真説RS:赤石物語 「Prologue」


ブルン暦4423年6月に起きたとされる『 赤き空の日 』より


およそ500年後の世界のお話


果てしないほどの時間が過ぎ行き、幾多の犠牲を生んだ時代を経て


ブルン暦4921年、今一つの物語が幕を開く










『真説RS: 赤石 物語』 ~Prologue~






「およそ五百年余りの昔たるブルン暦4423年6月。俄かに空が黒く成りて3日間彼の状態が続け。続いて十日間明るくて赤き光空を被いし。彼の挙句、赤き光一つの点に成りて南の土地に落ちれり。」



いわゆる「 赤き空の日 」と呼ばれる事件


その後、特に目立った事件もなく人々は不思議だったあの事件を忘れてしまうように見えた。


だが、ここ最近になりどこからともなく不思議な噂が流行りだすようになって、「RED STONE」に関連する様々な噂が登場したのがこの頃であった。


ある者はあれは本当にあったかどうかも確認できない大昔のことで一部の物好きが作り出した作り話だと言っていれば、ある者はどこかの大金持ちが失った大きいルビーを取り戻す為に立てた噂に過ぎないとも言っていた。


一部の好奇心の強い冒険家たちが「RED STONE(レッドストーン)」を探し始めた。


最初はフランデル大陸の極東、ゴドム共和国から広がり始めた「RED STONE」の探索は、瞬く間にフランデル大陸全土にわたり切っていた。
その中もっとも大きな活躍を見せたのはフランデル中部を根城にしていた傭兵集団であった。


彼らは大陸の隅々まで探り出し、山、野原、島まで探しまくった。


しかしその結果として島や山の深く寝込んでいた悪魔達を起してしまう・・


太古の神と悪魔の戦争で敗れ、地下深くに潜んでいた悪魔達は、思いもよらなかった人間の侵入で自分達の領域が破壊され、その代償として人間を攻撃し始めた。


長い年月、悪魔と接したことのなかった人間は必死で自分達の家族、街、国を守る為に戦ったが、悪魔達のおびただしい力と数え切れない数の前にはどうしようもなかった。


無知なる人間の探索で叩き起こされた悪魔達は人間の世を放っておかなかった。


現にフランデル大陸中部の巨大帝国エリプトはこの恐ろしい力の悪魔達に滅ぼされてしまう


エリプトが消滅してしまったあと、「RED STONE(レッドストーン)」の探索の勢いは少しばかり衰えた。
だが、ゴドム共和国(当時のブルンネンシュティグ王国)で、依然として国家的に「RED STONE」探索を進行していた。


帝国が潰れて仕事が無くなってしまったエリプトの傭兵たちもブルンネンシュティグ王国に雇われ、王宮の魔法使い達も「RED STONE」の探索の研究に投入されてかなりの成果を上げた。


結局、ブルンネンシュティグ王家は「RED STONE」探索専用の研究機関にして秘密結社である‘レッドアイ’を創立することになる。


得られた成果の中、一番大きかったのは「RED STONE」の存在を確認できたことだった。


さらに実は地上に落ちた翼の折れた追放天使たちは、地上界に降りてビショップに変身し、「RED STONE」の噂を作り出す震源地の役割をしたということも明かされた。


数多い噂を集めて整理し、そのなかで幾つかの真偽を確かめた研究結果も注目すべきものだったが、レッドアイの研究成果の真髄はほかならぬ「RED STONE(レッドストーン)」の発見であった。


しかし、レッドアイが宝石を見つけたその当年、ブルン暦で4807年に‘ シュトラディヴァディ家の反乱 ’が起きて、ブルンネンシュティグ王国自体が崩壊してしまったのだ。


大体の王族は殺されるか、隣の神聖王国ナクリエマに亡命した。大勢の貴族達が反乱の渦中で殺された。勿論、王室直轄機関であったレッドアイも瓦解になった。


不幸は一人では行かずというか、レッドアイの本部ではおびただしい爆発と共に大火事が起き、数え切れない史料と共にレッドアイ自体が吹き飛ばされてしまった。
結局、噂の真偽は確認できなくなり、「RED STONE」に対することは一般に知らされていたや噂で流されていたもの以外には全部迷宮に落ちてしまった。


それから110年余りが経ったが、冒険家たちは今も尚「RED STONE」の探索を続けている。


それはレッドアイの会長が姿を消す前に残した言葉がきっかけになったに違いない。



『「RED STONE」を求めているか?汝らはそれが自分の求めている唯一の物だと考えておろうが、生憎様、あれはそんな代物ではない。ただの盗まれた物に過ぎぬ。しかも唯一でもない、数多い盗まれた物の中の一つに過ぎぬのだ。彼の「RED STONE」が富と名誉をもたらしてくれるやもしれぬが、正しい扱い方を知らねば汝を破滅に導いてやるだけだ。あのブルンネンシュティグの最後の王のように。』


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