MUSIC LAND -私の庭の花たち-

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童話「ベラのペンダント」3

童話「ベラのペンダント」1・2 を読んでから、

3を読んでいただくと分かりやすいと思います。



童話「ベラのペンダント」3

でも、なぜ祖母はこのおくるみのことを

話してくれなかったのだろうか?

2009-01-20 07:39:44

蒼いペンダント以上に、

実の父母の重要な手がかりかもしれないのに・・・

2009-01-21 20:23:27

祖母と言っても、実の祖母ではない。

死んだと聞かされていた父母さえ、

実際には居なかったみたいだから、

義理の祖母とも言えなかったのだ。

母と言わなかったのは、

年齢がいっていたせいもあるのだろうけど。

でも、本当は何者なのだろうか・・・

かえってその方が知りたくなってしまう。

なぜ、実の父母から赤ちゃんのベラを預かったのか?

それとも、どこからか奪ってきたのか?

知りたいような知りたくないような・・・

ともかく、おくるみとペンダントを持って、

このうちを出て、父母を探そう!

当てはないけど、山の向こうの隣国に居るとだけ

祖母は言い遺していた。

行ってみるしかない。

そう思うと居ても居られなくなって、

祖母が残したお金をつかんで、

外に飛び出した。

つつましい生活をしていた割には、

探す旅費の為か、思ったより残されていた。

でも、どれぐらいもつだろうか。

それに、年端もいかない少女が一人で旅するのも不安だ。

サロは早く旅立てというけれど、

希望と不安が葛藤する。

ベラは一人途方に暮れ、

空を見上げていた。

もう日が傾き、雲が赤く染まっている。

今日はもう旅立てない・・・

なぜかホッとしてしまった。

明日こそ旅立とうと自分に言い聞かせ、

早く眠りに就こうとするが、

頭が冴えて、寝られない・・・

考えれば考えるほど分からない。

考える材料さえないのだ。

ともかく寝ようと布団をかぶった。

あのおくるみもベッドカバーのように布団の上にかけてみた。

なんとなく、母親に抱かれているような安心感がある。

その夜、不思議な夢を見た。

天使のような子ども達が、ベラを誘導する。

2009-01-18 23:04:34

私を祖母の待つ天国に連れて行ってくれるの?

マッチ売りの少女か、フランダースの犬みたいに・・・

なんて、私はまだ死ぬわけにはいかない。

せめて実の父母と会うまでは。

そして、祖母が何者か知るまでは・・・

そう思うと、天使は遠くに飛び去り、

山を越えて行った。

やはりあの山の向こうへ行けということか?

自分もいつのまにか空を飛び、

山を越え、天使に追いついていた。

そしてその眼下に広がっていた風景は、

貧しいこの国とは全然違う華やかな世界だった。

金色に輝く小麦畑に、美しい石造りの建物。

そして丘の上に建つきらびやかな宮殿。

遠目から見ても、贅を尽くした造りとわかる。

なぜか初めて見たとは思えない。

いつか見たとしても、赤ん坊が覚えているわけがない。

もしかしたら前世の記憶なのかも・・・

そんなことを考えているうちに、

目が覚めて、夢だと気がついた。

この夢を見た今日、出かけよう!

正夢になるかもしれない。

そう思ったら、不安も薄れ、

慌てて旅支度を始めた。




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