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東京都震災対策条例 第二章
第二章 予防対策
第一節 震災に関する研究、公表等
第十二条 知
事は、震災の発生原因及び発生状況、
地域の危険度その他震災に関する事項について、
科学的、総合的に調査及び研究を行うとともに、
防災科学技術の開発に努めなければならない。
2 都は、耐震性の調査及び研究に資するため、
都が設置する建築物その他の工作物のうち、
特に必要と認める工作物に、強震計を設置しなければならない。
3 知事は、第一項の調査、研究及び技術の開発の成果を、
積極的に震災対策に反映させるとともに、都民に公表しなければならない。
4 知事は、前項に規定するもののほか、
震災対策事業計画その他震災対策に関する情報を
積極的に公表するよう努めなければならない。
第二節 防災都市づくりの推進
第十三条
知事は、防災都市づくり(震災を予防し、
震災が発生した場合における被害の拡大を防ぐため、建築物及び都市施設
(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十一条第一項各号に掲げる施設をいう。
以下同じ。)等について耐震性及び耐火性を確保する措置
その他都市構造の改善に関する措置をいう。以下この条において同じ。)を
推進するため、防災都市づくりに関する計画を策定しなければならない。
2 前項の計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 防災都市づくりに関する施策の指針
二 地域特性に応じた整備の方針及び整備地域の指定
三 重点整備地域(防災都市づくりに資する事業を重層的かつ集中的に実施する地域をいう。)等の指定
3 知事は、区市町村と連携を図りつつ、
協力して第一項の計画に基づく事業の推進に努めなければならない。
第三節 都市施設及び建築物等の安全の確保
(都市施設等の耐震性等の確保)
第十四条
知事は、震災を未然に防止し、
震災が発生した場合における被害の拡大を防止するため、
都市施設等の耐震性及び耐火性の確保に努めなければならない。
(一般建築物の耐震性等の確保)
第十五条
知事は、一般建築物(次条の特殊建築物等以外の建築物をいう。)の耐震性
及び耐火性を確保するため、適切な指導を行うとともに、
防災上の相談に応じ、必要と認めるときは、
技術面からの支援を行うよう努めなければならない。
(特殊建築物等の耐震性等の確保)
第十六条
知事は、特殊建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)に規定する
特殊建築物をいう。以下同じ。)その他知事が必要と認める建築物
及び地下街(消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)に規定する地下街をいう。)の
耐震性及び耐火性を確保するため、特に知事が指定するものについて、
定期的に検査を行い、若しくは当事者をして行わせ、
又は必要があると認めるときは、そのものの改善について助言し、
若しくは勧告することができる。
(重要建築物の耐震性等の強化)
第十七条
知事は、次に掲げる防災対策上特に重要な建築物について、
耐震性及び耐火性の強化に努め、又は当事者をして努めさせなければならない。
一 震災時に消火、避難誘導及び情報伝達等の防災業務の中心となる消防署、
警察署その他の官公庁建築物
二 震災時に緊急の救護所又は被災者の一時受入施設となる病院、
学校その他これらに準ずる建築物
(公共施設等の安全の確保)
第十八条
知事は、その管理する道路、公園、鉄道、橋りょう、
港湾その他の公共施設及びこれらに附属する施設の耐震性及び耐火性を強化するとともに、
定期的に検査を行い、それらの安全の確保に努めなければならない。
2 前項の規定は、知事が管理する河川及び海岸に設置する施設について準用する。
(都市ガス、電気、水道施設等の安全の確保)
第十九条
都市ガス、電気、上下水道、通信その他
防災対策上重要な施設の管理者は、当該施設の安全の確保に努めなければならない。
2 知事は、前項の施設の安全を確保するため必要があると認めるときは、
当該施設を収容する共同溝の設置に努めなければならない。
この場合において、知事は、特に耐震性について配慮しなければならない。
(危険物の落下防止)
第二十条
知事は、地震により破損し、
落下するおそれのある中高層建築物の窓ガラス等落下危険物の落下を防止するため、
その安全性について調査し、研究し、並びに防災上安全な基準を定めるとともに、
安全の確保及び改修について指導を行うよう努めなければならない。
(宅地造成地の安全の確保)
第二十一条
知事は、宅地造成地の地震に対する安全性について、
調査し、研究し、及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
(宅地造成地の検査)
第二十二条
知事は、地震に対して特に危険な宅地造成地については、
宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)の定めるところにより検査し、
必要があると認めるときは、その改善について、助言し、勧告し、又は命ずることができる。
(地盤沈下の防止)
第二十三条
知事は、地盤沈下に起因する震災を防止するため、
都民の健康と安全を確保する環境に関する条例
(平成十二年東京都条例第二百十五号)の定めるところにより、
地下用水について揚水の抑制に努めなければならない。
第四節 火災の防止等
(火災の防止)
第二十四条
知事は、地震による火災の発生及びその拡大を防止するため必要な施策を
区市町村と連携を図りつつ、協力して積極的に推進するよう努めなければならない。
(初期消火)
第二十五条
都民は、火気を使用するときは、出火を防止するため、
常時監視するとともに地震時の出火に備え、消火器等を配備し、
初期消火に努めなければならない。
(火気使用器具の規制)
第二十六条
知事は、地震時に出火の危険性の高い設備及び器具の安全を確保し、
出火を防止するため、その技術の開発及び普及啓発に努めるとともに、使用及び取扱いについて、
火災予防条例(昭和三十七年東京都条例第六十五号)の定めるところにより、
必要な規制を行わなければならない。
(消防水利の確保及び消防力の強化)
第二十七条
知事は、地震による火災の拡大を防止するため、
区市町村と連携を図りつつ、協力して消防水利の確保及び消防力の強化に努めなければならない。
2 知事は、その管理する公共施設及び特殊建築物を整備するときは、
防火水槽又はこれに類する施設の設置に努めなければならない。
(建築物の不燃化)
第二十八条
知事は、地震による出火を防止するため、
住宅その他の建築物の不燃化の促進に努めなければならない。
2 消防法第九条の三の指定可燃物その他指定可燃物に類する物品を取り扱う事業者は、
その取り扱う施設の不燃化に努めなければならない。
(延焼遮断帯の整備)
第二十九条
知事は、地震による火災の拡大を防止するため、区市町村と連携を図りつつ、
協力して延焼遮断帯(火災の拡大を防止する目的で設けられる道路、
河川、鉄道、公園等の都市施設及びこれらと近接する不燃化された建築物等により
構成される不燃空間をいう。)の整備に努めなければならない。
(危険物取扱施設の安全の確保)
第三十条
知事は、消防法第二条第七項の危険物、
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第二条の高圧ガス
その他これらに類する危険物を取り扱う施設の安全性について、
調査し、研究し、及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
(有害物取扱施設の安全の確保)
第三十一条
知事は、毒物、劇物、病原体及び毒素類、放射性物質その他
これらに類する有害物を取り扱う施設の安全性について、調査し、研究し、
及び防災上安全な基準を定めるよう努めなければならない。
第五節 防災広報及び防災教育
(防災広報)
第三十二条
知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力して、
防災に関する広報活動を積極的に実施し、
都民の防災知識の向上及び防災意識の高揚に努めなければならない。
(防災教育)
第三十三条
都は、区市町村と連携を図りつつ、協力して、
学校教育、社会教育等を通じて防災教育の充実に努め、
並びに区市町村が次条から第三十六条までの防災組織
及び地域の団体等を通じて行う防災教育に対し、
支援及び協力を行うよう努めなければならない。
第六節 防災組織 (防災市民組織)
第三十四条
知事は、区市町村が行う地域の自主的な防災市民組織の育成に対し、
支援及び協力を行い、その充実が図られるよう努めなければならない。
(施設の防災組織)
第三十五条
事業者は、その管理する施設の防災組織の育成に努めなければならない。
(業種別の防災組織)
第三十六条
危険物、毒物、劇物、火薬類その他
これらに類する物を取り扱う施設又は設備を管理する者は、
業種別の防災組織の組織化に努めなければならない。
(防災リーダーの育成)
第三十七条
知事は、第三十四条の防災市民組織
及び第三十五条の施設の防災組織の活動の促進を図るため、
区市町村及び事業者と連携を図りつつ、
協力してこれらの組織における防災リーダー
(これらの組織の行う出火防止、初期消火、救出及び応急手当等の震災対策活動において、
適切な指示を与える等中心的役割を担う者をいう。
以下この条において同じ。)の育成に努めるとともに、
区市町村が行う防災リーダーの育成に対して、支援及び協力を行うよう努めなければならない。
第七節 地域における相互支援ネットワークづくり
第三十八条
知事は、震災時に、支援活動を行う団体等が
効果的な活動を行う環境を整備するため、
区市町村が行う地域相互支援ネットワーク
(当該区市町村の区域で活動する団体等が相互に連携し、補完し合うことにより、
被災者に対して必要な支援活動を一体的に、かつ、効果的に行う仕組みをいう。)の
育成の促進に必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
第八節 ボランティアへの支援
第三十九条
知事は、ボランティアによる被災者に対する支援活動の円滑な実施を確保するため、
区市町村と連携を図りつつ、協力して資器材の提供、
活動拠点の提供等必要な支援を行うよう努めなければならない。
2 知事は、区市町村と連携を図りつつ、協力してボランティアの育成に努めなければならない。
第九節 要援護者に対する施策
第四十条
知事は、区市町村が行う寝たきりの状態にある高齢者、
障害者、外国人等震災時に援護を要する者に対する施策の促進に
必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
第十節 防災訓練 (防災訓練の実施)
第四十一条
知事は、区市町村と連携を図りつつ、
協力して防災訓練を積極的に行わなければならない。
2 前項に規定する防災訓練に参加した者が、当該防災訓練により死亡し、
又は傷害を受けたときの補償については、
東京都規則(以下「規則」という。)の定めるところによる。
(防災組織の訓練)
第四十二条
第三十四条から第三十六条までの防災組織の責任者は、
震災の発生に備え、防災訓練を実施しなければならない。
2 前項の防災訓練を実施するときは、初期消火訓練、避難訓練、
救出及び救助訓練並びに応急救護訓練について、特に配慮しなければならない。
3 知事は、第一項の防災組織が行う訓練に、職員の派遣を行うこと等に
より協力をするよう努めなければならない。
第十一節 都民等の意見
第四十三条
都民等及び防災組織は、地域の安全性について常に監視し、
地震に対して危険性のあるものについて知事に意見を述べることができる。
2 都民は、第四十七条の規定による避難場所の指定について、
知事に意見を述べることができる。
3 知事は、前二項の規定により都民等及び防災組織の意見を聴いたときは、
これを施策に反映するよう努めなければならない。
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