free way

28

煽り：花田と海へピクニックに来た本部。その目的は！？

とある海辺。
本部が水平線を眺めてる。
見開きで海のパンラマ絵。
寂しげな表情をする本部。ヒゲが揺れてる。
本部「この潮風」
　　　「あの水平線」
　　　「俺を悲しくさせるんだよなァー…」
本部の後ろに突然現れる人物。正体は花田！
花田「親父」
　　　「アイスクリーム買ってきたよ」
本部「お」
　　　「すまねェな」
　　　「貴重な等分と脂質…」
　　　「これが無いと冬を乗り切れないんだよなァ…」
ホモっぽい表情でアイスクリームを渡す花田。
しかし、本部の手からスルリと落としてしまう。

ベチャ！！

花田「親父？」
本部「……」
　　　「なんてことだ…」
肩を震わせる本部。泣いてる。
花田「ちょ…」
　　　「たかがアイスクリームくらいで泣くことないだろ」
　　　「新しいのを買うくらいのお金持ってるって」
小銭を取り出して見せてみる花田。動揺して仕草もホモっぽくなってる。
本部「すまねぇな花田」
　　　「ちょっとよォ…」
　　　「落ちたアイスの音を聞いたら記憶が一気に蘇えてしまってな…」
　　　「俺が18の時」
　　　「戦争で支那にいたことがあってな-----------」
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・

　1　9　4　5　年　　ユ　ー　ラ　シ　ア　大　陸　　本　部　亥　蔵　　1　8　歳

若い頃の本部が血まみれの若い女を抱きしめてる図。
本部は軍服を着てる。

若い頃の本部が血まみれの女を抱いて泣いてる。
本部「バカヤロウ…！」
　　　「何でお前が撃たれちまうんだよ！」
悔しそうな表情の本部。
と、女がか細く微笑んで何かを本部に手渡す。
本部が女に手渡された物を見てハッとする。
女「もう…」
　　「貴方は一人じゃないから…」
　　「ずっと…一緒に…」
糸が切れた人形のようにガックリなる女。
本部「～～～～～～～ッッ！！」

12時間前。
深夜、森林。
日本軍の一隊が休憩してる。邦人の難民も一緒にいる。
本部の表情のドアップ。
本部「ったくよォ…」
　　　「弾を好きなだけバラまける連中が相手では」
　　　「さしもの三八式殿も分が悪いと見える」
焚き火をバックに愛銃をまじまじと眺める。
本部「それにしても」
周りを見る本部。
辺りには負傷兵が目立つ。
本部「この有様じゃ難民まで守りきるのは不可能だな」
周りを見てた本部が急にコソコソし始める。
本部「げ」
本部の目の前に女が立ってる。
以下、数ページに渡って女が本部に話しかけてるシーン。
女が一方的に話しかけてる。
最後に「また…」と言って照れながら難民達の方に戻る女。
入れ替わりに仲間の兵士が話しかける。
本部「三井か」
三井「また随分な美人だよな」
本部「そうか」
三井「嫁さんにするならああいう女だな」
本部「人並みの幸せなんて考えたこともねェ」
三井「勿体無いな」
　　　「あんな美人そうはいないぜ？」
本部「………」
三井「しかし残念だが」
　　　「次にお前が見張るのは敵さんだ」
　　　「行って来い」
舌打ちして立ち上がる本部。
木々の中に消えてゆく本部を見送る三井。
三井のホモっぽい表情で引き。

深い森の中を本部が見張ってる。
本部「これで見張れって言われてもなァ…」
退屈そうな本部。
と、背後から炸裂音が！
かまわず急いで戻る本部。

仲間の元へと急ぐ本部の目の前に人影が目に入る。なんと三井。
三井「すまねぇ…」
　　　「先に逝くぜ…」
本部「三井…」
三井「ああ----そうそう」
　　　「先に女は海岸のほうへ逃がしたぜ」
　　　「代償は高かったけどな」
ハハハ…、と笑って頭をガクっと落とす三井。
本部「すまねェ…」
今度は海岸へ向かって走る本部。

深夜の海岸。
海岸に沿ってどこまでも足跡が続いている。
それを追う本部。
だが、途中で倒れている女を発見する。
本部「おい！」
よく見ると服に血がついてる。
焦りに満ちた本部の表情。
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
花田「それで何を渡されたの？」
切ない表情の本部。目には涙が浮かんでる。
本部「チーカマ」
　　　「…………」
　　　「なんだ」
　　　「疑っておるのか！」
物凄い剣幕で怒り出す本部。
花田「だって親父」
　　　「戦後生まれじゃん」
ホモっぽい表情で指摘する花田。
呆気に取られた本部の表情。
と、いきなり笑い出す。
本部「こりゃ一本取られたわい！」
ガハハハ、と豪快に笑う二人のシルエットで引き。

煽り：所詮…本部ッッ！！
コメント：途中で眠くなった。

ジャンル別一覧