SHANBOBA とばそ♪

SHANBOBA とばそ♪

パニックとの戦い


特に外出には苦労していた。
とぉくんは 家の外に出ることに恐怖感を持っているようで、私が玄関に近づくだけで半狂乱になって騒ぎ出す。

玄関に近づくだけでパニックになるのだから、、、いざ外出となると そりゃぁもう悲惨・・・(TT)
とぉくんは家中のありとあらゆる物を叫びながら集めだす。
皿たて、目覚まし時計、写真たて、ビデオ、洗濯バサミ、懐中電灯、空き缶、ボールペン・・・台所スポンジ。
特にそれらがお気に入りの物~という訳では、なくて!!
とにかく家の中で目に付いた物ならなんでもいいって感じで・・・性質が悪いっ。
キーキー泣きながら、かたっぱしから集めだし、それらの物を持ったところで ようやく外出できるのだ。
多いときで、スーパーのビニール袋3袋!
しかも玄関から先は腰が抜けて一歩も歩かない。

仕方なく私はスーパーの袋3袋のガラクタを持ち、とぉくんを抱く。
ところが とぉくんは、抱かれても自分でバランスを取らない。私の体に手を添えることもしない。それどころか反り返る。
もう、たまらん~~~~(><)ヨレヨレ・・・

とにかく大変だったので、極力外出は控えることに。
でも、いつまでもこんな状態からは抜け出したいし、どうしても済ませたい用事もある。
そこで、外出用にこんな写真カードを使うことにした。
写真カード.JPG写真カード サークルK.JPG写真カード 薬局.JPG
たとえば、コンビニに行く場合。
家を出る前に「車で、サークルKに行くよ。」とそれぞれの写真を見せる。
そして到着したら、写真と同じ角度からサークルKを見る。

それを、何回か繰り返した ある日のこと。
到着すると、、写真と実際の店舗を照らし合わせ「うお~~○△※~~~!!」と興奮する とぉくん。
カードの意味が解ったようだ!
「そう、そうだよ!同じでしょ!とぉくんは、ここに来たんだよ!」
私も一緒になって興奮した。やっと、やっと、とぉくんに伝わった。コミニケーションが取れたのだ。


家では療育教室の先生のアドバイスを参考に、私達夫婦は大げさなジェスチャーでの会話を始めた。
主人に向かって「お父さん、そこのペン取って」と、ハッキリとしゃべりながら大きく指差す。
とぉくんが泣いて叫んだときには「あの、おもちゃが欲しいのかな?」とおもちゃに向かって大きく手を伸ばしてみせる。
欲しい物があるときには欲しい物に向かって手を伸ばす。そういう行為を教えるためだ。

また、牛乳を注ぐときには牛乳とコップを私の顔の前に持ってきて ゆっくりと注いだ。
とぉくんの大好きな牛乳は、こうして お母さんが注いでいるんだよ。
お母さんの顔を見てごらん!
次に牛乳が飲みたくなったら、お母さんに頼んでね!!
たくさん注いであげるよ!

次第に、効果が出てきた。
とぉくんは、牛乳が飲みたくなると私の手を引っ張って冷蔵庫まで連れて行くようになった。クレーン現象だ。
そう!そうだよ!!泣き叫ばなくても、お母さんに頼めば欲しい物が手に入るんだよ。

扉を開けたくなったら、扉を叩いてごらん。お母さんが開けてあげるよ。
しゃべれなくても良いんだよ。指を差してごらん。お母さんが気づいてあげるよ。
気持ちが通じるって嬉しいね。ね、そうでしょ、とぉくん。


この世界のことが、よく解っていない とぉくん。
自閉症の人にとって『この世界は宇宙人に無理やりUFOに載せられて、どこだか解らない、何をするのか解らない場所に
連れてこられたのと同じこと』と何かで読んだことがある。

ねぇ。とぉくんも、そんな風に感じてるの?
そりゃあ、恐怖だねぇ。怖いよねぇ。どうしていいんだか、訳が解んないよねぇ。
でもね、大丈夫なんだよ。。。怖くないんだよ。。。お母さんと一緒なら、怖いことなんて ないんだよ。
まだ とぉくんには理解できないかもしれないけど。
少しづつ。少しづつ、でいいから。通じてほしい。感じてほしい。解ってほしいよ。
カードの意味も。言葉の意味も。この世界には楽しいことがたくさんあるっていうことも。
そして、いつも横には母親が寄り添っているっていうことも。


© Rakuten Group, Inc.
X

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: