SHANBOBA とばそ♪

SHANBOBA とばそ♪

笑った・・・!


それって母親としての幸せを感じる瞬間だよね。」こんなことを言われた。
しかも赤ちゃんは、時々「おいしいよ!」て顔してニッコリ笑うんだそうだ。
ショックだった・・・!
お乳の時間、とぉくんは私の顔を見ることはなかった。それどころか、私は とぉくんと目があったことがほとんどない!
とぉくんは、いつもどこを見ているのか分からなかった。焦点が合っていなかった。


頭の中でモヤモヤしていた言ようの無い不安が、だんだんと大きくなってきた。
本当はずっとずっと気になってはいた。でも、考えないようにしていたのだ。


どうして、この子はあやしても笑わないんだろう?

どうして、この子は私を見てくれないんだろう?

いったい、どこを見ているんだろう?

いったい、何が見えているんだろう?


だけど口に出して言えなかった。口に出すのが怖かった。


主人にも、相談できずにいた。
母親と違い父親は、他の子供に接する時間が少ない。他の赤ちゃんと とぉくんとの違いを感じる機会がない。
主人は とぉくんが可愛くて可愛くてしかたがないといった感じで、あやしても笑わないことなんか、ちっとも気にしている様子はない。
主人には、そのまま「うちの子が一番!の子煩悩なお父さん」でいてほしかった。
私の不安を打ち明けて、主人を嫌な気分にさせたくなかった。
それに私だって「明るいお母さん」でいたかった。
とにかく嫌なことを深く考えるのはやめよう!不安な気持ちが膨らんできたときには、いつも自分にそう言い聞かせていた。


その不安が一気に吹き飛んでいく、嬉しい出来事があった。
家族3人でショッピングセンターに買出しに出掛けたある日のこと。
休憩がてら立ち寄ったキッズコーナーで、男の子がとぉくんに向かって、なにやらポーズを決めてきた。年は5歳くらいだろうか・・・
ひとりブツブツとセリフを言っては、戦闘ヒーローの決めポーズだろうか、それとも何かの踊りなのだろうか?

目の前で動き回る男の子を見て、とぉくんはしばらく固まっていた。


そして突然、顔を真っ赤にして笑った!そして倒れた!!


今まで笑ったことがないせいか、頬の筋肉は引きつり、鼻の下は伸びていた。
すっごく変な顔!!
その顔を見て、主人と私は大笑い!
もう、おかしくておかしくて、嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
笑っていたら涙がでてきた。

初めての笑いが、私達親に向けてじゃなかったのは残念だったけど、でも、そんなことはどうでも良いくらい嬉しかったし感動した。
その光景は今でも、まるでスローモーションのように、私の頭の中に残っている。
初めて とぉくんが寝返りをうった日も、歩いた日のことも忘れちゃったけど、初めて笑ったその日のことは一生忘れることは無いと思う。
とぉくん、生後11ヵ月19日の出来事・・・


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