではないということです。 似たような諺に「士(し)は己(おのれ)を知る者のために死す」というのがあります。 これは、自分を理解してくれる人のためには負ける戦と分かっていても命も惜しまないと いうような意味です。 また、先が見える、先見(せんけん)の明(めい)があるというようなこと、そして人の心が読め、何を欲しているかが分かり、それらを叶(かな)えてやるということも必要です。 これらはリーダーとしての資質でもあります。 さらに、無私なる心には何か崇高(すうこう)なものを感じて人がついて来ます。多くの人々によって敬慕(けいぼ)された幕末・明治維新の西郷(さいごう)隆盛(たかもり)などがそうでしょう。 やはり人格高潔(こうけつ)な人ほど尊敬や崇拝(すうはい)に近い信用を得ているようです。 このように信用の程度にも段階があります。 信用は約束を守るという段階から、この人のためなら命も惜しくないという尊敬・崇拝に近い段階までありそうです。 次回へ
2012.01.06
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3回シリーズです。(長期間を要する信用)何事も信用を得るためには長期間を要します。逆に信用を落とすには一日あれば足ります。 たとえば、今まで善良な人と言われてきた人が、ある日、町の舗道を歩いていて、通り魔のようにすれ違った人をいきなりナイフで刺してしまったら、その日から犯罪者となってしまいます。 一度信用を落としてしまったら、もとの信用を取り戻すには、さらに長期間を要します。 あるいは不可能な場合すらあります。 信用は個人においても、商売やビジネスにおいても重要です。 (企業における信用) 前にも述べましたが、最近では、大企業においても企業倫理が問われるような問題が発生しております。 たとえば、食品や産地の偽装表示問題、大企業の粉飾決算、インサイダー取引など、これらはいずれも経済のグローバル化に伴う競争の激化、バブル崩壊後の長引く不況や、その後の世界同時不況などが直接の誘因となっているのでしょう。 こういったごまかしは、企業の中の特定の個人もしくは少人数だけでやる場合と、企業ぐるみでやる場合とがあります。 個人もしくは少人数だけでやった場合は、企業全体の責任が問われることはあまりないでしょうから、企業が立ち直るのは早いでしょうが、企業ぐるみで行った場合には、企業の信用を取り戻すのに長期間を要します。 事の次第では経営を存続することが難しくなり、規模が縮小するか、最悪の場合は倒産すらあり得ます。 これまで築き上げてきた信用が一瞬にしてフイになるわけです。 もったいない話ではあります。 このような状況の中で、最近では企業倫理の強化が以前にも増して叫ばれるようになってきました。 次回へ
2012.01.05
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