(Ωサーバー)隠されし 金色の 資金石 Lv.85

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笑いを作る人。オープニング


そして、どれだけの人が笑顔を捨てたのだろう?
数え切れないだろう。
ボクは、泣くのはイヤだ。
人が、泣くのを見るのなら、僕は道化となり、人々に嘲られよう。
世界では、どれだけの人が泣いてるんだろう?
涙なんて、もう見たくない・・・。
ーーーー笑いを作る人ーーーー
by るか

ここは、とある国。
戦力の違いを見せ付けられ、強国にひれ伏す以外できない国。
ここはとある国。
平和主義で、戦争がおきない事をいいことに、国民の金を財布に入れる政治家。
そして、強国に尻尾を振っている奴がいる国
ここは、とある国。
イツ、死ぬかわからない現状、希望を捨てた人々。
そんな国
笑いはどこにあるのだろう?
笑い。希望の種。
希望の種をまきに行こう。
たとえ、この身が朽ち果てようが。

第一話
あの日、ボクは何をしているんだろう?
大事なものを落としてしまった。
なくしてしまった。
奈菜。
ボクは、君に何もしてあげられなかった。
ボクは情けない男だ。
ダメだ。
飛び降りよう。

自ら、死を望んでも、生にしがみつき死ぬ事すらできなかったボク。
ボクは、この手で愛すべき人との仲を切り裂いた。
雪の降る日、奈菜はボクを待っていた。
その日はボクの誕生日だった。
でも、ボクはソレを忘れていた。
約束もしていたはずなのに。
彼女は、ボクを待ち続け、ついに雪の積もった地面に倒れ、長いねむりについた。
ボクは、クズだ。
生きていても仕方が無い。
なのになのに、ボクは生きている。
ごめん…。奈菜。
ボクはもう笑えない。
「まだまだ、早いんじゃないか?」
そいつは、突然現れた。
ボロボロのTシャツ。
ボサボサの髪。
にやけた顔。
「あんた、誰なんだ?」
男は、ニィと笑いながら答えた。
「笑いを作る人さ。」

そいつは、ボクを見て、ニヤニヤしている。
何がおかしい?
ボクがそんなに笑えるのか?
「あぁ、すごく面白い。」
何がおかしい!
ボクは悲しいんだ!!
自分のふがいなさがすごく!!
「だから、笑えるんだ。」
何?
「もし、君が奈菜ちゃんのそばにいたら彼女を助けられたのか?」
なんで、奈菜を知ってるんだ!!
「笑いを作る人だから。」
答えになってないだろ!!
ふざけるな!!
殴り飛ばしてやるっ!!
「無駄無駄。俺は殴れない。」
ボクの拳は奴の顔を抜けた。
「彼女は、病気だった。」
!!。
なんだそれ?
ボクはそんな事知らないぞ!
「彼女の命の火は消えかかってたんだ。たぶん、あの日に死ぬと彼女はわかっていた。」
そんなこと知らない…。
「いいや、君は知っていたはずだ。記憶を探ってみろ。」
奈菜は、いつも咳をしながらニコリとボクに笑顔をくれる。
そう、咳をしながら。
咳?
「そう、咳だ。」
奴は、いまだににやけたままだ。
「彼女は、君に言いたかったんだ。自分が死ぬ事を。
だから、彼女はあえてあそこに行った。
君たち二人の最初の場所へ。」
あぁ、そうだ・・・。
あそこは、ボク達が初めてデートしたところだ。
奈菜は、覚えていたんだ…。
「さて、ここで君は何をすればいいか。
その答えはもうできているハズだ。
わかるだろう?」
あぁ。
十二分にわかってる。
行くんだ!!
あの、場所に。
ボクと奈菜の場所に!

ここは、あの日のように雪が降っている。
白く、冷たい雪が。
「さぁ、雪を取ってごらん。」
雪を、手のひらに乗せてみると、不思議な事に冷たくない。
それどころか、暖かい。
「さて、そろそろ魔法が消えてしまう。
ボクはそろそろ消えるか。」
待ってくれ!
行かないでくれ!!
あんたがいなくなったら俺は…。
「大丈夫。あんたはもう笑えるはずだ。ホラ、口の端をあげてみろ。」
笑えた。
久しぶりだな。
笑えるのは。
「じゃあな。ここでさよならだ。
ホラ、またどこかで涙が落ちる音。」
そう、言い残して奴は消えた。

翌年、ボクは初めて奈菜の墓に行った。
太陽がサンサンと降り注ぎとても暖かかった。
「ホラ、ボクはもう笑えるよ。奈菜…。」

第2話
ここは、どこだ?
俺は、何をしていたんだ?
手から、冷たい固体が落ちる。
目の前は、赤一色に染まっている。
あぁ、またやってしまった。
また、殺してしまった。

俺は、小さなころから、カッとなると自分を忘れて相手を傷つける。
それは、成長するにつれて徐々にエスカレートしていった。
学校のウサギ。
野良犬。
そして、今。
人を殺してしまった。
こうして俺はめでたく刑務所行きだ。
俺は潔く罪を認め、監獄の中に入った。
そこで、俺は出会った。

そいつは、ボロボロの服を着て、俺を見るなりニヤリと笑った。
「あんたの心、泣いてるぜ?」

何だ?こいつ。
いきなり、心が泣いてるって、何モンだ?
「いやいや、俺は名乗るほどのモンじゃないよ。そうだな。
笑いを作る人とでも呼んでくれ。」
「笑いを作る人?ラフメイカーか?」
「ん?あ、そっちの方がいいな。」
ラフメイカーは、俺の方を見てまたニヤッと笑った。
「あんたが殺害に走った理由は、この国に問題があるな。」
「この国?あんたこの国の人間じゃないのか?」
ラフメイカーは、笑ったまま答える。
「あぁ、日本ってとこだ。」
「日本?あぁ、あのダメな国か。」
「ダメな国?」
「あぁ、その国のトップは米国に尻尾を振って言いなりじゃないか?」
「ま、合ってるよ。その答えは。」
ラフメイカーは、苦笑交じりの笑みを浮かべる。
「でもさ、あんたが走ったのはこの国のせいだってのは本当だ。」
「何だと?」
「この国の制度が問題なんだ。親は子供に勉強させ、政治家か医者、それとも弁護士になれと言う。
そして、それ以外の職業はクズだとみなされる。
親は勝手に子供に期待して、期待にこたえられなければクズ呼ばわり。
そんな、風習があんたを狂わせた。
あんたは、もう戻れない。」
「………。」
「こんな、国で育ったのが、悪かったようだ。お前は、マトモな人間に戻れない。」
「でも、俺は、償いたいんだ。殺しの罪を…。」
「じゃ、笑ってろ。」
「?」
「笑ってれば、心はラクになる。すれば、お前は元のままに近づく。」
「笑い?」
「俺は、あんたを笑わせに来たんだ。」
「笑い…。」
「あんたが、元に戻ったら、日本につれてってやるよ。」
「本当かっ!!?」
「あぁ。」
その一晩、俺はラフメイカーと笑い明かした。

そして、裁判の日。
俺は、死刑となった。
第一級犯罪、殺害。
理由も無く、人を殺す残酷極まりない犯罪。
俺に、つけられたレッテルは獄悪人、殺人鬼、数知れない。
でも、俺は笑った。
あいつの言ったとおりに笑った。
死刑執行の日、神父が俺の前に来て「何か祈りたい事は?」と聞く。
俺は、迷わずにこういった。
「俺は、死ぬ直前まで笑っていたい。」

監獄の外をラフメイカーが歩く。
銃のなる音がイツまでも彼の頭に残る。
彼の笑い声が、空しく消えていった。
「あんたの笑い声、最高だ。」
ラフメイカーは、そのまま消えた。


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