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書籍の感想です。今回は「ひかりの魔女」です。ひかりの魔女 [ 山本甲士 ]魔女と言っても、悪い魔女ではなく、ひかりの魔女です。良い魔法使いが皆を幸せにするお話です。光一のおばあちゃんは85歳。見た目は普通のおばあちゃんでいつもニコニコしています。しかし、光一が付き添って会いに行った人は全員おばあちゃんを慕う人ばかり。それも生半可ではありません。おばあちゃんが喜ぶことをすることを無上の喜びと感じているのです。それはおばあちゃんの噓が多分に含まれています。噓と言っても、相手を困らせるためでも、自分のためでもありません。それは相手のやる気を引き出すためだったり、こちらの好意を受け取ってもらうためなのです。おばあちゃんは書道教室で先生をやっていました。そこには訳ありの子も来ていました。そんな子に可哀想という理由でご飯を食べさせるのはそれを重荷に感じる子もいるかもしれません。だからおばあちゃんは自分が〜で困っている、だから手伝ってくれると嬉しいとお願いします。そして手伝ってくれたら、最上級の感謝をした上でお礼と言ってご飯を食べさせるのです。文中に出てくる「順番を変えるだけ」という手法はとても素敵だなと思いました。子どもも段々ともしかして本当は困ってなかったんじゃないか、自分のために困った風にしてくれただけなんじゃないかと気付くのです。気付くことでますますおばあちゃんのことを尊敬するようになるのです。そんなおばあちゃん、光一の家に来てから、光一の家の問題をさりげない行動で次々と解決していきます。お父さんのリストラ問題、お母さんのパート先、妹の素行不良、そして光一の大学受験、と一見おばあちゃんにはとても解決できそうもないことも、色々な人も協力をさりげなく受けながら、家族を幸せに導いていくのです。家に居場所がないと感じていた妹に居場所を提供します。しかし、おばあちゃんは居場所を押し付けたわけではありません。妹が好きな事を覚えていて、そこにそっと後押しするのです。とっても素敵なおばあちゃんですね。まさに「ひかりの魔女」でした。
2025.11.30
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書籍の感想です。今回は「リストランテ・ヴァンピーリ」です。リストランテ・ヴァンピーリ [ 二礼 樹 ]ミステリー大賞受賞作とのことですが、ミステリーと言うほどの要素はあまりないです。もちろん、各登場人物たちは様々な秘密を抱えている訳ですが、それはどのジャンルの小説でもあるわけで、ミステリー要素というわけではない気がします。さて、内容ですが、舞台は少し未来の世界のようです。何十年も続いた世界大戦によって秩序が大幅に壊れた世界で生きるオズヴァルトの周りで起きたある事件の話です。オズヴァルトはマフィアが仕切るレストランで働いています。そのレストランの名物が人肉料理だと言うのだから、とんでもないことです。だから、冷凍庫に死体があってもオズヴァルトは驚きません。なのですが、その死体が目覚め、「自分は吸血鬼だ」なんて言われればびっくり仰天です。しかし、話を聞くうちに彼の言っていることは本当らしいと思えてきたオズヴァルトは彼、ルカの頼みを聞き、ルカの妹を探すことになったのでした。頼みを聞いた理由は妹を見つけないと吸血鬼の呪いで死ぬと言われたからですが。ちなみに、途中でかなりグロい描写が出てきます。ルカの代わりに納品された死体をサーブするためにオズヴァルトが切り分けるシーンが事細かに描かれるのです・・・ここはやってられんと思って、流し読みしました。本筋にはほぼ関係ないので、大丈夫でした。様々な人が様々な秘密を抱えていました。オズヴァルトも医者のフーも、魔女と呼ばれる女性も、ルカも。まあまあかな。
2025.11.28
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書籍の感想です。今回は「外科医、島へ 泣くな研修医6」です。【中古】 外科医、島へ 泣くな研修医 6 幻冬舎文庫/中山祐次郎(著者)急展開ですが、天野くん、島へ行くことになりました。外科部長からストレートに「お前、島に行かないか」という打診です。外科医はまだるっこしいことは嫌いとのことですが、これはストレート過ぎwしかし、天野は「勉強になるか」と思い、即決です。詳しく聞くと行く予定だった医師が急きょ行けなくなり、代わりの人を探していたみたいです。半年間の短期留学です。場所は離島です。いわゆる医療過疎地というやつですかね。三宅島の近くの小さい島という設定なので、東京からフェリーです。昔、学生の頃に三宅島に行ったことを思い出します。さて、天野くん、着任早々に大変な目に遭います。と言っても、意地悪されたとかそういう事ではありません。天野くんは外科医です。なのに、目の怪我とか、妊婦さんとか、精神疾患のある方とか、そういう人が次々と訪れます。7年医者をやってきて、だいぶ自信もついてきたところだったので、なかなかの衝撃です。しかし、島で医者をやっている瀬戸山はそれを悠々と(?)こなしているのです。天野くんは自分がいかに恵まれた環境にいるかを痛感します。途中で、島では滅多に行わない腹部の手術を天野くんが行うシーンがあります。東京では麻酔師、助手などが万全のバックアップ体制を敷いてくれます。しかし、島では全部自分でやらないと行けないのです。例えば、メスを別の道具に持ち替えるのでさえ、手を出して道具の名前を言うだけで良かったのに、患部から目を離して自分で道具を選ばないといけないのです。めんどくさいというのもあると思いますが、集中力を保つのが難しいだろうなあと感じます。また、島で大怪我をするイコール死ぬということでもあるのです。島では道具も人もそろっていないので、ある一定以上は本島に移送するしかありません。移送には数時間かかかるので間に合わない場合も出てくるわけです。そんな島で出会ったナースの志真に天野はなぜ島に住み続けるのかと聞きます。「生まれた場所だから」という理由以上のものはないのかもしれません。しかし、それは慣れ親しんだ場所ということなのでしょう。天野くんは今回多くのことを学びました。もしかしたら、東京のようなあくせくした場所より離島まではいかなくても地方の方が天野くんには合っているのかもしれません。島での生活はだいぶ充実したものでした。もしかしたら、「帰らない」なんて言う選択肢もあるのか、と思ったのですが、半年後に交代で来たのはなんと凛子でした。誰も来なかったら「じゃあ交代が来るまで」なんてこともあったかもですが、無事帰れることになりました。
2025.11.25
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書籍の感想です。今回は「銀座「四宝堂」文房具店2」です。銀座「四宝堂」文房具店(2) [ 上田 健次 ]素敵な文房具店、四宝堂シリーズ第2巻です。今回は結婚して海外に行く娘から両親に向けた単語帳を使ったプレゼント、クラスになかなか馴染めない文房具大好き女子高生が四宝堂で職業体験をする話、定年退職する日を迎えた平社員の話、良子と硯の出会いの話、美術監督として活躍する男性と色鉛筆の話です。どれも素敵な話ですが、職業体験の話は好きです。クラスの人気者の男子、瑛太と一緒に行動するのですが、陽キャの典型のような彼を陰キャな春菜は苦手意識を持っていました。しかし、「特設催事場の商品の入れ替え」というアイデア出しからPOP制作、レイアウトなどを春菜一人では難しかったでしょう。瑛太の物怖じしない正確とリーダーシップ、それに春菜のセンスと文房具の知識が噛み合って一つの催事コーナーが完成したのです。春菜はその中で自分が我慢しすぎていたことに気付き、瑛太と対等に話せるようになりました。教室でもうまく立ち回れるようになると良いね。ただ、毎回ですが、煽りが強過ぎる(笑)裏表紙のあらすじに「いつまても涙が止まらない、感動の物語」とまで書かれています。いや、涙は出ないです。「良い話だなあ」としみじみ思います。そんな作品です。
2025.11.24
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書籍の感想です。今回は「火狩りの王3 牙ノ火」です。火狩りの王〈三〉 牙ノ火(3) [ 日向 理恵子 ]この小説の世界はどこまでも汚れています。世界は黒い森に覆われ、残された地域は結界で守られていますが、そこも工場から吐き出される毒で若いうちに亡くなってしまいます。それでも、人々は争うことをやめません。かつて神の一族から森に追放された蜘蛛の一族は、全ての者が罹患している火が近くにあると燃えてしまうという病を虫の毒で克服できるようになりました。その力で自由に生きれば良いだけのはずですが、自分たちを追放した神族に復讐するべく、首都に攻め込んできます。神でも人でも近寄れば発火してしまう自然の火を携えて。当然、争いは避けられませんが、神族がまともかと言えばそうとも言えず。人を使って実験を繰り返し、人とは呼べないような姿をした者を次々と生み出しているのです。また神族の中でも意見が合致しておらず、主導権争いが激化します。そんな中で翻弄される煌四や灯子。お互いを心配して安全と思われる場所に残して動く、しかし相手のことを心配して探しに行くということを繰り返してしまいます。この辺はもどかしいですが、思いやるからこそ別れ、また探すということなんですよね。ちなみに揺るる火、千年彗星と呼ばれる存在は見た目はか弱い女の子の姿でした。生み出された、と言っているので人工的な存在、つまり機械なのかもしれませんが、少なくとも見た目だけなら、世界のために狩って良い存在には見えません。明楽は出会ったらどんな選択をするのでしょうか。というか、この世界に救いはあるのでしょうか。滅亡という未来しか見えないのが少し辛いです。さて、次巻、どうなることか。
2025.11.22
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書籍の感想です。今回は「暁花薬殿物語5」です。暁花薬殿物語 第五巻(5) (富士見L文庫) [ 佐々木 禎子 ]秋長を失い、信頼できる仲間を減らした帝と千古。入れ替わるように信濃から鬼姫と呼ばれる姫が入内してきます。彼女が仲間なら良いのですが、イマイチ掴みきれません。とはいえ、今まで蹴落とす敵だと思っていた女御たちとの関係が少しずつ良くなっているところが良いね。千古が変わり者と思われているところは相変わらずですが、腹が白いところが好感を持たれるところなのかもしれません。帝の目標が大臣たちを追い落とし、帝と女御たちに政治を取り戻すことというのだから、他の女御ともいがみ合ってはいられません。星宿は良い子ね。明子は最初良い子かもと思ったけど、教養がない上に努力も足りず、意外とめんどくさい子になるかもしれません。ラスト、あれ?これは・・・
2025.11.17
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書籍の感想です。今回は「仕立屋王子の謎解きデザイン帖」です。仕立屋王子の謎解きデザイン帖 [ 栗栖ひよ子 ]念願の大手アパレルブランドに就職できた布川糸。本人はデザイナー志望でしたが、配属は店頭の販売員でした。服飾関係の仕事に就けていることに満足しつつも、デザイナーのへ夢も捨てきれない糸。社内のデザインコンペに応募しても毎年落選し、段々と自信も失いつつありました。そんな時、帰省した実家で亡き祖母のデザイン画を見つけます。糸の祖母はたびたび糸に服を作ってくれていました。その出来栄えはとても着心地良く、着る人のことを良く考えた洋服でした。そのデザイン画の中に未来の糸に向けたまだ未作成のデザイン画があることに気付きます。しかしところどころ掠れていて、読み取れない部分があります。糸は今のモヤモヤした状況を打破するためには、このデザイン画を自分で作り上げることで何か変わるかもと思い、祖母が生前懇意にしていた仕立屋に相談に行くことにしました。そこには祖母がいた頃にいたお祖父ちゃん店主はいませんでしたが、王子と見紛うような美形の男性、紡が待っていたのでした。紡のサポートもあり、デザイン画の謎を解き、洋服を完成させることができた糸は改めて洋服を作る喜びを感じます。そして、紡に頼み込み、仕立屋で働かせて貰うことにしたのでした。2話以降は仕立屋に洋服を作成を依頼してくる方のそのちょっとした違和感からより最適な提案を行う話です。私はコスプレノ話が面白かったです。コスプレしたいので、そのキャラの服を作りたいのに、バックショットの資料がない・・・前面はゲームのキャラらしく派手なのにバックショットは何もないというのもバランスが悪い。依頼者と糸をウンウン悩んでいたところに、紡が出したアドバイスは・・・謎自体は些細なものなのですが、解いた後の終わり方が爽やかで清々しいお話です。
2025.11.15
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書籍の感想です。今回は「いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。」です。いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。 (双葉文庫) [ 標野 凪 ]いつもはひとつの章で一人の方のお話なのですが、今回は5話で5人の人の話でした。睦子さんも含め5人の方が抱える生きにくさ。それは真面目すぎる故だったり、決断できないからだったり、他人の目を気にしすぎだったり。そんな彼女らをドードーの料理は癒してくれるのですが、そろりも生きにくさを感じ始めていました。口コミで人気が広がり、お客様がたくさん来てくれることは良いことなのでしょうが、彼は自分のペースで過ごせないことに段々と辛さが増していき・・・ベーカリーの彼女の決断が一番格好良いです。
2025.11.12
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書籍の感想です。今回は「神様の用心棒 〜うさぎは梅香に酔う〜」です。神様の用心棒 ~うさぎは梅香に酔う~ (マイナビ出版ファン文庫) [ 霜月りつ ]うさぎの月読尊とその用心棒の兎月のお話第3弾です。神使のウサギたちが可愛いです。「ニンジンニンジン」とか言う神使、良いよね。カジリの話は良かったです。怪ノモノを祓う力を持つ是光で今まで祓って来たわけですが、カジリを祓うことができません。では、カジリとは何なのか。死体に柊と鰯を載せておくというのがヒントだったのに最後まで気付きませんでした。「ヨコハマから来た、小さなレディ」という話は怪ノモノも何も出てこないのですが、とても良い話でした。ドルイドの血を引くパーシバルは何度も兎月を助けていますが、ヨコハマから来たリズもパーシバルの姪で同じくドルイドの血を強く残しています。そのため、ツクヨミのことが見えるわけですが、今回の小さな事件の解決には直接は関与しません。しかし、白山姫がツクヨミを見てひざまずく姿は良いよね。パーシバルの計らいも素敵でした。
2025.11.11
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書籍の感想です。今回は「銀座「四宝堂」文房具店」です。銀座「四宝堂」文房具店 [ 上田 健次 ]何度も登録エラーになるとやる気失うよね。小説としてはとても面白く素敵な作品でした。文房具に込められた想い、それにまつわるエピソードが語られますがどれもこれも素敵なお話であり、文房具が繋ぐ思いです。子どもの頃に祖母からプレゼントされた高級万年筆とか、クラブのママからメモしろと渡された手帳とか、部長と副部長の間で交わされる交換日記的な部活の活動記録ノートとか、愛を込めた絵葉書とか、料理人の師匠から教わったメモパッドとか。どれも良いお話でした。
2025.11.10
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書籍の感想です。今回は「悩め医学生 泣くな研修医5」です。悩め医学生 泣くな研修医5 (幻冬舎文庫) [ 中山 祐次郎 ]天野くんが奮闘するシリーズですが、今回は時間を巻き戻して医学生時代ノ話です。研修医の時の話がとても大変だったのですが、読めば医学生も半端なく大変であることがよくわかります。やはり文系の大学生とはまったく違いますね。私は文系の学生だった訳ですが、それこそ寝る間も惜しんで勉強なんて、大学生の時にはまったくやらなかったもんなあ。そう考えると、お医者さんの専門性に対するリスペクトを改めて感じます。それだけ勉強して頑張ったのに、研修医として配属されてすぐはまったく使い物にならないというのだから、すごいものです。入学するのも大変、入学してから医師免許取るのも大変、そして医者になってからも大変な訳です。普通の人とは違う存在なのですね。その中で天野くんはただ暗記するだけじゃなく、医療とは何か、何が自分を突き動かすのかを問い、答えのない問いを考え続けるのです。とても熱くて考えさせられる作品でした。それにしても天野くん、モテナイネwいい人なのに。
2025.11.05
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書籍の感想です。今回は「タタン・タタンの夢」です。タルト・タタンの夢 (創元推理文庫) [ 近藤史恵 ]普段は無口で無愛想なシェフが謎を前にすると鮮やかな推理を展開するというお話です。良くある安楽椅子探偵的な進行なのですが、内容が料理、特にフランス料理にちなんだ謎なので、シェフが思考を発展させて、謎を解き明かす展開は違和感なく読めて良いです。1話は劇団のスターと婚約した男性がお腹を壊した理由は?タルト・タタンというデザートがヒントになっています。他にも不格好なガレット・デ・ロワとか、オッソ・イラティというチーズとかフランス料理にちなんだ謎で楽しいですね。料理も美味しそうだし。ラストの「割り切れないチョコレート」というタイトルのお母さんへの愛に溢れたお話も良いお話でした。
2025.11.03
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