「頼むぜ、嫁さん!」7


2003年10月20日  ~ちょっと小説風今朝の出来事~

いつものように、けだるい朝。
暗闇の中から、かすかに声が聞こえた。

「起きて、、、、起きて!」

俺はどこかわからない、暗闇に1人いた。
その暗闇とは正反対な透き通った声。
その声のお蔭で俺は目を覚ます事ができた。
体にかかった100Gという重力から
イッキに開放されたのは、目を開いた瞬間。

体が急に軽くなった。

勿論、目に映ったものは嫁さんである。
結婚して9年経つ今でも変わらぬ美しさ。
いや、むしろ今のほうが昔よりも綺麗だ。
俺はその9年間毎日が一目惚れ状態である。

「今日は私も仕事だから早く起きて」

その言葉で俺の脳の伝達スピードは加速した。
嫁さんが仕事の日には、まず嫁さんを職場まで送り、
その後娘を学校に送り、それから自分の学校に行かなくてはいけない。

「おはよう」

そういってベットから慌てて起き上がり、支度をする俺。
コーヒーを飲む時間すらなかった。
いつものバニラコーヒーの豆を挽くあの匂いが恋しかった。

慌てて嫁さんを送り、いつものように娘の学校に行った。

しかし、なにかが違った。
いつもは、車を停める所がない路上駐車の嵐。
今日は雨だったのにもかかわらず、ガラガラである。

傘を娘に渡し、
「早く行こうか」

そういって向かった学校のフェンスにはチェーンがかかっていた。
その時、俺の脳裏に浮かんだものは、、、、

「学校休みじゃね~の?」

その予感は的中。

こら~~嫁さん!今日アイリの学校やすみだぞ~~!!
俺も学校いけねぇ~だろ~!アイリ1人で留守番させれないし!ちゃんとスクールレター読んでくれ!
仕方なく学校休んだ俺。

そんな今、嫁さんは何も知らず働いている。
コラッ!頼むぜ、嫁さん!




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