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ソファ 封神演義番外編25
ソファ
「ここまで不幸かわしの人生……」
太公望は、自分の人生はいったい何だったのかと考える。
生き延びるため、肉体を失ってしまった自己の不利を克服するために、凄まじいスピードで開き直りながら、それでも納得のいかない部分はある。
だが、まあ、いいかとも思う。
肉体がなくては何事も始まらぬどころか、すべてが気泡と帰す。すべてだ。しかし今なら――この王天君と手を合わせることさえすれば、まだ間に合うのである。己れは変容するが、少なくとも何かは残る。
これは策略なのである。
数多の軍を動かし、人間の命を、仙道の魂魄を非情にも戦に投入してきたこれまでの闘いと同じなのだ。己れの生命すら手駒、それが戦。死ぬも生きるも、結局は戦闘の只中でしかないならば――ならば今は、生き残る方を選ぶ。
(父上、母上――)
申し訳ない、と思いかけて、ふと苦笑する。
その父と母ですら、本当の両親ではなかったのだった。自分は幼くして亡くなった羌族の統領の息子、呂望の身体を得て生き延びた「王奕」の半身でしかなかった。そして、今度は王天君の身体を利用して、生き延びる。しかし彼は「望」である。羊飼いであろうが仙道であろうが、望は今まで望でしかなかったし、これからも望である。
では生き延びるとは何だろう。何のために生き延びるのだろう。そして、変容とは何だろう。
(目的のため? ……違う)
それとは違う気がする。そんなにも安い、たった一言の便利な言葉で人間の、少なくとも人間として生きようとしてきた者の決意があらわせるだろうか。
太公望はゆっくりと、鏡に向かって手を差し出した。
鏡の向こうの王天君が嬉しそうな貌をする。この男でも、こんな表情が出来たのかと少し可笑しく思う。
「ま、よろしく頼むぞ。これで、おぬしとわしは運命共同体というわけだ」
………憎しみを捨てるときが来たのかも知れない、と思う。
保ちつづけなければいけないものと、捨てなければいけないものがある。それを太公望は良くわかっている。
誰しも綺麗なままだけで生きていければ、どんなに良いだろう。
紺青の空だけを見上げて。白い翼だけを求めて。
……自分が、本当は心の底でずっとそう望んで来たように。
武成王を殺した。
玉鼎真人を殺した。
黄天化を殺した。
十二仙を殺した。
大切なものをほとんど失って、それでも、生きてゆくだけの闘志が萎えない。愚かで浅ましいことだが――まだ一番大切なものは失っていないという証拠でもある。
這いつくばって。
この世で一番汚いことを抜けぬけと実行にうつして。
卑怯者と呼ばれて。犬にも劣ると罵られても。
(わしは生きるのだ)
(武成王。玉鼎。普賢。天化)
(すまぬ。しかし死んで詫びてはやれん)
(………生きてやる)
触れ合った指先から、光が満ちた。
―――光。
王天君と眼があった。
そういえば、自分と面影が似ていないこともない。同一人物というのもあながち嘘でもないか、などと呑気に思ったりした。
「……おぬしは、わしを、自分のなかの光を映す鏡だと言ったな。そしておぬしは、わしのなかの闇を映す鏡だと」
「言った」
低い声が答える。
太公望とは別種の孤独に耐え抜いてきた男の、諦めに満ちた声だった。だがこの男とて、まだすべてを諦めているわけではない。太公望とひとつに戻りたいという、まだ一つだけ残された望みがある。太公望のなかに、急に深い哀しみにも似た愛おしみが湧き起ってきた。
まさに同種の者であった。そのことが、今さら分かったのだった。
深い遠い光のなかで、触れ合った掌から自分のなかの何かが溶け出してゆくのを感じながら、太公望は微笑していた。
「……のう。おぬしとわしは、まさに鏡だったな。同じものを片方は愛して、片方は憎んだ」
王天君も、少し笑ったようだった。
「オレは妲己に縋った。早い話が壊されたんだがよ、それはいいんだ――たとえ策略でも、あの時あの女の情愛はホンモノだった」
「そして、わしは妲己を憎んだ。それがわしの、唯一の生き延びる術だったからだ。おぬしが、そうしなくては金螯で生きてゆけなかったように。まったくあの女は……」
「ま。すげえ奴なのさ」
あっさりと言葉を奪われて、太公望は肩をすくめる。
殺戮と争乱を至上の喜びとする狐の化生を、愛する者と憎む者がいる。価値基準は一つではない、常に。長いソファの端っこと、その反対の端っこに座る者同士――これから何が起こるというのだろう。
すべてはこの光の向こう。
(のう、わしらは沢山悪いことをしてきたのう)
――知らねえよそんなの。
(夢だったら、いいのにのう)
――都合のいい夢ばっかり、見てんじゃねえ。
(指導権はわしに譲れよ。まだやることがある)
――好きにしろ……もう疲れた……
太公望は眼を閉じた。
溶けてゆく……ほどけてゆく。
沢山の問いが生まれては泡と消えてゆく。
存在とは何だろう。何故生まれて来たのだろう。何をしに、こんな処へ来たのだろう。何かがもう少しで見えてきそうな気がする。
ああ、羊水に漂う赤子のような心持ちだ。
生まれて来る一瞬前、誰もがこんな気持ちだった。まっしろな心だった。善も悪も同じところにあって、どちらの区別もせずに大切に抱きしめていた。かつては緑に溢れていた母星の夢を見、母たる者の鼓動にあわせて生命の歌を歌い、
(しかし母星とは何のことだ?)
いのちのうたを、うたい、
この世で一番汚いことを抜けぬけと実行にうつして、
卑怯者と呼ばれ、犬にも劣ると罵られ、
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幾度も「器」を替え、
人殺しとなってまで、
――――それでも大切な「これ」は何と呼ぶのだろう?
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すべては、この光の向こう。
最初のひとよ、と呼ばう声が聴こえたような気がした。
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