全7件 (7件中 1-7件目)
1
![]()
書籍の感想です。今回は「エクソダス症候群」です。エクソダス症候群 【創元日本SF叢書版】【電子書籍】[ 宮内悠介 ]近未来、精神病に関する診断にAIが活用され、よりスピーディにより正確に診察が行われ、精神科医の存在意義が問われるような世界。精神病に打ち克ったはずの人類だったが、それでも死を選ぶ者がいた。主人公であるカズキは将来を嘱望される精神科医であったが、地球でいろいろあり、居場所を見失い、失意のうちに火星への移住を決断する。火星での生活は厳しく、生活レベルも地球と比べると相当落ちる中で、カズキを精神科の病院に勤務することとなる。「精神病」とは何か、何をすることが治療なのか、みたいなことが根底に流れている気がします。ちょっと難しくてわからない部分も結構あったのですが、医療設備も薬も不足している火星で、「本当に必要な治療とは何か」をカズキなりに見出した、という感じだと思います。全体的に重く、気軽に読みたいと思う人にはお勧めしません。
2020.08.29
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「マンガでわかる相対性理論」です。マンガでわかる相対性理論光の速さで飛んだらどうなる?相対性理論のたった2つの結論とは?【電子書籍】[ 新堂 進 ]相対性理論って言葉は聞いたことあるけど、イマイチ良く分からなくてちょっとでも理解できればと思い、読んでみました。マンガだから分かりやすかな、と。まあ、分かりやすかったのですが、それでも難しいですね。難しいというか、今までの常識が邪魔をしてなかなか呑み込めないです。この本ではまず「相対」という言葉の考え方は説明しています。相対、つまり、絶対的な基準があるわけではなく、基準によって決まるということですね。80点という点数は50点の人から見たら、+30点だけど、100点の人から見たらー20点みたいな。で、相対性理論では「時間や空間そのものも相対的」なのだそうだ。つまり・3分という時間が「別の基準にいる人」にとっては2分だったり、5分だったりする・3mという長さが「別の基準にいる人」にとっては2mだったり、5mだったりする・・・「これが世界の真実だ」と言われてもなかなか信じられないです。まず大前提になるが、「光はどんな場合でも必ず秒速30万kmになる」ということ。また「光の速度を超えることはない。速度には上限がある」ということ。これは止まっている人が発射した光なら違和感ないですが、仮に秒速10万kmで進んでいたとしても、光の速さは秒速30万kmになるということです。この光の「必ず秒速30万kmになる」を前提にすると、時間や空間は一人一人別の時間を持っていて、別の結果になるという解釈をせざるを得なくなります。なぜなら秒速10万kmで進んでいるロケットにとっても秒速30万kmになる、ということは出発地点から見ると、40万km進んでいることになるわけです。つまり・地球にいる人にとっては光は30万km進んだ・ロケットにいる人にとっては光は40万km進んだということになるわけです。(実際には「速度の上限がある」のだから、ロケットにいる人の時間がゆっくり進んでいるということになるんですね・・・)難しいです。ちなみにこれは光だけに発生する特殊な現象ではない、のだそうです。例えば時速300kmの新幹線で移動しても、時間はその分ゆっくり進むことになるそうです。ですが、時速300kmでは光と比べてあまりに遅いので、100秒あたりの時間の遅れは「0.000000000004秒」とのことで、通常は無視しても問題ないレベルなのだそうです。日常生活ではこの差を感知することができなかったから、我々は気づかなかったわけですが、速度が光速に近づけば近づくほどその差は顕著になり、相対性理論の考え方を取り入れなければ正確な計算ができなくなったというわけです。あと、本当に正しい速度合成の法則についても書かれています。100kmの速度で走っている電車から100kmのボールを投げると、電車の外に人から見ると200kmのボールが投げ出されたように見えます。電車の速度+ボールの速度=外の人にとっての速度なのですが、秒速20万kmで走るロケットから、秒速20万kmのボールを打ち出すと、上記に式では40万kmになってしまいます。「光の速度を超えることはない。速度には上限がある」というルールがあるので本当に本当に正しい式は(電車の速度+ボールの速度)÷(1 + (電車の速度×ボールの速度)÷ 光の速度の二乗)となるそうです。しかし、電車の速度やボールの速度はかなり遅いので、(電車の速度×ボールの速度)÷ 光の速度の二乗)の部分がほぼ0になってしまうため(電車の速度+ボールの速度)÷(1 + ほぼゼロ)となり、日常生活においては「電車の速度+ボールの速度」と考えても無視できる程度の誤差ということのようです。自分たちがこんなに厳密でない世界で暮らしていると思うととても不思議な気分です。相対性理論のことが分かった、とはとても言えませんが、そんな不思議な気分が味わえる本でした。
2020.08.23
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「」です。紙の城 (講談社文庫) [ 本城 雅人 ]新聞社の買収にまつわる話です。この本で知ったのですが、新聞社って簡単に買収できないようになっているんですね。そもそも株式は非公開なので、M&Aとかは簡単にはできない。もし仮に何らかの方法で株式を得たとしても、いくつか制約があって取締役会で否決することができるのです。なので、株式を取得した会社の悪い部分を必死に探して買収を止めたい記者と買収するために将来の新聞社像を描く買収会社との戦いが描かれています。なかなか面白かったです。ですが、新聞がこのままではじり貧であるというのは事実なようで、速報性が低い上に値段が高いとなれば、読者が離れていってしまうのは当然なのかもしれません。新聞社として何ができるか、どう変わっていかなければいけないのかという部分にも色々考察を入れている点もとても楽しく読めました。
2020.08.18
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「風の島の竜使い」です。風の島の竜使い (C・NOVELS) (新書) / 片倉 一 著私はファンタジー物が好きなわけで、当然、竜(ドラゴン)も好きなわけです。であるからして、竜使いなんていうタイトル、是非読んでみたい!と思い手に取りました。文明を享受している民と昔ながらの生活をしている民が暮らしている島。もともとは竜使いだけが暮らしていたが、いつしか文明を持った民が流入してきて平地に住み着く。竜使いは険しい山に住んでいるので、住み分けはできているが、交流するにつれ、文明の利器の便利さに次第に心を奪われていく若者が増えていく。「生きていくだけなら、竜と谷があれば良いが、一度文明の便利さを知るとなかなかそれを拒絶することはできない」というのはその通りだなと思いました。竜使いは荷物運びなどでお金を得ていますが、飛行船や列車などがあるため、徐々に仕事は減っており、将来を憂える人も増えてきています。そんな中で主人公のレラシウは竜が大好きな女の子。これからもずっと竜とともに生きていきたいと望むのですが、結婚初日に夫であるシノカントに「竜に乗るのはやめろ」と言われてしまう。それ以降、二人は冷戦のような状態が続くのですが、ある日レラシウしかいない状況で荷運びの依頼が来ます。レラシウは荷運びの仕事受けるのですが、そこから物語は大きく動いていくのです。中盤以降は火山は噴火するし、その中でレラシウとシノカントがお互いにどう思っているか本音を語り合っていくことで、溝を埋めていくのですが、ちょっと前半が長くてもたもたした印象があります。また、竜使いを「滅ぶ定めにある民」のように描いているので、少し物悲しい雰囲気です。それが序盤長く続くので、少し読むの辛かった。竜に関してはとても丁寧に描かれていて、人に慣れない竜をどうやって従わせているのかとか、竜使いという仕事がどんなに危険なものかなど、その辺はまさに本当に竜がいるかのように描かれていてとても良かったです。
2020.08.14
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「ナースコール! こちら蓮田市リハビリテーション病院」です。ナースコール! こちら蓮田市リハビリテーション病院[本/雑誌] (ポプラ文庫) / 川上途行/〔著〕主人公の玲子はリハビリテーション病院で働く看護師です。なんとなくで選んでしまった「リハビリ」という仕事にイマイチ目的意識も持てず、やる気も熱意も今一つな玲子。そんな彼女のもとにある男性医師、小塚が赴任してきて、「リハビリってどんな意味?」と尋ねます。そこから彼女はリハビリの意味、自分の仕事の意味、自分の役割について真剣に考え出すのでした・・・お仕事小説は良く読むのですが、そういう小説で良くあるのは前向きさだけが取り柄の頑張り屋さんの主人公。でも、技術がついていかず、いろんな経験をしながら成長していくみたいなのは良くあると思うのですが、この小説の主人公はリハビリに全然熱意を持てない看護師。熱意がないので、深夜何度もナースコールしてくる足が不自由なお爺さんにうんざりしたり・・・イヤイヤ感がものすごく伝わってきます。でも、お爺さんに偏見を持たず、「リハビリの意味」を考えて行動する小塚先生の行動、発言に触れていく中で、お爺さんがなぜあんなに意地悪なのか、が分かってきます。リハビリのお仕事についてとても丁寧に描かれていて、その中で働く看護師の仕事がとても大変であろうことが手に取るようにわかりました。だからこそ、「意義、意味」みたいなものがないと単なる「深夜作業もある重労働な仕事」としか思えず、なかなかモチベーションを保てないのだと思います。小塚先生の叱るでもなく、諭すでもないのですが、随所で放たれる言葉から玲子が少しずつ成長していく様はとても素敵でした。あと、リハビリの意味という話もとても興味深いものでした。「あなたの症状は薬でも手術でも治せない。だが、人の手で治す」というような言葉が出てきます。通常の病院のように骨がくっついたら終わりでも、病巣が取り除けたら終わり、でもないのです。リハビリの意味は「患者さんが日常生活が送れる状態にすること」です。そのためにはあらゆる手段が含まれ、「人」の力が大きくかかわってきます。そして、その人にはお医者さん、トレーナー、看護師さんに加えて、患者さんその人も含まれるのです(さらには患者さんの家族の力も大切)。本人がやる気にならないと効果が出ない場合が多いし、病気前と全く同じ日常生活には戻れない場合もある。そんな時に、新しい自分とどう付き合っていくか、をリハビリの中で見つけていく必要があるわけです。その辺もとても丁寧に描かれていて、とても素敵な小説です。お勧めです。
2020.08.13
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「あとは野となれ大和撫子」です。あとは野となれ大和撫子 [ 宮内 悠介 ]カザフスタンとウズベキスタンの狭間にあるアラル海。20世紀最大の環境破壊と呼ばれる地です。かつては大きな内陸湖だったのですが、旧ソ連による農場拡大のために地下水を大量に組み上げたことが原因で湖は1/10ほどになってしまいます。湖が塩湖だったこともあり、土壌は大量の潮に覆われ、作物も育たず、湖の塩分濃度も上がり、魚も棲まない死んだ土地が出来上がりました。上の部分までは本当の話なのですが、この本ではそこにアラルスタンという国が興ったという設定で話は始まります。色々な国から逃れてきた人々が自由を求めて作り上げた国。科学力で大気から水分を取り出す技術を確立し、何とか生活できる環境を作り出したわけですが、そんな中、大統領が暗殺される。カザフとウズベクの侵攻を恐れた議会の男たちは国外へ逃亡。残されたのは後宮の女性たち。しかし、彼女たちは一芸があり、一流の教育を施された者たち。彼女たちの生き残りをかけた戦いが始まるのでした。あらすじで、後宮、などと書かれていたので、もっと古い話かと思ったのですが、ほぼ現代の話です。旧ソ連、中東などの複雑な事情も絡み、裏切りあり、悲しみあり、狂気あり・・・思ったよりも重厚な内容でしたが、面白かったです。アラル海という事実とアラルスタンという虚構のバランスが非常に良かったです。
2020.08.04
コメント(0)
![]()
書籍の感想です。今回は「クロス・ファイアー」です。クロス・ファイヤー/柴田よしき【合計3000円以上で送料無料】クロス・ファイアーというタイトルの通り、野球の小説です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーープロ野球に女性の野球選手が誕生した。東京レオパーズ所属の楠田栞は、左腕でアンダースローの中継ぎ投手。客寄せパンダと陰で囁かれつつも、同僚で親友の早蕨麻由と励まし合いながら、プレイに、恋に、奮闘中。中継ぎで十分と思っていた、天才少女と謳われていた麻由の二番手で良いと思っていた栞に転機が訪れる。コーチの雲野は栞の素質を見抜き、栞にNPB史上初の女性先発投手を目指してみないかと打診してきたのだった・・・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー私自身野球が好きでプロ野球の再開を楽しみにしていたので、プロ野球の小説ということで楽しみにしていました。で、感想ですが、ちょっと尻切れトンボな感じがしました。上記のあらすじを見れば、先発投手としてマウンドに立つことができるかどうか、立ったとして、勝利投手となれるかどうか、が話の終わりだと思うのですが、かなり前に小説は終わっちゃいます・・・やっぱりせっかく特訓を続けていっているので、その成果が出るかどうか、まで見たかったです。
2020.08.01
コメント(0)
全7件 (7件中 1-7件目)
1


