えがおの時間

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意識回復リハビリ2




●ROM(関節可動域訓練)

徐々に意識が覚醒してくる。

全然、力が入らなかった手足に力がかえってきてしばらくすると、今度は拘縮が心配になってくる。

病状がたいへん厳しい急性期を過ぎると、リハビリの先生(理学療法士)の方が集中治療室にも来てくださるが、急性期の病院では、積極的なリハビリをしているところは少ない。

脳神経系の急性期治療において国を代表するこの病院もリハビリは週3回、1回30程度。意識障害のある患者の場合は、たいて拘縮を防ぐリハビリが主体。

ROM(関節可動域)訓練とよばれるもので、関節が動かなくなっていくのを防ぐ、あるいはすでに動かないところを柔らかくする。

日本の標準的な急性期の病院は、脳外科的な技術は優れていても、特に夫のような意識障害のある患者のための積極的なリハビリは、行われないことが多い。

今後の回復のことを考えると、体調が許すかぎり、できるかぎりの積極的なリハビリを早期にタイミングよく行っていったほうが良い。

リハビリについては、リハビリの先生が病室に来てくれる頃に病室にいて、見ながら教えてもらって家族もできるようになるといい。
私は仕事があるので、平日、リハビリの先生の時間にあわせて一度、ROM訓練を見させていただいたが、もっときちんと勉強して間違いがないようにしたほうが良いと思ったので、以下の本を購入した。


動画で学ぶ脳卒中のリハビリテーション




●状態に合わせた刺激

少しずつ状態が改善してくると、一人一人の違いに対応したリハビリが効果的だと思う。

夫の場合、なかなか呼吸器がはずせなかった。呼吸器離脱をめざし、横隔膜など呼吸に関係のある胸の筋肉をきたえるため、腕の曲げ伸ばしを重点的に行った。

これは看護師さんが教えてくれて、看護師さんらは体位交換のときなどにしてくださり、私自身は面会時に行った。



●意識があるかないか

これまで文献、論文などに書かれていたことから、「意識がない」と思われる患者でも、かなりの人が実は、周囲で話されていることなどが聞こえている。


聴覚は最後まで残ると言われている。

夫の場合も、最初の自発呼吸すらしていないときから、音で刺激を与えつづけ、明らかに、声や音楽に反応している様子が認識された。


何ヶ月もの意識障害ののち、意識を取り戻した患者が、以前に自分のベッドサイドで話されていたことを覚えている。
つまり、常に意識がないのではなく、覚醒するときがときどきあったり、意識があるのに反応できない状態だったりする。

そういうことを考えると、「意識がない」ようにみえるだけで、何も刺激を与えないことほど、もったいないことはない。

意識がないように思えても、患者の負担にならない程度に、できるだけいろいろな刺激を与えてあげることが、後々の回復レベルに影響すると信じている。


意識レベルの国際的なスケール(レベルを表す評価方法)があるが、必ずしもあてはまらない。それよりも、目の前にいる患者の様子をいつもしっかり観察して、何がわかるのか、何ができるのか、をよく知って、できるだけ、可能性を伸ばすような刺激、リハビリができれば、ベストだと思う。

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