その4




私は、1992年に風疹にかかりました。
当時まだ幼かった甥っ子を抱き上げて遊んだことによって、
うつってしまったようです。
大人のわたしにとって、これはかなり辛いものでした。
40℃近く熱が出て、一時は塩味がわからないくらいに
消耗してしまいました。

熱の峠を越してからは、今度は薬疹に悩まされました。
わたしは生後3ヶ月で肺炎を患い、この時は
抗生物質のペニシリンで一命をとりとめました。
それなのになぜか、成人してからは抗生物質を飲むと
薬疹が出るようになってしまったのです。
一生分をもう使いきってしまったのかもしれませんね。

ということで、熱が下がってからも、
かゆくて眠れませんでした。
食欲もありませんでしたから、はからずも
なにかの修行をしたときのようになっていたかもしれません。

夜明け頃、もう無理をして眠ろうとするのはやめにしようと、
目を開けました。
腕を掻くために、ふとんから手を出してみると・・・
そこに今だかつて見たことのない不思議なものが見えました。

腕全体から、黒い無数の糸のようなものが出ているのです。
腕の周りには、ヴァイオレット色のオーラ?も見えています。
糸のようなものは、「気」なのでしょう。
気のかたまりが、蜘蛛のようになってころがっていくのは、
ちょっとグロテスクでもありました。
ふっと部屋を見まわしてみると、そこは気の入り組んだ世界。
気は物からも出ています。
わたしの体から出た気の行く先を見ていると、タンスから
出てきた気とくっついていました。
あらゆる生き物、物体から出てきた気は、それぞれ勝手に
コミュニケーションを取っているのです。
糸のような気は、あちこちが切れているように見えます。
いろいろな長さの気が川のように流れて行くイメージです。
わたしの気とタンスの気は、くっつきあって、新たな長さの糸を
作り出していました。すべての存在はこのように関係しあって
世界を創り出しているのでしょう。

このときわたしは、すべてのものがつながっていることを
強く感じました。望むと望まざるにかかわらず、
わたしたちはひとつの存在なのです。
愛するものも、憎むものもつながっています。

窓辺に飾られた切花を見て、今一度驚きました。
花は、踊るように揺れ動いていました。
植物の動きは遅すぎて、人間にはよくわかりませんが、
本質のところでは、活発に動いているようです。
とても優雅なダンスで、いくら見ていても飽きません。

今まで、部屋の中や自分の手をまじまじと見たことはありませんでしたが、
このときは、生まれたての子供のように、あたりを見まわし続けました。
立ちあがって、ふっと力を抜くと、勝手に体が動き出しました。
自然にまかせて体を動かしていると、少しずつ調子が良くなってきます。
いつかテレビで見た、太極拳?でこういうものがあったはず。
あのときは、自分の意思で体を動かしているのでは?と思いましたが、
そうではないことがわかりました。体は自然に任せて必要な動きを選びます。

遠くから鐘の音と子供たちが遊ぶ声が聞こえてきます。
そんな鐘も子供もどこにも存在しないのですが・・・。

目を閉じると、誰か昔の人が、落語のようなものをやっていました。
江戸時代あたりのひとでしょうか?プロの噺家さんのようです。
残念なことに、彼の言葉はわたしには理解できませんでした。
着物を着て高座に正座し、扇子を片手に熱演していました。
この人は顔色が悪いな、と思いましたが、これが自然な顔色なんでしょうね。
テレビの時代劇の化粧や衣装は輝き過ぎというわけです。

別のものも見ました。
一昔前の外国の女優さんのような人が、気だるげに歌っています。
見物していると、次から次へといろいろな女性が出てきて歌います。

えんえんと見物した中で、一番美しかったのは、天界?です。
白銀の夜空に、天女が飛び舞っていました。
そこを寝釈迦が通ります。横になったままで、自転車をこぐように
足を動かしていました。寝釈迦の散歩?のような不思議な光景。

自分の手から出る気を見るのは、とても楽しかったので、
またながめていると、なにかがくるくる動いているのが見えました。
目を凝らしてみると、それが半分透き通った人の形をした小さな
存在であることがわかりました。妖精でしょうか?
彼らは踊っているわけではなく、10倍速の早回しで普通に生活している
みたいです。わたしたち人間とは動く速度が違うのでしょう。

少し休もうと横になっていると、ふっとあたりが暗くなりました。
となりの部屋からもれていた光も消えています。
頭を振り払うようにすると、またいつもの明るさにもどります。
でもまた気づいたときには、となりの次元?に入り込んでしまいます。
天井の木目が巨大な曼荼羅図に見えました。
モノクロの曼荼羅は迫力があり恐かったです。

こんな時間が丸2日ほど続きました。
しっかり睡眠をとった後に、もとに戻りました。
でも今でも、薄暗いところでは手から出る気が見えます。
健康なときに見ると、気は白い糸のように見えます。
小さな気泡がたくさん連なっているようです。
みなさんも、是非見てください。見えるのではありませんか?
こんなことがあるまで、わたしは薄暗いところで、手をじっと見る
などということはありませんでしたから。
そして、すべてがつながっていることを、
あなたの目で、確信してください。



































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