その2  



光の世界に、行ったことがあります。
そこは、暖かい光に満ちた世界でした。
すべてが光に包まれているので、人の姿はほとんど見えません。
物質としての体は、ここにはきっとないのでしょう。

ここで、わたしは何かをして働いています。
誰かのために、何かをしているのですが、
わたしの働きに対して、すぐに感謝の気持ちが
跳ね返ってくるのがわかります。
それが嬉しくて働いているのですから、
わたしのために働いているとも言えます。

わたしは、確かにわたしなのですが、
決定的に普段と違う点がありました。
光の世界にいるわたしには、この世的な欲が、まるでなかったのです。
起きているわたしには、当然、人並みな欲望というものがあります。

とてもとても長い時間、わたしは光の世界で幸せに働いていました。
ところがある瞬間、突然気がついたのです。
「帰らなくては・・・。」

こう思ったのと同時に、わたしは下へ下へと落ちて行きました。
灰色の雲の中を、どこまでも落ちて・・・。

落ちて行きながら、わたしがいつもの自分に戻って行くのを
見つめていました。
ひとつひとつ、いろいろな欲がわたしにはりついて、
すっかり元に戻ったその時、
ドシンと自分の体の中に落ちて、目が覚めました。



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