ゲーム開発者のつぶやき

ゲーム開発者のつぶやき

2006.04.18
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カテゴリ: 業界の流れ
本日は、なるにはシリーズをお休みさせていただき、
海外展開について思った事をブログします。

昨今のゲームが商売として成り立つため には、
日本市場のみならず
海外市場も視野 に入れなければいけない事については、
このページでも何度か言及してきた事です。
元々が日本のゲーム会社についても、
必ずと言っていい程に 海外にも会社 を持っており、
ゲーム開発は世界をターゲットに開発される時代
になりました。

さて、私も現在、次世代機のゲームを開発中ですが、
つい先日に北米社の会長達が
現在、開発中のゲームの視察に日本までやってまいりました。
以前では、 開発中に海外の会社の役員が視察 に来る例は
極端に少ない例と言えたものですが、
最近は、海外からもゲームのチェックに
やってくる事が多くなっています。

これは、海外市場に展開する前に、
どのようなゲームが作られているかを知る事によって、
海外展開をどのように行っていくかの
指針を決めるためであります。
現在、開発中のソフトも日本未発売ながら
既に海外での展開も決まっており、
今回の視察は日本先行発売後の海外展開のための梃入れが、
どの程度、必要であるかの検証が主だったようです。

この流れは世界を市場とする以上は
致し方ない面がありますが、
日本固有の感性を持ったゲームソフト
生まれ難い環境になった とも言えるかと思います。
開発予算の事を考えれば、
既に海外を視野に入れて開発をした方が
コストを抑える事が出来るのは当然のため、
それを念頭においた開発体制をとる会社が多いようです。
ところが、私としては、 その方針には大反対 でして、
この方針では、そのまま進んだ場合に、
何処をターゲットとしたのか不鮮明な
中途半端なソフトが増えてしまう可能性が
高くなってしまいます。
最近のゲームでも、そのようなタイトルに心当たりが
ある方は非常に多いのではないでしょうか・・・

幸いにして、私の開発タイトルについては、
海外発売予定が既に決定済みながら、
会社と相談の上、海外展開を視野に入れてのゲーム性の調整は、
日本発売時には、しなくても良いとの
お墨付きを頂く事が出来ました。
やはり、日本では、まず日本単体として考えて
ゲーム製作に注力したいところです。
その結果、良い物が仮に出来たのであれば、
その後に調整の負荷をそれほどにかけずとも、
海外にも受け入れられるゲームに、
必ずや、なるのではないかと信じております。

良い物は万国共通 です。
私にとって海外を視野に入れるという事は、
海外を視野に入れないという事です。
海外、国内と小さいカテゴリーで考えて開発するのではなく、
良い物かどうか、その1点だけに集中して開発する事が
結果的にコスト削減、売り上げ上昇に
繋がるのではないかと思います。
最近の ゲーム会社は海外を意識しすぎている
感じがあります。

是非、日本のゲーム会社は、
もう一度、原点を思い出しての製作に立ち返ってほしいところです。
その結果として、日本産のゲームのゲーム性が
王道へと返り咲けるように したいですね!


私もプログラマーの代表の一人として参加させて頂きました。
毎回、思うのですが、何故、英語が共通語なのでしょうか・・・
ここは、日本ですから、日本語もある程度は勉強してほしいところです。
暗黙の了解で毎回、英語というのも
多少、英語圏の傲慢なような気がします。
話題がそれましたが、ちょっとした疑問です・・・


海外展開





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Last updated  2006.04.18 11:18:34
コメント(14) | コメントを書く


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Re:海外展開の流れに際して(04/18)  
ジャングル さん
海外展開は気にしないのがいいです。日本がゲームの中心ですwwwだから、OKです。 (2006.04.18 11:46:02)

こんには  
久遠2873  さん
すべてにおいて「郷に入っては郷に従え」を象徴する
ようなお話の数々ですね。
英語での会話しかり、ゲーム性についてもしかり。

どうも日本というのは、あるビジネスが発達すると
そのうち「どんな人にも対応できる」というものを
作りがちになってしまうような気がします。
コンビニなどはその最もたる例なのかもしれない
と思ってしまいます。

小売的な話でいくと、一時期、巨大なモールや
コンビニがどんどん増えました。
「どんな買い物のニーズにも答えられる広い商品ジャンル」
というコンセプトがあったものの、対照的に
「この商品の専門店」というものがなかったのです。

「何でも置いてあるお店」はとても便利ですが、
当然、経営的在庫などの問題から「広くても浅い商品数」
しか確保できなくなってしまいます。
結局、広く浅い商品数しかないお店は、初めは沢山の
人がおとずれても、そのうち飽きてしまいます。
結局、色々な人に対応するための部分に注力
してしまうために、浅い商品構成となってしまうからでしょうか。

ここで出てくるのが「特化」というキーワードだと思います。
クリエーターさんがおっしゃるように
その物の良い所・得意な部分を特化させて創り上げる事。
それは、今の時代だからこそ必要な気がします。

ゲームにおいてもそうですが、もともとの感じ方
も違えば文化も違う人々が等しく楽しめるという
物を創りだす事は不可能に近いように感じます。
特に難易度やグラフィックなどは最もたる例。

日本は日本の、海外は海外の良さという部分を
特化させて異文化交流を図るほうが、よほど
ユーザーは納得して楽しめるのではないでしょうか。

ちょっとまとまりない、解り難い文章ですみません。

(2006.04.18 13:47:00)

Re:海外展開の流れに際して(04/18)  
影男1996  さん
こんにちは。

文化の違い、と一言で言ってしまえばそれまでなのですが、特にビジュアルセンスに
関して言えば、同じ人間とはとても思えないくらいにギャップを感じますねw

大昔の技術が低い時代であればさほどでもないのでしょうが、
昨今の高性能ハードにおいては表現力が向上した分、各地域に見合うビジュアルでなければ
通用しないのが現状なのでしょうね。

国内メーカーが海外も視野に入れたゲーム作りをせざるを得ないのは理解できますが、
どっちに対しても中途半端なつくりになってしまうのを危惧するものであります。

以前、SFCの初期の頃にはやたらと海外産のゲームが発売されていたような気がします。
(シムシティ、ポピュラス、レミングス、ドラッケンetc)

本当に面白いものに国境はないと信じるものですが、皆洋ゲーみたいになったら
それはそれでイヤだなw

(2006.04.18 16:01:32)

Re[1]:海外展開の流れに際して(04/18)  
光の使徒  さん
外国もやっぱりすごいですw
でも、日本は日本なりのゲームを造ればいいんじゃないかって思いますね。
影男さんのように皆洋ゲーみたいになったら幼いユーザーとか困っちゃったりしてw
(2006.04.18 16:19:42)

Re[1]:海外展開の流れに際して(04/18)  
ジャングルさん、こんにちは。

>海外展開は気にしないのがいいです。日本がゲームの中心ですwwwだから、OKです。

日本人特有の創造性を維持した上でゲーム製作に取り組んでいきたいですね。
その結果で、世界で受け入れられるゲームになる事が理想です。
(2006.04.18 18:37:44)

Re:こんには(04/18)  
久遠2873さん、こんにちは。

>結局、広く浅い商品数しかないお店は、初めは沢山の
>人がおとずれても、そのうち飽きてしまいます。

仰る通りですね。
あまりにも幅広いターゲットを持ってしまうと、
結果的にどの対象に対しても、ぼやけた提案しか出来なくなってしまいます。
最近のゲームは、この傾向が強まりつつある事を懸念しています。

結果的に、しっかりと目標地点を定めたゲームの方が
広く世の中に受け入れられると思いますから、そのようにゲームを開発していきたいですね。

>ゲームにおいてもそうですが、もともとの感じ方
>も違えば文化も違う人々が等しく楽しめるという
>物を創りだす事は不可能に近いように感じます。
>特に難易度やグラフィックなどは最もたる例。

グラフィックスに関しては、仰る通りに、好みの違いが分かる例の一つですね。

然し、ゲームに限らない話ですが、グラフィックスの好みの違いはあれど、
世界的に共通して受け入れられるグラフィックスがあるのも事実です。
そのようなグラフィックスが海外に媚びたものかと言えば、
そうではないように思います。
そこを目指す事が開発者の本分なのではないかと考えています。

>日本は日本の、海外は海外の良さという部分を
>特化させて異文化交流を図るほうが、よほど
>ユーザーは納得して楽しめるのではないでしょうか。

はい。その通りであると思います。
現行の流れを進んでしまっては、最終的にゲーム性すらも統一されてしまい、
どのソフトを買っても同じという事態にまでなってしまう危険があります。

世界をターゲットするのは市場論理からして致し方ない事ではありますが、
それによって、開発者の魂を無くさないように気をつけていきたいですね!
(2006.04.18 18:44:54)

Re[1]:海外展開の流れに際して(04/18)  
影男1996さん、こんにちは。

>文化の違い、と一言で言ってしまえばそれまでなのですが、特にビジュアルセンスに
>関して言えば、同じ人間とはとても思えないくらいにギャップを感じますねw

仰る通りにビジュアルセンスの違いは誰もが認識するところですね。

然し、世界的に受け入れられるビジュアルが存在しているのも事実です。
それが、他の国に媚びて作られた物かと言えば、
必ずしもそうではありませんので、
そこを開発者は目指していくべきなのでしょうね。

>大昔の技術が低い時代であればさほどでもないのでしょうが、
>昨今の高性能ハードにおいては表現力が向上した分、各地域に見合うビジュアルでなければ
>通用しないのが現状なのでしょうね。

通常、考えれば、それが一番、簡単な正解ではあると思うのですが、
私としては、この時代にあっても、共通に通用するものがあると信じていますので、
前述と被りますが、そこを目指していきたいです。

>国内メーカーが海外も視野に入れたゲーム作りをせざるを得ないのは理解できますが、
>どっちに対しても中途半端なつくりになってしまうのを危惧するものであります。

仰る通りであり、最近、増えてしまっている事例ですね。
このような傾向は歓迎出来ないものです。
この流れに歯止めをかけたいところです。

>本当に面白いものに国境はないと信じるものですが、皆洋ゲーみたいになったら
>それはそれでイヤだなw

それは嫌ですね・・・
日本の開発者特有の感性を生かしたゲーム、
海外の開発者特有の感性を生かしたゲーム、
それらが正しく共存する事が理想ですよね。
その理想に向けて進んでいければと思います。
(2006.04.18 18:49:55)

Re[2]:海外展開の流れに際して(04/18)  
光の使徒さん、こんにちは。

>外国もやっぱりすごいですw
>でも、日本は日本なりのゲームを造ればいいんじゃないかって思いますね。

日本の開発者として大事な部分が抜け落ちてしまっては、
ゲームがただの商品になってしまいます。
そのようにならないようにしたいですね。

>影男さんのように皆洋ゲーみたいになったら幼いユーザーとか困っちゃったりしてw

幼いユーザーに限っていけば、最初から、それしかないのであれば、
ある意味では困らないかもしれませんね・・・
但し、楽しさをしっかりと味わえるのかどうかは疑問ですが・・・
(2006.04.18 19:02:53)

大変ですね  
定形外郵便  さん
こんばんわ。
日本人と米国民のゲームの好みの違いは、昔から話題になりますね。
ただ、素人視点では、「洋ゲーはアリか・ナシか」程度の認識だったのですが、
これからはユーザーも無関係でいられなくなりそうですね。
「マグナカルタ」の開発の際、演出方法などのクリエイティブな部分まで、
日本人好みになるように指導したそうですが、
これからは日本のクリエーターが、
欧米文化を強要されるようになって行くのでしょうか? (2006.04.19 00:03:19)

Re:大変ですね(04/18)  
定形外郵便さん、こんばんは。

>ただ、素人視点では、「洋ゲーはアリか・ナシか」程度の認識だったのですが、
>これからはユーザーも無関係でいられなくなりそうですね。

現時点でも、既に日本産のゲームも海外を視野に入れた開発をされた作品が多くなっています。
そういう意味でユーザーも影響を受けています。

海外の趣味を全面に押し出した作品になってしまった場合には問題が発生しますので、
その点は、日本の開発者が考えていかなければいけないところです。

>「マグナカルタ」の開発の際、演出方法などのクリエイティブな部分まで、
>日本人好みになるように指導したそうですが、
>これからは日本のクリエーターが、
>欧米文化を強要されるようになって行くのでしょうか?

市場の論理として強い市場を中心に考えます。
そのため、欧米でのゲーム市場が活発であればあるほどに、
日本産のゲームへの欧米からの影響は増えていく可能性が高まります。
かつて、日本産のゲームが世界への圧倒的な影響力を持っていた事の逆の現象が起き始めていると言えるでしょう。

然し、そんな流れであるからこそ、
日本市場をしっかりと考えた上でのゲームタイトルリリースが必要です。
まずは、しっかりと日本市場を盛り上げていく事が
日本の開発者に課せられた使命ですね。
(2006.04.19 00:21:35)

ちょうど新聞記事で読んでところだったんですけど。  
吉野カナコ  さん
こんばんわ~~、いつも楽しくブログを拝見しています、吉野カナコです。

ちょうど、今回のブログを読んでいて思い出したのが、ちょっと前に、新聞記事で、アメリカでニンテンドーDSソフトの「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を発売することに大きな反響があるという記事でした。

アメリカのゲームソフトがどんな系統が多いのか、よく知らないのでなんですが(なんとなく高グラフィックよりのゲームのような気がしますが)、結構そういう単純だけど色々な年齢層(とくにゲームをやらなかった層)にうけるゲームがなかったらしく、ちょうど犬を飼うゲームの「ニンテンドックス」もヒットしているそうで、現地の開発者がびっくりしているというような内容でした。

たまたま、ここで、DSの話とか、開発費の話とか聞いていたので、特にその記事が印象に残っていたのですが、

いいゲームなら、海外での受け入れられる要素があるって、こういうことなのかな??と思ってカキコしました。 (2006.04.20 23:02:10)

Re:ちょうど新聞記事で読んでところだったんですけど。(04/18)  
吉野カナコさん、こんばんは。

>いいゲームなら、海外での受け入れられる要素があるって、こういうことなのかな??と思ってカキコしました。

そうですね。
任天堂のゲームは非常に良い好例であると思います。

この会社のゲームはグラフィックスに傾倒していないのですが、
全世界に通用するゲームを毎回、リリースしています。
これは、ゲーム性を非常に大切にしたゲーム製作の仕方であると言えますよね。
どこの会社も見習いたいと思っているのですが、
なかなか、任天堂の牙城は崩せないですね。
また、他の会社で、このような試みをしても、
過去の信用度の違いから、実を結ぶまでが大変です。

尤も、任天堂のゲームも開発費という観点から言えば、
膨大に掛かってしまっているゲームが多いのも事実ですね。
然し、それ以上の売り上げを記録していますので、
まったく問題にならないところが凄いところです。
(2006.04.23 23:47:15)

Re:海外展開の流れに際して(04/18)  
ume3882  さん
日本固有の感性を持ったゲームソフト・・・

今はあまりみかけなくなりましたね。

昔からの伝統を守ってくださいね
(2006.04.24 15:07:36)

Re[1]:海外展開の流れに際して(04/18)  
ume3882さん、こんにちは。

>日本固有の感性を持ったゲームソフト・・・
>今はあまりみかけなくなりましたね。

そうですね。

ゲームソフトもグローバル化が著しいためなのか、
感性までもが世界の感性と平均化されてしまっているゲームが増えてしまっております。

>昔からの伝統を守ってくださいね

伝統は守っていきたいですね。
尤も、現在のゲーム業界の状況を見ると、
この問題に対処していくのは容易ではないと感じていますから、
これは、必死にやっていく必要がありそうです。
(2006.04.24 18:14:23)

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