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tajim

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Jan 13, 2006
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先日見るともなしに見ていたドキュメンタリー番組。
1990年のある日の早朝のこと。イギリス北部のある団地で、ある一家がぐっすり眠っているところを突然警察の手入れによって起こされる。泣き叫ぶ4人の子供とパニックになる母親。両親は警察に連行され、子供たちは別々にソーシャルワーカーに連れて行かれる。容疑は「悪魔信仰による子供虐待」。

事の始まりは、その一家の子供の一人(当時5歳)がやたらお化けを怖がって授業に差し支える、という学校からの届出だったらしい。親の養育能力を問う地域の民生委員のような役割を果たすソーシャルワーカーが子供をインタビューし、家庭での養育に問題があるとした。それにとどまらず、他の子供達もインタビューした上で、その家庭では悪魔信仰の儀式が行われており、子供達はその犠牲になっている、という驚くような判断を下したのだと言う。

その判断に従って警察は両親を逮捕した。下は3歳から上は10代までの子供達は別々な部屋に閉じ込められ、ソーシャルワーカーによる取調べを受ける。「悪魔信仰」の証拠を子供達の口から聞き出すことが目的だった。決まりだったらしく、当時の取調べの様子はすっかりビデオで残っていた。
3歳の子供にソーシャルワーカー達は「お化け」に関する質問を繰り返す。「そのお化けは痛いことをするの?」「もし抵抗したらお化けは何をするの?」早朝に叩き起こされた上に親兄弟と引き離され、恐怖から泣き叫ぶ子供に「質問に答えたら家に帰してあげるから」と執拗に質問を続ける様子はプロっぽくはなかった。年上の子供には性的虐待についての質問が繰り返された。「どうやって赤ちゃんが出来るか知ってる?」「男性の生殖器をなんて呼ぶか知ってる?」どうやら、悪魔信仰では子供を妊娠させて胎児を食べる、という儀式があり、その事実を子供から引き出そうとしているようだった。もちろん性的虐待を裏付けるための身体検査もあった。

ビデオで見る限り、子供の返事は「お化けは夢の中だけ」「何のことか分からない」等、儀式も虐待も全く否定するものばかりだった。身体検査からも何の証拠も得られなかった。でもソーシャルワーカー達は子供達の「夢」や「お化け」に関する証言を曲解し、悪魔信仰の儀式が行われている証拠だと決め付けた。さらに子供の一人が、(たぶん夢の中で)お隣のリサが一緒にいた、と証言したことで、取調べは団地の他の家にも波及した。最終的には4家族12人の子供が取調べを受け、なんと10年以上の間、親子離れ離れの生活を強いられることとなる。

もちろん、悪魔信仰なんていう事実はなく、子供虐待も全くなかった。一人の子供が異常にお化けを怖がっていた、というだけのこと。一体どこをどうしたらそんな荒唐無稽な話になるんだろうと不思議に思うが、どうやら当時アメリカで悪魔信仰による事件が増えていて、ソーシャルワーカーたちが「こんな傾向に注意」というガイドラインを貰っていたというような背景があったらしい。疑心暗鬼とはまさにこのことで、「悪魔信仰」に特に気をつけようという思いから、ないものまであるように見えてしまった、というだけのことらしい。

それにしても、1990年なんてそんなに大昔なわけでもない。70年代のカルト映画なんかには、この悪魔信仰や新興宗教をテーマにしたものが多い。「ローズマリーの赤ちゃん」とか、「Wickerman(邦題が不明)」なんかが思い出される。実際にそういう宗教がはやったという話(本当かどうかは不明)も聞く。でも、この悪魔信仰の話、やっぱりテレビの見すぎでは?と思わずにいられない。犠牲になった家族がかわいそうで仕方ない。成人した子供達は「あのソーシャルワーカーたちの取り調べこそが虐待だった」と証言し、現在裁判を起こしているということだ。





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Last updated  Jan 14, 2006 02:15:16 AM
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