SHANBOBA とばそ♪

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鬱病?・・・私が?



ネットなどで見れる、鬱病チェックと同じような質問でした。

「夜、眠れないこと」「一人になると涙が止まらないこと」

でも、「特に悩んだり落ち込んだりはしていないこと」を伝えました。


「幸せと感じますか」「将来に希望を感じますか」「マイナス思考になりますか」
そんなような質問がありましたが、私は「よく、分からない」と答えました。

直感で答えてください。と言われたのですが、何も思い浮かばなかったので
「分かりせん」と答えました。


それから自分の性格を聞かれたので
「私は人よりも強い心の人間だ」と、強調した覚えがあります。

今、思うと・・・強がっていたのだと思います。


問診が済んで、しばらくすると診察室へ入るようにと名前を呼ばれました。

私は緊張して、恐る恐る診察室を覗きました。

目の大きなキレイな女性のドクターが「こちらに座ってくださいね」と優しい声で言いました。

ドクターは、先ほど答えた問診票を見ながら「眠れないの?いつから?」と
更に詳しい質問を、ゆっくりゆっくりしていきました。

「過去に、今と同じような状態になったことは、ある?」

「はい。父が亡くなった時に、ありました。あと・・・主人の実家で同居していたときも。」

「その時は、病院に行ったの?」

「いいえ。半年くらい引きこもりになったけど。耐えていたら、自然に治りました。」

そんな風に受け答えをしました。


するとドクターが「すごい。自分で治しちゃったんだ。頑張ってきたのね。」と言いました。

その「頑張ってきたのね」という言葉を聞いたとたん、私の中で何かがプツリと切れた気がしました。

そして自分でもビックリするくらいの勢いで、ワンワンと声を上げて泣き出してしまいました。
こんな風に人前で泣くなんて初めてです。しかも今日、会ったばかりの人の前で泣くなんて・・・

泣いている自分が信じられなくて、何が起こったのか よく分かりませんでした。

とにかく涙が止まらなくて、せめて声を抑えようと思うのですが、どうにもならなくて・・・

「ウエン・・・ウエン・・・」と、しゃくりあげながら泣きじゃくってしまいました。

泣いている間先生は何も言いいませんでした。

私が泣き止むのを、ただ黙って待っていてくれました。

ひとしきり泣いた後、私は急に恥ずかしくなってしまいました。

「ごめんなさい・・・」と、照れ笑いして先生の顔を見ました。

先生は、静かに微笑みながら「いいの。泣いても、いいのよ。あなたは頑張ってきたんだから。」

「頑張りすぎてね、だいぶ疲れちゃったのね。それで、あなたは・・・・


 鬱病という病気になっちゃったのよ」と言いました。



・・・・・・鬱病?



自分の精神状態が変だと自覚して、精神科に来たというのに・・・私の覚悟は足りなかったようです。

自分が「鬱病」と聞いて、ものすごいショックを受けてしまいました。


私は、どれくらいで治るのかとドクターに質問しました。

「一般的に、鬱病は、鬱を発症してから治療を開始するまでの日数の3倍の日数を治療に要する」

つまり、鬱病を発症して一ヶ月経過してから病院に行った場合は、その3倍の3ヶ月が完治までの目安。

そのようにドクターから説明を受けました。


私が苦しくなったのは1週間くらい前からだから・・・

1週間の3倍、3週間くらいで治るということになります。

しかしドクターは「苦しくなったのは1週間前からだろうけど、本当はもっと前から
貴女は鬱病になっていたはず。」と言いました。

「心に出る前に、体に出ていたはず。心当たりは、ないかな?」と聞かれました。

「手のしびれとか、生理不順とか?それのことですか?そういう症状は春からありました」

その症状が、鬱病の初期症状だったようです。実は私は半年前から鬱病になってたらしいのです。

「だから完治までには、1年半か・・・2年くらいは掛かっちゃうかもしれないなぁ。
 薬を減らすのに時間がかかるから2年だけど、実際はもっと早くに良くなっていくと思うから
大丈夫。安心して。とにかく、貴女は十分頑張ってきたのだから、、、もう無理しないで。
ゆっくり休みましょう。」

「でもお子さんが小さいから、家ではゆっくり休めないよね。
 本当は入院してほしいの。それが一番いいと思うんだけど・・・」

入院!!??

「それは絶対に無理です。うちの子は障がいを持っているので、安心して子供を預ける先がありません。
離れたら余計に心配で気になって、休むことが出来ないと思います。」

「そう。じゃあ、入院は無理として。とにかく休めるときには、ゆっくり休んで。手抜きできるところは手を抜いて。」


「とにかく頑張りすぎないで」そう、何度も念を押されて・・・一回目の診察は終わりました。



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