MUSIC LAND -私の庭の花たち-

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童話「ベラのペンダント」4



子供向けではないのですが、

物語という意味で童話と言わせてくださいね。

なんて久しぶりに続きを書くので、

良かったら、今までの 1・2 ・3の話を読んでみてください。

3には、1・2からリンクで飛べます。



「ベラのペンダント」4

ベラは夢から覚めると

荷物をまとめて背負い、

祖母が遺した金貨を皮袋に入れ、

両親の手がかりだという

碧く光るペンダントを首に下げた。

そして多分祖母が自分を連れて来たときに

包んでいたと思われる

2009-01-20 07:39:44

絹の色鮮やかなおくるみを肩に羽織った。

ベラの荷物はただそれだけ・・・

着物も大してないから、

背負う荷物も重くない。

少女のベラにはそれで十分だった。

ただ、育ててくれた祖母の温かい思い出と

「両親を探して幸せになれる」との

言葉だけが自分を支えてくれていた。

夢の天使が導いてくれた

あの山の向こうの隣国へ行ってみよう。

夢で見たように、黄金に波立つ麦畑や

石造りの町並みの先に

丘の上の宮殿がそびえたっているのだろうか。

不安にかられ、旅立つ気力が無くなってしまいそうだが、

勇気をふりしぼって、今日こそ出かけるのだ!

隣家のサロに別れを告げ、

ベラは一人旅立った。

サロは見送っていたが、

ベラは振り返らなかった。

ただ、後手を振っただけ・・・

最後まで子どもらしくないと思いつつ、

サロも思わず涙ぐんでしまった。

小憎らしい子と思っても、

小さい頃から見守ってきたのだ。

あのおくるみに包まれて連れて来られた日から。


ベラはもう後ろを振り向かないと決めた。

その決心の表れがサロとの別れだ。

あの山を越える時、関所がある。

それを通過できなければ隣国には入れない。

少女一人で通してもらえるものだろうか?

「続き」


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