05/05/14 インフィニティがやってきた!



「もう、彼を諦めよう…」
空を見上げて、あたしははき出すようにつぶやいた。
大体、あたしには手の届かない人だったんだわ。
少し自嘲気味に口の端を持ち上げた。しかし、それは顔の真ん中で奇妙なしわを寄せただけだった。

※1 今の彼と生きていく。
ふいに、漠然とした、しかし確かな重みを伴ったそのような考えが脳裏をかすめた。
あたしには大きすぎるその彼と、彼だけに身を委ねて行くのだ。
・・・悪くないわ、きっと上手くいく。
そう思う事で胸の中を駆け回るような想いにあたしは耐えた。
しかしどちらでも上手くいくと思ってはいてもあたしのこころは底なしの沼へと重く沈んでいった。

そのとき見つけた ※2 留学の文字。

それもいいかもしれない、すっぱり気分を変えて、諦められるかもしれない

あたしは、そんな単純な事では行かないだろうという予感を覚えつつも歩みだした。

その時、一度は諦めたはずの、出会った時から始まり、欲した彼が

今、あたしの前に立っている。

それは狂おしいほどの歓喜の中で。
手を伸ばせば届くところに。


※1 今のグライダーのTONIC
※2 川地塾 ですのよ。

と言うわけで(どういうわけだ)

最近はお仲間にもがしがし抜かれて行って、相変わらず天子は振り向いてくれないし。
イマイチテンションが下がり気味。
一度は考えたグライダー購入もとてもじゃないけどまだまだ遠い。
しかし、このまま終わるのもなんだか悲しいなぁ。どうにかなんないかなぁー。
と、考えていた矢先、

「あこちゃん。いい話があるんだけど・・・」

ぱんぱかぱぁーーーーーん!!

その瞬間、あたしの頭上で天使たちが祝福のファンファーレを吹き鳴らしたかと思ったね。

あたしが恋焦がれて、欲しさゆえに毎夜枕を濡らし、むせび泣いた憧れの君。
Infinityの中古が出たと言うのである!!
恐る恐る値段を聞けば、あたしでも手の届く値段じゃあないですか!!
ええ、ええ、日頃の行いが良いのでしょうね。
パラの神様はあたしを見捨てなかったですよ。ありがとうございます。

あたしは狂喜のあまり、今にも踊り出さんばかりにS籐校長の手に手を取って
「もちろん頂きますぅぅぅ~~~~~」
と、叫んだのでした。

しかし・・・先日ショップで会った川地さんに。
こうなったら、グライダーはきっぱり諦めて、技術でカバーだ!!腕磨いて生まれ変わるのだぁ~~と鼻の穴を膨らませて
「川地すぁ~~~ん!!川地塾入れてぇ~ん!!」
・・・と、入塾手続きを済ませたばっかりだったのだけど・・・・(T▽T)アハハ
※後日、訳あって入校はキャンセルしました。


中古で手の届く値段とはいえ、プラスで塾の費用かぁ・・・うーむ。と、一瞬唸ったが、生来金に関しては算段の計れないあたしのするこった。
ま、まぁいいか。
NEWグライダーに、川地塾!それにあたしのこの美貌があれば天下無敵さ!!

生まれ変わり、皆の羨望の的となって飛ぶあたしを想像しつつ、
まだかな♪(・ ・。)(。・ ・)まだかな♪と学○のおばちゃんを待つような面持ちですごしていたある日。

「INFINITYが届きましたよ~」

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

というわけで、天気がイマイチ微妙ではあるが、中学からの友達、「スギ」さんを連れて、意気揚々と朝霧へ。

ショップに預けられ、あたしが来るのを待っていたと言わんばかりに
輝くばかりに微笑みかけるInfinity
ああ、このときを待ちわびたわ、Infinity!!
ひしと抱きつき、感動の再会を果たした。

今日からアナタはあたしのものなのねぇ~~~もう離さないわっ

こうしてあたしのものになったInfinityを抱え、白糸へ行ってみたら、
人いねぇーーーーーーーーー(○口○*)

ナニよ皆、あたしのInfinityさんに挨拶もなし?ぶつぶつ。

ま、とにもかくにもグラハンからやらないとね。。。
風もクロスの立ち上げにはうってつけの強さ。
相変わらず雲が重く垂れ込めているが、時折雲の切れ間から日が差し込み、
日が当たるとちょっとだけぽかぽか・・・( ̄▽ ̄)。o0○ ポアン

さーて、早速・・・

おおおおお。なんかあたし、上手くなった!?
すらぁりと機体が上がってきて。ぴたりと頭上で止められる。
いえ、何のことは無いグライダーの安定性がよく、ちょっと傾くくらいだとすぐ戻るのだ。
調子に乗って何度も立ち上げていると、そのうちフロントを向いて、フルブレークを引くと若干長いような気がして、H木さんに短く詰めてもらう。

さーて、そろそろテイクオフに上がろうかな?と思ったら、講習生がツリーラン。
あたしも救助に向かい、登ったり降りたりでへとへとになって下山。
先にお昼を食べ、見学のスギを連れて今度こそテイクオフへ。

テイクオフの風は、3~4m。結構強い風が吹いている。
吸い上げの要素のあるリッジコンディション。
すでに4~5機が稜線上でソアリングしていた。

今までだったらびびるであろうその強めの風の中、あたしは妙にわくわくしながらキャノピーを広げた。

よっし、行くぞぉー

少し後ろにさがるだけでキャノピーが立ち上がってきた。
いつもはこの瞬間が一番怖いのだが、今日は全く怖くない。プレッシャーがないのだ。
頭上でとめて、振り返ると、いざ前を向いて、地面を蹴った。

きゃほーーーーーーーーーーー!!
あまりの気持ちよさに、我知らずのうちに歓声がでる。

GOGO~♪

まあまあ、落ち着け。あくまで今日はブレイクコードの長さを見たりするだけなんだから。
テイクオフしたものの、あまり上昇できない。いやにあたしだけ低いのだ・・・うーんん。なんか変だな。
スピードも遅い気がする・・・。

そこで、今度はブレイクを全開気味にして飛んでみる。

すると、じわじわ上がりだし、やっと稜線の上まで出れた。
ふむ、どうやらこの機体はブレイク全開気味がいいみたい。
でも、今までのTONICではかなり重めに当てていたので、あまりのブレイクテンションも軽さにちょっとどきどきする。
時々強い上昇に入り、機体がピッチアップするが、修正する前にほどなく揺れが納まる。
ほとんどグライダーの挙動を押さえることがないのだ。
どっしり安定、それでいて回り込むときはきゅきゅっと動く。
ああーなんて素敵なのー♪

しばらく稜線上で粘っていたが、30分もするとあまりの寒さで体が震えだした。
お。おかしいなぁぁ、ちゃんとフライトスーツ着てるのに。もう5月だってのに・・・がたがた。
しかも、短すぎたブレイクコードを中途半端な位置で持っていたために腕がダル~くなってきた。
LDしたいが、下山したスギに写真を撮ってもらう予定になっていたので
降りるに降りられず…


時折片腕ずつ下に降ろして血を通わせていたが、うーん限界!!

スギぃ~~~早くしてぇ~~~~

すると、車で降りていこうとしているのを見て、あたしも直ちにLDへ向かう。
久しぶりに指定地を取ろう!と思ったけど、ちょっとオーバー。

そのあと、 加賀山エアロパーツ研究所 期待の新商品「けろけろかえる君」のプレゼンを受けつつ
画期的?なグライダーの畳み方をおしえてもらい、

はい、終了です(えっ、一本!?)

だって寒いんだもん…雲底低くて今にも雨が降りそうだし。

というわけで、この日を持って、チームINFINITYが結成されました。
メンバーはあたしとH多さんと二人しか今のところいませんが(笑)

INFINITYはいいですよぉ~~~みなしゃん!!
メンバー随時募集中です♪



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