ファンタジー・SF 0
全17件 (17件中 1-17件目)
1
還らざる聖域樋口明雄 著屋久島が突如N国(実際にはちゃんと国名が書かれている)の軍隊に占拠され、島民を人質にとって日本政府を相手に、ある要求を突きつけます。そんな中で山岳救助隊や山岳ガイドが奮闘するという手に汗握るアクションありのサスペンス小説です。冒頭、空自のスクランブル発進から終始ハラハラする展開が続き、島民の虐殺、N国の内政事情、現役指導者の名前、核による恫喝などなど、フィクションとはいえ一昔前なら問題になりそうなヤバイ内容だったりします。読み物としても面白かったけど、山中を逃げ回ったり銃撃戦をしたり、描写は映画向けかな~という印象。ただし、少し自国を卑下しすぎてはいまいか?逆に敵国を美化しているというか、完全に・・・まあこれ以上はネタバレになるから書かない。面白かったが愛国者にはちょっと・・・・。還らざる聖域 (ハルキ文庫) [ 樋口 明雄 ]
Jan 1, 2024
コメント(0)
アクセス誉田哲也 著【中古】 アクセス / 誉田 哲也 / 新潮社 [文庫]【宅配便出荷】第4回ホラーサスペンス大賞で特別賞に選ばれた作品です。基本料金も通話料も無料になるネットサービスに契約したことで起こる恐怖の物語です。登場人物が多くて、視点を切り替えながら話が進むので、感情移入は難しい作品です。おそらく主人公だと思われる女子高生も、描かれるときは母親目線であったり、周囲の人間のほうがキャラ立ちしていたりで、わりと冷めた目で読み進めることになります。彼らの周りで次々に不可思議なできごとが発生し、どうやら原因が無料のネットサービスにあるのではないかと考えます。なんとか解約しようと奔走するのですが・・・。I不可解な事件の裏に巨大な闇のIT企業の存在が・・・というミステリ色が強くなっていくのかとおもったら、科学的なこと一切関係ない純粋なホラーでした。猟奇殺人が発生し、犯人に追いまわされ、やがてサイバー空間で自分の肉体を取り返すため死霊と戦いをすることになったり、いろいろな要素が詰まっています。親子愛あり、友情あり、ちょっと切ない恋もあり、やりたいこと全部やったような作品です。なかなかグロい表現もありますので、難しいこと考えずに、正体不明の存在に追われる恐怖を頼みましょう。
Sep 2, 2019
コメント(0)
【中古】【古本】ブラック・アゲート/上田早夕里/著【文芸 光文社】価格:964円(税込、送料別) (2018/8/29時点)ブラック・アゲート上田早夕里 著どこかの島を舞台に、人間より大きな巨大アリから逃げる映画を大昔観た記憶があるが、タイトルが思い出せない。小さなアリの大群にビルの屋上まで追い詰めらて、最後は全身をアリにおおわれて、それでもじっと耐えるシーンが記憶にあるが、こちらもタイトルが思いだせない。アリというと、近年ヒアリが日本上陸したと話題になったが、最近あまり聞かなくなってしまった。まだ繁殖しているのだろうか?とにかく、どこに潜んでいるのかわからないってのは怖いものである。この本では、アゲート蜂という蜂の存在が一つ目の脅威。この蜂は人の身体に卵を産み付ける。蚊に刺されたように痛みもなく、人は刺されたことに気づくことはない。やがて卵は幼虫なり、大量の蜂が皮膚を食い破って一斉に羽化するのである。もちろんその前に人間は死んでしまうのだが、その過程で人間は狂暴になり人を襲ったりもする。蜂症というのだが、ゾンビものによくある展開だ。この蜂症を発症した人間が二つ目の脅威だ。日本列島はすでにこの蜂の猛威に晒されている状態。しかし一部の離島では蜂の上陸は確認されていない。そんな離島の一つ、鰆見島がこの話の舞台である。ある日、とうとうこの島でアゲート蜂の大量羽化が確認される。島民の検査を行うと、なんと主人公の娘がすでに蜂症に感染していることが発覚。本土のとある病院で治療可能という情報を得た主人公一向は、本土を目指そうとするのだが、感染拡大を防ぐための治安部隊AWS対策班が彼らに立ちふさがる。このAWS対策班が三つ目の脅威。彼らは重火器の使用を許可されている。そして本当に撃つ。娘の発症までのタイムリミットがあるなかで、彼らは無事島を脱出できるのか!という感じのお話。そもそも、この島のアゲート蜂は本土から持ち込まれたわけで、AWS対策班もいまさらここまでやる必要あるのかなーと、疑問に思うところもあるわけだが、彼らも大切な人を蜂症で失ったり、また守りたいという信念の中で任務を遂行する人達なので、なかなか複雑な気持ちで見てしまう。日本もずいぶん気候が変わってきているので、変な生き物や病気が蔓延しないとも限らない。近い将来この本に書かれているような事が起こらないとも限らない。そんなふうに考えて読むと、心霊ものより怖い話かもしれない。異常に暑いこの夏おすすめの逸品である。
Aug 29, 2018
コメント(0)
葵多恵子 著少年法を逆手にとって、悪事の限りをつくす少年達は、ある弁護士夫婦を暴行の末惨殺。悪霊化した弁護士の妻による復讐が始まります。【中古】 怨がえし / 葵 多恵子 / 文芸社 [単行本]【ネコポス発送】価格:299円(税込、送料別) (2018/7/25時点) 少年法の是非を問う社会派小説かと思いきや、ホラー小説です。でもやっぱり根底には著者の少年犯罪に対する憤りがあるように感じます。 通常のホラーは、化け物に襲われる側の視点に立つのでしょうが、この話は逆です。むしろ襲われる少年達はただの加害者で、襲う側は最後まで被害者であるように感じました。逃げまどった末に無惨に殺される少年達に対しても、まったく同情できません。早く殺せ!もっといたぶれ!とさえ思ったほどで、この小説の何が怖いかというと、悪霊化した妻ではなく、その原因となった少年達の思考や行為そのものです。まったく理解し合えないという点において、まさに少年達こそが悪霊そのものであるように感じました。 すぐに殺されてしまう被害女性の過去が、妙に詳しく語られているのが気になりましたが、これは彼女のつらく苦しい過去を描写することで、仮に加害者である少年達の家庭環境に同情すべき点があったとしても、同じ環境を屈折せずに乗り越えて幸せをつかんだ被害者を引き合いに出すことで、それが決して犯罪を犯す言い訳にはならないという事を伝えたかったのではないかな〜と、勝手に解釈しました。
Jul 25, 2018
コメント(0)
無痛久坂部羊 著無痛【電子書籍】[ 久坂部羊 ]価格:860円 (2018/5/13時点)神戸で一家惨殺事件が発生。しばらくして、精神障害児童施設の少女が犯行を自供。外見から、病気だけでなく、犯罪を犯すかどうかもわかってしまう、医師の為頼は、少女の無実を見抜くが、少女の犯行を裏付ける証拠が発見され、事件は混迷をきわめる。実際に起こったいくつかの事件を連想してしまい、少し読むのがつらい小説でした。前半は猟奇殺人の謎を解く、純粋なミステリとして話がすすんでいきます。主人公の為頼は街中で見かけたある男の、通り魔的犯行を予見して、菜見子とその息子の祐輔を救います。為頼の不思議な力を知り、菜見子は自分の働く施設にいる十四歳の少女が一家惨殺事件に関係していることを打ち明けます。このあたりから登場人物の背景がすこし広がり、菜見子の過去や、為頼の病院経営の話など、複線の話がでてきます。そしてストーカーや、刑法39条の話へと発展し、やがて無関係だと思われたこれらの複線が一つになって、事件解決へと向かいます。このころになると、ミステリというより、サスペンスとかホラーといった雰囲気が強くなります。本作品中に、「治る病気はほっといても治るし、治らないものは治療しても治らない。」という確信めいた言葉が繰り返しできます。これは医師である主人公の考えなのですが、著者自身も医師であるだけに、真意を知りたいところです。これに関連した小説に「廃用身」がありますが、こちらも大きな仕掛けのある小説です。
May 13, 2018
コメント(0)
廃用身久坂部羊 著廃用身とは、脳梗塞などで麻痺し、治る見込みのない身体の部分をいいます。老人医療の現場で働く医師、漆原は、廃用身を切断するAケアという画期的な方法を試みます。切断により体重が減ったことから、ある老人は重度の床ずれが治りました。Aケアを受けた老人たちは、麻痺した部分を気にすることもなくなり、以前より行動的になりました。また介護も楽になり、本人だけでなく、家族にも明るさが戻りました。すべてうまく行っているかのように見えたAケアでしたが、マスコミがその是非を問う記事を掲載したことから、漆原は追い詰められていきます。さらにAケアを受けた老人が、思わぬ行動を起こします。怖い小説です。この本自体に大きな仕掛けがあるので、あまり詳しくはいえませんが、老人医療の現状が生々しく描かれ、医師である著者の実体験ではないかと思うほどリアルな描写です。老人医療の現状や、介護を必要とする老人たちの内面など、高齢化社会を迎えるにあたり、考えさせられるテーマが多く盛り込まれた作品です。(なんて考えて作品中の単語をいろいろ検索してしまうとバカをみることに・・・)廃用身【電子書籍】[ 久坂部羊 ]価格:616円 (2018/5/8時点)
May 8, 2018
コメント(0)
高田侑 著第4回ホラーサスペンス受賞作品他人が見た光景が見えてしまう主人公の苦悩を描いています。ある日、知人が殺される直前に見た光景が見えてしまいます。頻発するカラスの惨殺、送りつけられた不気味なビデオ。主人公の周りで起こる不可解な出来事。犯人の目的とはいったい・・・。ホラーであり、純愛のような、どろどろした不倫劇のような、最終的に家族愛を描いているようでもあります。ミステリの要素をもち、ハラハラドキドキのサスペンスでもあり、切なくてやるせない気分にもなり、そして涙してしまうちょっと変わったお話です。よくばりな人におすすめの小説です。裂けた瞳/高田侑【2500円以上送料無料】
Apr 15, 2018
コメント(0)
リカ五十嵐貴久 著スカイプで見ず知らずの人とおしゃべりするのが当たり前になった今だからそこ読んでほしい究極のホラーです。【中古】afb_【単品】_リカ (幻冬舎文庫)_貴久,五十嵐出会い系サイトで知り合ったリカという女性に執拗に付きまとわれ、困り果てた主人公は、知り合いの探偵にリカの身元調査を依頼しますが・・・・。いわゆるストーカーの話ですが、かなり怖いです。幽霊とかゾンビより遥かに怖いです。同じ人間であるはずなのに、まったく話が通じません。一方的な思い込みで、何を言っても好意的に解釈され、ひたすら付きまとわれる恐怖は半端なもんじゃありません。続編もありますので、併せて読むとさらに面白さが増します。
Mar 25, 2018
コメント(0)
仮想儀礼篠田節子 著インチキ出版社と、その仕事を請け負っていた男、矢口に騙されているともしらず、正彦は、創作の夢をかなえるために、長らく続けて来た仕事を辞め、5千枚にも及ぶゲームブックの制作に取り組みます。ところが作品完成後、矢口とは連絡がとれず、そこではじめて自分が騙されていたことをしります。妻とは離婚し、仕事も失った正彦は、街で偶然と矢口と出会います。矢口に恨みごとをぶつけますが、矢口もまた路頭にくれる身になっていました。二人で一攫千金を狙い考えたビジネス。それはなんと!宗教でした。仮想儀礼(下巻) (新潮文庫) [ 篠田節子 ]価格:853円(税込、送料無料) (2018/3/7時点)上下巻です。彼らが作った宗教「聖泉真法会」は、正彦のゲームブック「グゲ王国」の設定を使ったいい加減なものですが、どういうわけか、そこに御利益を感じる人が現れ、聖泉真法会はみるみる信者を増やしていきます。正彦と矢口がインチキ宗教で成り上がっていくサクセスストーリーかと思いきや、信者があれこれと問題を引き起こし、いつインチキがばれるのかと、ハラハラの連続です。二人の予想をはるかに超えたスピードで教団は大きくなっていき、やがて彼ら自身も、自らが興した宗教に飲み込まれていきます。仮想儀礼(上巻) (新潮文庫) [ 篠田節子 ]価格:853円(税込、送料無料) (2018/3/7時点)終盤はスリルとサスペンスの連続です。とても面白い小説です。
Mar 7, 2018
コメント(0)
片目の猿道尾秀介 著私立探偵の三梨は、谷口楽器からの依頼で、産業スパイに関する調査を請け負っていました。新しく雇い入れた冬絵という女性を、深夜、スパイ容疑の黒井楽器に忍び込ませますが、決定的な証拠をあげることはできないまま退散することになります。ところが後日、黒井楽器企画部の村井が殺され、混沌とする中で調査は終了することに。直前に村井が秘密で社内に招き入れたタバタという女の正体は・・・。登場する人物は、三梨をはじめ、ある「特徴」をもっています。それが「特長」であるのかも作品の謎のうちで、たとえば冬絵は、大きなサングラスでかたくなに自分の目を隠していますが、彼女は遠くで起こった航空機の墜落事故の瞬間「落ちる」と呟いています。この話を耳にした三梨が、彼女に興味を持つわけですが、三梨も同じく耳に秘密を抱えています。話は少し複雑で、産業スパイ、村井の殺し、登場人物の能力の秘密、三梨がかつて一緒に暮らしていた秋絵という人物の自殺の真相等、とても謎が多く、流れの中でそれらが一つにつながったときに、してやられたという気持ちと共に、「な〜んだ」と、ちょっとバカバカしい気持ちになってしまう変わった面白さのある小説です。
Mar 4, 2018
コメント(0)
獣王黒史郎著【中古】 獣王 / 黒史郎 / メディアファクトリー [単行本(ソフトカバー)]【ネコポス発送】 主人公は動物園で飼育員です。年下の上司に目をつけられ、陰湿なイジメをうける日々を送っていました。ある日、園内で動物の真似をしている奇妙な女性を発見します。その女性は、毎日のように訪れ、一日中動物の声や動きを真似ているため、気味が悪いという苦情がよせられ、対処するよう主人公に命令がくだされます。しかし女性は話に耳を貸すこともなく、ひたすら動物の真似をし続けます。どういうわけか主人公はこの女性にすっかり魅了され、自分のアパートに彼女をつれていきます。そこから奇妙な同棲生活がはじまりますが、女性は相変わらず何かしらの動物の真似するばかり。それどころか、次第にその容姿までもが変化するようになり、もはや人間とは呼べない女性に対して、それでも主人公は変わらぬ愛を注ぎます。種族を超えた愛の話なのか、怖い話なのか、よくわからないような展開になっていきますが、気持ち悪い話であることは間違いありません。
Mar 2, 2018
コメント(0)
紗央里ちゃんの家【電子書籍】[ 矢部 嵩 ]価格:454円 (2018/2/21時点)紗央里ちゃんの家矢部嵩 著小学5年生の主人公は、夏休みを利用し、父親と一緒に、従姉の紗央里ちゃんの家に泊り行くことになります。紗央里ちゃんの家には、祖父母(父親の両親)と叔母夫婦そして紗央里ちゃんの5人が住んでいましたが、主人公と仲が良かった祖母は、数か月前に亡くなっていました。こんな感じの設定で始まり、主人公が父親と共に紗央里ちゃんの家に着きますが、呼び鈴をならしても反応がありません。数十分待たされた挙句、出てきた叔母さんは、なんと血まみれ。叔母は、魚をさばいていたと言いますが、明らかに様子が変です。そして紗央里ちゃんの姿もありません。異変を感じ、この家の秘密を探ろうとした主人公は、洗濯機の下から人間の指を発見します。祖母の死にも疑問を持ち始めていた主人公は、この指が祖母のものか、それとも行方がわからない紗央里ちゃんのものか、さらなる調査を開始します。そもそもこの少年、指を見つけた時点で大騒ぎしないところから、すでに壊れている徴候がありますが、話が進むにつれ、いよいよもって狂ってるとしか思えない行動をとりはじめす。登場人物すべて狂っています。やってることも、言ってることもよくわからなくなってきますが、そこにまた怖さを感じます。手の込んだストーリーや下手な解釈は一切不要。狂ってるやつはそれだけで怖いというシンプルかつ強烈なホラーです。ホラー好きなら読むしかないですよこれは!
Feb 21, 2018
コメント(0)
GEQ 大地震 (角川文庫) [ 柴田哲孝 ]価格:864円(税込、送料無料) (2018/2/19時点)GEQ柴田哲孝 著阪神淡路大震災、911、スマトラ島沖地震、四川大地震の裏に潜む陰謀をジャーナリストの松永が暴きます。フィクションといいながら、実名を使用し、エピソードも事実。恐ろしい内容です。恐ろしすぎて何も言えません。とにかく読んで判断してください。
Feb 19, 2018
コメント(0)
【中古】 ファイナル・ゲーム /黒武洋【著】 【中古】afb価格:129円(税込、送料別) (2018/2/17時点)ファイナル・ゲーム黒武洋 著貫太郎は、大学時代に、試全倶楽部という非認可のサークルに属していました。試全倶楽部の主な活動内容は人間観察で、メンバー内でいたずらをしかけ、その様子を観察するという悪趣味なものです。大学を卒業し、ニートを続けていた貫太郎は、ある日、試全倶楽部の発起人でリーダーでもある桜正武からの招集を受けます。かつてのメンバーも同じように集められ、貫太郎、英太、達雄、玄、数馬の5人は、桜の会社が所有する島の研究所に連れて行かれます。桜の話では、その研究所での遺伝子研究の過程で、変わった生物が誕生し、秘密裏に始末されるまでの間、施設の人間は島から退去させられているとのことでした。桜の目的は、かつての仲間とともに、その生物を確認することでしたが・・・。絶海の孤島で、化け物に襲われて逃げまどうホラーかと思いましたが、ちょっとちがっていました。狂人の桜は、かつての仲間に殺し合いをさせ、その様子を観察するために絶海の孤島に仲間を集めます。そして研究所の中に閉じこめ、死んだ仲間の写真をメールで送ることを命じ、翌日の昼まで無事でいた者を島から脱出させることを約束します。さらに、5人の中にスパイが存在していることを告げ、彼らの猜疑心をあおり、殺し合いになるよう仕向けます。極限の心理状態で、生き残りをかけたゲームが繰り広げられます。
Feb 17, 2018
コメント(0)
OUT桐野夏生 著貯金を女とギャンブルにつぎ込み、暴力をふるう夫に嫌気がさした弥生は、夫をころしてしまいます。同じ弁当工場で働く雅子に相談し、遺体の処理を頼みます。雅子は、金に困っているベテランの従業員のヨシエを抱き込み、自宅の浴室で遺体をバラバラにしますが、たまたまやってきた同僚の邦子に知られてしまいます。しかたなく邦子を金でつり、遺体処理を手伝わせますが、強欲で浅はかな邦子の行いが元で、遺体遺棄事件が明るみに出てしまいます。ところが、生前弥生の夫が金をつぎ込んだ店のオーナーに容疑がかけられたことから、事件は思わぬ展開をみせます。Out(上) (講談社文庫) [ 桐野夏生 ]価格:720円(税込、送料無料) (2017/11/22時点)雅子、弥生、ヨシエ、邦子は、同じ弁当工場で働く仲間です。事件は弥生が起こしますが、一番冷静な雅子が中心になって物語が進んでいきます。家庭に問題があるのは弥生だけではなく、雅子は、口を利かなくなった息子と、無関心な夫をもち、ヨシエは夫に先だたれ、寝たきりの義母と、出来の悪い娘を抱えています。邦子は自分の浪費が原因で夫に逃げられ、借金にまみれています。駄目な主婦4人が繰り広げる、狂気に満ちた転落人生劇場です。Out(下) (講談社文庫) [ 桐野夏生 ]価格:668円(税込、送料無料) (2017/11/22時点)
Nov 22, 2017
コメント(0)
黒い家貴志祐介 著フリーゲーム、お酒、本の紹介、流木、園芸などなど趣味のサイト「風来の森プロジェクト」風来の森サイト保険会社に勤める若槻は、ある日、菰田という客の家に呼び出される。そこで子供の首吊り死体の第一発見者となる。不審なその事件に警察も動くが、その間、遺族である菰田夫妻から執拗なまでの生命保険の支払い請求が繰り返され、若槻を悩ませる。保険金殺人の疑いをぬぐいきれない若槻は、独自に菰田夫妻の調査を開始するが、彼を待ち受けていたものは悪夢のような恐ろしい出来事だった。【中古】 黒い家 映画版 角川ホラー文庫/貴志祐介(著者),大森寿美男(その他) 【中古】afb保険会社の裏事情や心理学など、専門的な話もでてきます。犯罪者を生み出す要因に、環境汚染によるDNAの損傷をあげるなど、かなり深いところまで掘り下げて犯罪者を分析するようなくだりが語られているため、長い話になっています。しかしホラーとしての見所である、逃げ惑うようなシーンは、最後のほうまで出てきません。それまでは心理的に追い詰められていく様子が描かれています。その分最後でいっきに恐怖が爆発します。黒い家【電子書籍】[ 貴志 祐介 ]【店内ポイント最大10倍】[DVD邦]黒い家 (1999年)/中古DVD【中古】(AN-SH201710)【期間限定★11/17-20時〜11/27-10時迄】
Nov 20, 2017
コメント(0)
パーフェクト・プラン柳原慧 著代理母として生計をたてる良枝は、かつて自分が出産した子(俊成)が母親に虐待されている現場を目撃し、子供を連れ去ってしまう。彼女と三人の男がチームを組み、罪にならない誘拐を考える。俊成の父を巧みに操り、ひと儲けを企むが、何者かの介入により、あと一歩のところで完璧な計画は崩れ去る。裏で俊成の母を操り、彼らを本物の犯罪者に仕立て上げようとするの者の正体は!株取引やハッカー、瞬間記憶能力などなど、とにかく色々な要素がぎっしり詰まっていて、とても面白い小説です。ちょっと前の本ですから、ハッカーネタもやや旬をすぎてるかな〜って感じで、専門的なことがずらずらでてきますが、この辺は「そういうもんか」という程度に流して読むといいかもしれません。まず代理母の良枝が子供を連れ出し保護します。このままでは犯罪になると思い、彼女の元愛人の幸司が、兄貴分の赤星と株屋の龍生を頼り、Enigmaを結成します。俊成の父で投資アドバイザーの俊英に、母親による虐待を告げ、あくまで善意で俊成を保護していることを伝え、同時に有力な株の情報を与えます。俊英の投資力の便乗し、ひと儲けしたEnigmaのメンバーは、彼を父の元に返すことで、すべてを終わらせようとします。ところが、彼らのメールでのやり取りを、何者かが盗み見て、俊成の母咲子を操り、計画の阻止をはかります。さらに警察までが参戦し、先の見えない展開になっていきます。Enigmaのメンバーは金もうけを考えていますが、俊成の身も案じており、決して悪い人間ではありません。リーダー的存在の龍生と父との絆や、自閉症の俊成が起こす奇跡など、人間ドラマもあって、一冊にまとめるのが惜しいような気がします。最後はホラーかと思うような、ゾっとする展開もあって、最後の最後までハラハラドキドキさせられる読み応えのある小説です。パーフェクト・プラン(上)新装版 (宝島社文庫) [ 柳原慧 ]価格:493円(税込、送料無料) (2017/11/18時点)
Nov 18, 2017
コメント(0)
全17件 (17件中 1-17件目)
1