外資系経理マンのページ

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きのうと今日



あの宝くじ売り場は、もう店じまいしている。しかし、おれは夢でも見ているのか?夢と現実が交錯して、自分がどこにいるのか、柴はわからなくなっていた。

しかし、それは会社に行けば、そして、自分のパソコンを立ち上げれば、すべてはわかるのではないか?柴はそう思った。

会社のビルを下から見てみると灯がついている。表はしまっているから、よこの非常ドアのそばにある、カードリーダーにセキュリテイーカードをすっととおしてビルに入った。

一階のエントランスは、緑色の非常灯が点灯しているだけで、外のネオンサインのつくり出す明るさとは対照的な雰囲気をつくりだしていた。ガラス1枚ではあるが、外の騒音は完全に遮断されていた。

会社のフロア。経営企画はもちろん、総務経理も人はいない。営業が何人か残っていた。

柴は自分の席につき、パソコンを立ち上げる、と同時に、ふと部長席脇のソファーをみて、背筋が凍った。

夢でみたと思っていた坂角ゆかりの袋が、落ちてる。そして、夢で飲んだと思っていた缶コーヒーがそこにあった。その缶を持って振ってみると、3分の1くらい残っている。

しかし、時間的なつじつまが合わない。いまは9時半だ。たしか、作業は終電の時間までかかったはずだ。まだ、2、3時間はある。

パソコンが立ち上がり、パスワードを入れる。すると、いつもの見なれたデスクトップがあらわれた。

みると、夢でつくっていたフォルダー、部長名のフォルダーがあり、そこをクリックしてみると、なかにパワーポイントでつくった書類が入っている。

中を確認すると、完成している。

そして、驚いたことにその最終更正日時間をみると、きょうの12時30分。まだ、時を刻んでいるはずのない2時間あまり先の時間をさしているではないか。

柴は腰がぬけた。




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