☆Loui’s             Kingdom☆

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出産後



出産後、私が会陰を縫合してもらっている間、Loui’は、看護士に隣の部屋へ連れられて、身体を拭いてもらったり、もろもろの測定をしてもらっていた。

パパはその様子を撮影していた。

縫合が終わって、そのまま3時間ほど、分娩台の上で休んでいた。部屋の電気は消されて薄暗く、台風の雨音がガラス越しにザザーっ聞こえるだけで、静かで、ぼーっとしていたが、出産の興奮と感動がまだ醒めやまず、眠ることはできなかった。

そっと、お腹に手を当ててみると、ペッタンコのフラットなお腹に戻ってた。さっきまでお腹が大きかったなんて思えないくらい身体がなじんでいた。

時折、パパがやってきて、新生児室で寝ているLoui’の様子を知らせてくれた。総合病院だから新生児室には常に20人くらいの赤ちゃんが眠っているけど、パパは「ひいき目なしで、うちの子が一番かわいいよ」と既に親バカぶりを発揮していた。

3時間経って、助産師さんに付き添ってもらって自室へ戻ろうと、分娩台を降り、2歩程歩いた直後、目の前が一面銀色になって、前が見えにくくなり、フラッとした。身体を寝かせているときは、どうともなかったけど、出産後の出血で貧血になっていたみたい。

すぐに別の助産師さんがタタターっと車いすを用意してくれて、私は産まれて初めて車いすに乗り、パパに押してもらった。

途中、新生児室の前で停まってもらい、ガラス越しに我が子を見た。Loui’は眠っていたけど、車椅子に座っていて位置が低いことと、貧血で目が見えにくいことで、あんまりハッキリとは確認できなかった。

自室へ戻って、パパが撮影したビデオを見せてもらった。とてもかわいかった。



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